- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757212114
感想・レビュー・書評
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「はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある」にて興味を持った本です。
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かつてイスラムに100万人の白人奴隷がいたという事実。
奴隷となった人物の生涯は凄まじい。
売られる、虐げられる、脱走の機会を窺う・・・。
壮絶そのもの。
だが、この体験が将来の白人による黒人奴隷の扱いに、
悪い意味で反映しているとしたら・・・と考えると、
更に恐ろしくなりました。 -
12月も残り僅かになったので、たぶん本書が私にとっての「ブック・オブ・ザ・イヤー」になると思われる。黒人奴隷って言葉はよく聞くけど、白人奴隷って知らないでしょう?。イスラム系の海賊船が直接ヨーロッパに乗り付け、何百万人もさらって北アフリカでこき使った歴史があるわけですよ。で、物語はガキのころにさらわれ、現地の王様に重用されて傭兵隊長になったイギリス人、トマス・ペローの日記を下敷きにしているわけだが、これがまた文句なしに興味深い。事実は小説よりも奇なり。スルタンあり、ハーレムあり、戦闘シーンありの波瀾万丈!。トマス・ペローは最後に何十年かぶりの帰郷を果たすのだが、そのシーンがまた感動的なのだ。私が映画関係者なら、これは権利を押さえたいところだねえ。ノンフィクションだけれど、極めて「映画的」な内容なので、読んでいるだけでビジュアルが頭に浮かぶ。ハリウッドが誇るスペクタクル超大作になること請け合い!。トマス・ペローには、これはもうグラディエーターの連想でラッセル・クロウをキャスティングするしかないわけで、、、と、まあ感想が止まらない1冊なのである。手放しで激賞します。
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ショッキングなタイトル。
内容も、知らなかっただけに、またショックです。
1716年、イギリスの船「フランシス号」は地中海航行中、ジブラルタル海峡付近でモロッコの海賊に襲われ、船員は拿捕される。その中に、船長である叔父の船に船員として乗船していた11歳のトマス・ペローがいた。
この後彼は、23年の月日を経て故国へ戻ることとなる。
この頃、オランダ・フランス・スペイン・イギリス・アメリカと、様々な国の人々がモロッコの海賊に襲われ、白人奴隷として市場で売られ、過酷な労働に従事させられていたと・・・。
イスラム教への改修を迫まられたり、劣悪な環境で、命を落としたりと・・・なによりも、時の権力者スルタンの絶対的な存在。
奴隷解放交渉にあたるヨーロッパ諸国の大使などまったくもって歯が立たない。
ペローが23年に及ぶモロッコでの奴隷生活(途中、意に反しながらも改宗する)を綴った本のおかげで、当時のイスラムと西欧諸国との歴史を知ることができた。アフリカ人の悲しい歴史の事実はみんなよく知っていることですが、白人でもこのようなことがあったとは、やはりショックでした。 -
各種文献などを元にして書き上げられた、中世ヨーロッパ・地中海エリアのイスラム世界の話。
大航海時代の本を探してる時に、唯一発見した本。
イスラムの海賊船がジーベックという記載にニヤニヤしたり