46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生

  • NTT出版
4.20
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本棚登録 : 201
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757150607

作品紹介・あらすじ

マイク・メイはいつも体当たりで生きてきた。3歳で視力を失った後も、実業家として成功し、温かな家族に恵まれ、幸せな暮らしを送ってきた。そんなメイに、46歳のとき、驚くべきニュースがもたらされる。幹細胞移植という目の手術を受ければ、「視力を取り戻せるかもしれない」というのだ。しかし手術には、数々のリスクがともなう。命が脅かされるかもしれない。想像を絶する結果が待っているかもしれない。この手術を受けるべきなのか-。人間の視覚と脳のミステリーを見事に描き出した感動の実話。「見る」とはどういうことなのか、本当に「生きる」とはどういうことなのかを確かめようと決意した一人の男の半生がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • とっても良書。図書館のリサイクル本で放出されていて、つまり借りる人が少ないから図書館ではもう蔵書しない、ということなんだけど、これは本当に素晴らしい本なので日本の全国民に読んでほしい。幼児期に視力を失い、医療の進歩によりタイトルどおりに目が見えるようになった男性の実話。視力とは何か、見えるとはどういうことか。影の認識、知識として知っている物体と視覚情報とのリンク(再学習)、文字の再学習。脳機能の神秘。人体の不思議。最後の最後に大感動がやってくる(おわり

  • 3歳の時に失明した人が、46歳になって視力を取り戻したお話。

    前半部分の、彼が46歳になるまでの半生が正直退屈で挫折しそうになりましたが、視力を取り戻してからの話がとにかく秀逸!!こういう読み方は良くないとは思いますが、とりあえず僕がこの本を再読する時は第7章から読み始めます(笑)。別にこの部分が要らないとは言わないけど、もう少しコンパクトに出来たんじゃないかなあ^^;。

    読み物としては、p183にある
    「プラスの箱に目を移すと、そこには一つの要素しか入っていない。ぽつんと一つだけ入っているものがある。その唯一の要素とは、おれの好奇心だ。視覚とはどういうものなのかを知るチャンス、と言い換えてもいい。どの角度から考えても、このたった一つの要素には、やめておくべきだという山ほどの理由の全てを上回る重みがあると思うんだ」
    に代表される、主人公の前向きで好奇心旺盛な性格に関してどう感じるかがポイントになってくると思いますが、個人的に特に面白いと感じたのは、「見る」というプロセスにおいて脳が果たす役割と目の錯覚に関する話。

    仕事で深層学習を使った様々な用途の画像認識ソフトを開発しているんですが、それを通じて以前から僕の頭の中にあった考えが、この本を読んでしっかりと言語化出来た気がしています☆また、この様々な目の錯覚を逆手に取る事でより画像認識の精度を上げられるような気もしていて、ホント、読んで良かったと思える本でした♪第6章までが冗長過ぎるので星4つにしましたが、深層学習を使って画像認識をしている人は読んでおいて損は無い名著だと思います!!

  • 物心ついた頃から盲目だった人が、視力を取り戻せるかもしれない機会を与えられて、どう考え、どう行動したかを追った作品。原題は"Crashing Through - The extraordinary true story of the man who dared to see"というもので、"dare to"という辺りのニュアンスが邦題だと出てないのが少し不満だが、いずれにしても単純な感動話ではない辺りも考えさせられる。
    ノンフィクションであることは間違いないのだろうけど、人によって何のジャンルの本なのか見方が分かれそうで、それもまた面白そう。

  • 人が活力を持って生きるために何が必要か?そして、うまく行かなかったときにどう立ち上がるか。とてもゆうきを貰える本でした、

  • 竹内薫ブックガイドから。視力のなかった人が、壮年になって新たにその力を得たとき、いかな反応が生じるのかを、丁寧に細やかに描いた作品。まず、視力のない生活と、視力を得て以降の生活が、それぞれ半分くらいの分量で書かれているのが素晴らしい。読む前は、どうして回復以降に割かれる分量が多過ぎるように思えたけど、読み終わって納得。確かにこれは、このバランスが必要です。後半、視覚だけの問題から、だんだんと脳の可塑性へと解明が進んでいく流れがスリリング。

  • @ogijun リコメンド。
    この本の直前に「幼児教育と脳」を読んだのは何かの偶然だろうか。内容がシンクロし杉。

    ノンフィクション作品だけど、ある種の小説であるかのようにも読め、科学読物でもある、感じ。

    程度はずいぶんと違うけど、自分も脳梗塞の後遺症との付き合いを考える上で、可塑性の限界というものとの折り合いのつけ方について似たような結論に至った。この主人公の方はすごいと思う。

    あと、楽しめたのは筆者と訳者の功績も大きいと感じる。

  • 3歳で失明し、46歳で視力を取り戻した男性の実話。
    読後文字通り、世界が違って見えました。

  • 購入。

    3歳で失明し、46歳で視力を取り戻した方の人生を物語のようにまとめている。

    この方のような事例が20件ほどしかないことに驚いた。眼そのものの正常さと、見たものを脳が認識できるかどうかは異なるのだということがとてもよく伝わってくる。
    ストーリーの前半部分は眼の見えない状態での生活が主に取り上げられており、少し退屈に感じる。後半で視力を取り戻せるかどうか、という話題に移ると俄然面白くなった。
    2匹のネズミを使った実験が印象に残った。ほぼ暗室で生活させ、光をあてるときは回転木馬のような装置に1匹は足を接地させ、もう1匹は足を接地させない。接地させた方が動くともう1匹も回転する。こうすると同じ視覚体験をさせられる。しばらくこのように生活させる。実験終了後、接地させない方は正しくものを認識できないようだったらしい。

    この方は眼が見えても見えなくても同じように色々なことにチャレンジして生きていたのだろうと思えるほど、周囲の人物も本人も活動的だった。転居の回数が多く、アメリカで暮らしている人はこれくらい引っ越すのかどうかが気になった。

  • [ 内容 ]
    マイク・メイはいつも体当たりで生きてきた。
    3歳で視力を失った後も、実業家として成功し、温かな家族に恵まれ、幸せな暮らしを送ってきた。
    そんなメイに、46歳のとき、驚くべきニュースがもたらされる。
    幹細胞移植という目の手術を受ければ、「視力を取り戻せるかもしれない」というのだ。
    しかし手術には、数々のリスクがともなう。
    命が脅かされるかもしれない。
    想像を絶する結果が待っているかもしれない。
    この手術を受けるべきなのか―。
    人間の視覚と脳のミステリーを見事に描き出した感動の実話。
    「見る」とはどういうことなのか、本当に「生きる」とはどういうことなのかを確かめようと決意した一人の男の半生がここにある。

    [ 目次 ]
    人生になんの不足もなかった
    子供時代
    成功の可能性は五分五分
    体当たりで生きてきた
    やめておくべき理由はたくさんある
    運命の出会い
    プラスの箱とマイナスの箱
    光が見える!
    息子のそばかす
    視力は、想像したよりずっとすごいものだった
    どうしてうまく見えないんだ?
    認識の重労働
    猫の脳とピカソの目
    「見る」ことの仕組みを科学する
    ニューロンは戻ってこない
    道はかならず開ける
    奇跡

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • わたしにこの本を薦めてくれた人は、200P頃からが面白いと言っていたが、わたしは300Pを越えたあたり、主人公が新たな困難に直面するところからに大いに勇気づけられ、また感動した。「ぶつかっても前に進め!」というメッセージにとても勇気づけられた。
    また、読んだ後は、文字通り自分の見ている世界が違うかたちであなたの前に顕然してくる。
    そして科学読み物としても秀逸。あなたの知的好奇心は確実に満たされる。

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