オルタード・カーボン(上)

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制作 : 田口 俊樹 
  • アスペクト (2010年3月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757217638

オルタード・カーボン(上)の感想・レビュー・書評

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  • 27世紀の世界。人の精神は電子的に保存され,金さえ積めば永久に買い取った他人の体(スリーヴ)でもクローン保存した自分の体でも好きに乗り換えて,延命できる世界。元エンヴォイ(特命外交部隊)のタケシは,保管刑の最中に地球のある権力者から仕事を請け負う代わりに,仮釈放される。仕事の内容は,依頼人の自殺の真相を明らかにすること。しかし地球のベイ・シティの警察やら,突然の襲撃者やらに邪魔される。どうやら,真相を探られては困る人間がいるようだ。

    自殺した依頼人だの,死んだ被害者の証言だの,最初はさっぱり意味が分からず読み進めるのに時間がかかりましたが,世界観を理解できるとめちゃめちゃ面白くなってきました!
    金さえ積めば不老不死が可能になる世の中でも,社会の階層化はあり,権力の腐敗はあり,家族の物語はあり。
    ストーリーの核は現代と変わらないハードボイルドという感じがします。タケシのタフ・ガイぶりなんかとっても典型的で,楽しい!先が気になる!
    近未来SFといえば日本またはアジア風味というのはお約束ですが,主人公の名前がタケシだったり,ニューカナガワだのオオサカだの出てくるのも面白いです。

    上巻ではバンクロフト夫妻やオルテガの思惑がわかってきた一方,真相究明には回り道したようにみえるタケシですが,下巻はどうなるのか。

  • SFのジャンルではサイバーパンクなのかな?でも雰囲気はハードボイルド系でした。探偵、謎の殺人、追ったり追われたり、殴り合い、そして煙草。

    人格を電子的に保存して、(お金はかなりかかるものの)自由に肉体にダウンロードできる、という発想にドキドキしました。確かに生死も距離も超えることは可能で、それを前提にした社会は、「殺人」「格差社会」「セックス」「宗教」「離別」それぞれそんな問題が起きるのか、と納得。
    所々で「タケシ」「オオサカ」「カラテ」などなど日本的な人物、店名、地名が出てくるところが楽しいです。カナカナ名だらけだけどある程度名前は覚えられる。

    ストーリーとしては、ちょっと置いてけぼり感があってコヴァッチ孤軍奮闘してるというか話が一つの流れというより色々細切れになってる印象なのが残念。

  • 人間の精神や記憶がデータ化され、肉体が容器のように扱われる世界を描くSF。この世界観での裏社会の描写が強烈。寝取られや娼館、拷問はこうなるのかと思わずうなる。ミステリ要素のある本筋にも、この設定が存分に活かされ読み応えがある。

  • 自分の記憶や行動がチップに書き込まれ、身体は単なる服(スリーブ)となってしまった未来を描くSF。身体が壊れても新しい身体にチップをインストールすれば、また人生の続きを生きていける。金持ちは自分のスリーブを幾つも持ち、永遠の命を手に入れ、チップが破壊されるR.D(Real Death)対策で、何日かに一回チップの中味をクラウドにバックアップする。そんな未来。
    かなり読みにくく、これが書かれた当時は凄かったのかもしれないが、今ではたいしたことない様な物がSFチックなよく分からない名前で登場する。そんなSFハードボイルド小説。SF上級者向け。

  • 不老不死、魂と精神とは?科学分野の究極のテーマの一つを描き出した世界観は面白い。
    壮大な世界設定にしては、結論が寂しい。
    世界設定に対するテーマだったら、もっとよかったのに。

  • 雰囲気○。未来すぎて、想像が追いつかないところは△。

  • 面白い本ですよ、と薦められたので図書館で借りてみました。面白かったです。ただ読むのにえらい時間がかかりました。

    用語よりも世界観が頭に入ってくるまでが長かったです。主人公は最初の頃フラフラしてトラブルにばかり首を突っ込んでるし。この展開は必要なの?と言う展開ばかり続いているように見えましたが最終的にはすべてがパズルのピースに収まった、と言う感じです。そのまとめ方は凄いなあ。
    でも人間が肉体を脱ぎ捨てる時代なんだからもっと監視カメラとか記憶のコピーとかありそうな気もするんですけどね~ 探偵だけは地道な脚で情報を取る作業とか…前時代的すぎる気がしますが。
    あ、そうか。それこそ雲の上のお館に行く時とかはその記憶媒体が邪魔になるか。プライバシーと管理社会は両立しないと言うことかな、うん。個人的に作中一番気に行ったのはトレップさんでした。彼女(彼?)は実に仕事に対してプロ意識があってわかりやすい。

    肉体を脱ぎ捨てられるってバーチャルな感じかと思ったんですが、他人がそれまで使っていた肉体をまとうって…。なんか人の脱いだ服をそのまま着るような感触で読んでいて生理的にちょっと嫌悪感が。それよりもクローンとかの方が大量生産出来そうな気がするんだけどなあ。どうなんでしょうね。

  • 上巻途中まではまぁまぁ楽しみながら読めた。
    ページを追うごとにだんだん苦痛になっていき、下巻にいたる頃には、「もうええわ、はよ終われ」ってなってしまった(笑)
    会話部分に「ええ?」って入れる和訳表現がイラつく。
    上下巻とも読み終わってみたら最終的に退屈だったって……残念にもほどがあるっしょ。

    よりSF的に見せるためだろうけど、既存の武器にチャチな言葉をつけ加えてさも進化したものに見せかけたり(それ自体はいい。しかしこの著者は、読者をうま〜く丸め込んでしまうセンスには長けていないようだ。無理はしないほうが良かった。W・ギブスンはそんなことしてないぞ)、主人公のタケシ・コヴァッチが『ニューヨーク1997』『エスケープ・フロム・LA』のカート・ラッセルを想起させるも(=既視感アリアリ、つか観てるよね絶対)、既存の映像作品の登場人物以上に魅力あるキャラに仕上がっておらず、とにかく残念な印象。
    何より、これを2000年代のSF/サイバーパンク小説とするには、話のスケールが小さい。

    著者自身は“フューチャー・ノワール”と表現しているそうだけど、SFとしても、クライムミステリーとしても、ハードボイルド探偵モノ/ノワール小説としても中途半端とくれば、そりゃ何か新しいカテゴリーを作りたくもなるというもの(笑)

    辛辣かもしれないけど、現時点では著者に将来性は期待できない。こんなんでP.K.ディック賞って獲れるのか。
    何というか、エンタテイメントとして萌えられる要素が皆無だと思う。

  • これぞ大人のSFといいたくなるような,未来チックなテクノロジー描写満載,かつハードボイルド(個人的には度が過ぎる気も)な内容なので,大人の少年心をくすぐること間違いなしです.
    あぁ,なるほど,このテクノロジーがあれば,こういう世界ができあがるのか,と.
    世界観がしっかりしてて,ぜひ映画化してほしい.きわめて難しそうだが,昨今のSF映画をみてる限り,がんばればできそう.映画化すればトータルリコールばりの大ヒットになると思います.

    ただ、日本語が多少読みづらい.ハードボイルドってみんなこうなのでしょうか.

    上巻では,まだでてきている謎が点すぎて,真相はなにもつながってきませんが,きっと下巻で解き明かされるのでしょう.期待も込めて★4.

  • 折角の、代わりの肉体があるから中々人は殺せないという設定があるのに、がっつりメモリ破壊して殺してしまうのは少し勿体無いような気がする。
    まあ格好良いからなんでも良いんだけれど!

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オルタード・カーボン(上)の作品紹介

27世紀。人類は銀河系の惑星に散らばり、国連の専制支配下にある。魂はデジタル化され、小さなメモリー・スタックに記録されて肉体に埋め込まれている。外側の肉体を乗り換えていけば、永遠の生命を得られるのだ。フィリップ・K・ディック賞受賞、SFハードボイルド・ミステリの傑作が、ついに文庫化。

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