つながる脳

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著者 : 藤井直敬
  • エヌティティ出版 (2009年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757160422

つながる脳の感想・レビュー・書評

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  • 「こころを科学する」心理学を学んできたけど、脳科学のことも、もっと知りたいと思うようになった。

    人は、相手がいないことには自分を認識することもできない。
    だから、脳科学もぜひ、人と人の関係性の中で発生する事象をもっと明らかにしていってほしいと思った。

    こころの病気も、脳から出る物質によって引き起こされているのだから。

    この本の核論ではないけど、「自分が、自分の行動を意識する前に脳がすでに活動を始めている」ということはやっぱりショックだな・・・

  • 9.11で、アメリカは自分が攻撃されるとは思っていなかった、彼らは自分たちがヒューマニズムで守られていないことがありえるとは思っていなかった。というくだりや、金融の失敗は彼らがヒューマニズムではないものから別の立脚点を求めた実験なのだ、とか、おもしろい視点だった。

  • 大学発ブログ「この一冊」
    2011/10/01更新201118号紹介図書
    http://www.nvlu.ac.jp/library/bookreport/bookreport-072.html/

  • Wed, 29 Dec 2010

    理研の藤井先生によるサルの脳計測をつうじた社会性研究についての本.
    研究そのものというよりも,藤井先生自身の研究ライフについて書かれている本といっていいだろう.
    海外でのポスドク研究者事情や,脳研究でどういうことを実際に苦心してやっているのかという第一人称での記述がおもしろい.

    ただ,著者自身がのべているように,
    脳科学を通してどれだけ人間の社会性が明らかになったかというと
    そこに明確な答えは見出されていないのが現状であろう.

    萌芽的な領域であるがゆえに,手探りが続く.

    研究者のビビッドな生活を見てみたい人におすすめの本だ.
    逆に,知的好奇心からあらたな「知識」を得たい人に向けた本ではないといったところだろうか.

  • 著者は、理化学研究所 脳科学総合研究センターの脳科学者。適応知性研究チームのリーダーだそうだ。

    脳の「ネットワークは、脳単体で閉じていません。脳は、常に社会や環境とつながりをもち、そのつながりの中で働いています。つまり、神経細胞同士、友達同士、国と国の間まで、そのすべてが異なる種類の多層的ネットワーク構造を介してつながっているのです。そのような『つながる脳』の仕組みを理解することは、脳だけではなく、脳が作っている社会の仕組みを理解することになるはずです」

    なるほど

    ・2頭の猿の実験から、ヒトの幼児がおもちゃの取り合いをすることを説明したり、社会性の基本は抑制であり、抑制は余裕が生むという指摘などは、常識的で分かりやすい。

    ・ミラーニューロンについては、その意義を認めつつも、いくつかの疑問を提示している。

    ・仮想空間も試している。

    ・脳に電極を付けてやるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)などという実験は、なんだかこわくて私はできないし、やりたくないな。

    ・ルール、戦略と戦術、コミュニケーション、「みんなだれかとつながりたい」などについての解釈が面白い。

    ・「カネをいくらもっていても幸せになれませんが、素敵な関係は一つ持っているだけで僕たちを十分幸せにしてくれる」という言葉がよかった。

    ・脳科学者の発想は、実に面白い。脳科学者風に色々考えてみることにしよう。

    ・おお、毎日出版文化賞を受賞している。面白いわけだ。

    ・他に、関一夫/長谷川寿一「ソーシャルブレインズ」、ジャコモ・リゾラッテ他「ミラーニューロン」、マルコ・イアコボーニ「ミラーニューロンの発見」を斜め読み。

  • 社会性の脳の話。
    実験手法だったり、これまでの研究の矛盾点などに
    多くのボリュームを割きすぎている。
    読みたかったのは、最後の章だけ。

  • 社会脳ばやりの世の中であるが、切り方、方向性など多彩で、また多くの基礎科学研究者からは、解析に影響する因子が多くてアンタッチャブルな領域という認識があると思う。

     でも、脳の研究者はみんな原点としてあるんだと思う。研究を進めるうちに、何にもわかってないんだというところから、研究対象を絞らざるを得ない。

     そんな研究の在り方に真っ向から挑む著者は、相当な自信家である。でも、確かに面白い。ECoGとモーションキャプチャーを用いて、「自発的」なサルの脳活動を「広範囲に」とらえる手法は、魅力的で期待できる。

     著書の中で述べている藤井先生の持論の中で、「社会脳は抑制をその本質とする」という部分と、「心の理論(Theory of Mind)は
    社会性の本質ではない」というくだりが、とても気になった。

     筆者の、長年にわたるサルの行動観察から導き出された結論、一方で、若輩ながら障害児にかかわってきた1小児神経科医の観察。
     共感する部分は大きい。抑制の利かない点は、社会性障害の本質である。この点は、まさにその通りである。しかし、心の理論は、筆者の述べるように「他者の立場に立つ」ことではないと私は思う。発達心理学的観点からは、theory of mindには、一種の自発性
    が含まれており、1歳児がtheory of mindの課題をビデオで提示された際に、乳児の視点が誤信念課題をクリアすることは最近知られることである。
     私の考えはこうである。

     「社会的抑制」なき「心の理論」はない。行動抑制できないヒトは、誤信念を理解しない。ここでいう「理解」は多分に学習ではない無意識的な過程を含む。
     サルの例を見るまでもなく、社会的抑制は、「余裕」を生み、自と他、三項関係など「まなざし」を生む。これぞまさに、「社会性は余裕のあるところに生まれる」と述べる筆者の意見に合致すると思う。

     日本人がモラルを守り抑制性の高い民族であるという事実は、高度に社会的な国民性であると思う反面、便利が生み出した「抑制しないでも済む社会」のもたらす社会的弊害を思わずにはおれない。

  • ヒトとヒトとの関係性の解明。興味深いです。

  • 「脳科学」というジャンルが一般人にもなじみの言葉になって長いが、それ以前から深く研究してきた著者が、「脳」の機能について単体でなく「つながる」ことによってさまざまに機能するのでは、という視点から書かれた本。サルなどを使った実験の他に、例えばトヨタという会社の意思決定の仕組みについては、いかに外から研究しても本当のところはわからない。実際に社員となって内部に入らないとそのメカニズムを理解することはできないのではないかと言及。最終的には、人類が幸福を感じるためには、リスペクトが経済より大切である。リスペクトが循環する社会では、人の関係を安定したものにし、物事の価値が勝ち負けだけではなく社会的評価軸を含んだものへ移行するのではとの提案をしている。リスペクトというものは、人からもらうものではなく、与えてもらうものであり自分が与えるもの。と考えると、自らが人を尊重する気持ちを持つことで人との関係が変わり、世界も変わるのだろう、と思う。

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脳科学はヒトを幸せにできるか。「脳と社会」の関係性から、脳の解明を目指す。

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