アメリカの高校生が読んでいる世界経済の教科書

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757217881

作品紹介・あらすじ

リーマンショックとギリシャ危機は、なぜ起きたのか?マネー経済とグローバリズムの台頭で、世界はどう変わった?アメリカでは、高校生から世界経済の仕組みを学ぶ。世界のお金とモノの流れを知れば、日本経済の今と未来が見える。

感想・レビュー・書評

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  • 一旦売れるとなったら、シリーズ化。典型的な何匹目かのドジョウ本。
    いきなりタイトルに引っかかる。別に日本の高校生だってこのくらいのことは勉強している(はず)。単なる基本的な教科書知識にまざって「日本の景気のためにはアメリカ経済の状況がよくなることが不可欠」なんていう「すりこみ」が随所に入っていて(要するにダウが下がれば日経も連れ安するのは当然という感覚ですな)、今の経済状況に本質的な疑問をもつような感性を封殺している。

  • やっぱり日本はもっとお金を刷って円安にしないとダメなんだろうなぁ

  • 基本的なことがよくわかっていないのと忘れているため読む。


    ・経済成長に必要な三大生産要素
    1.労働
    2.資本
    3.土地
    土地以外は世界的に自由化された。
    1970年代に資本のが自由化
    1980年代に企業が自由化して多国籍企業になる。2000年代に労働者が自由に。
    途上国には土地と労働はあるが、資本がない。


    ・融資と投資の違い
    融資は必ず返さなければいけない借金
    投資はリターンが保証されない元金。ビジネスが成功したときのリターンは大きい。
    →サブプライムローン関連の金融商品に投資をしてしまったのがショックの原因。

    ・日本経済がアメリカ経済に影響しやすい理由
    →自動車、家電なと、消費者の財布と直接関係のあるものが輸出上位品だから

    ・景気が悪いのは経済成長率が低いから
    →永遠に経済成長率をあげていくのは不可能だろう。どこかで転換しないと。

    ・投資と投機の違い
    投資の中で、リターンが極端に大きすぎたり、リスクが極端に大きすぎたりするのが投機。

    ・オランダ病
    その国の資源を買うために、通貨をその国の通貨に換える→その国の通貨価値上昇→輸出産業の競争力低下→資源頼みの経済構造

  • 本当にアメリカの高校生がこの内容の本を読んでいるかどうかは不明ですが、高校生でも分かるような優しい言葉で世界経済について解説されている本です。複雑でわかりにくい経済の仕組みをわかりやすく書くということは本質を理解していないとできないと思います。

    高校生の視点からみた疑問にたいする回答も多く記載されていて、私にとっては読みやすい本でかつ、ためになる部分も多くありました。

    特に、イギリスポンドがユーロに参加していない(参加をあきらめざるを得なかった)背景(p160)は初めて見ました。

    以下は気になったポイントです。

    ・GDPから見た世界地図(http://www.worldmapper.org )(p19)

    ・日本の貿易を考える上で注意するポイントは、1)アメリカと取引は輸入よりも自動車等の輸出が多い、2)中国との取引は衣料品等の輸入が多い、3)中東からの輸入が多い(p46)

    ・自動車メーカの想定レートは、トヨタ、日産が85円、ホンダが87円を考えている、トヨタは1円の円高で年間300億円の損失が発生する(p53)

    ・サブプライムローンショックで韓国経済は大きなダメージを受けた(欧米の投資資金の巻き返しによりウォンがドルに変換)が、韓国輸出企業は大喜び(p68)

    ・現在は、人民元の外国為替市場での価格を安く維持するために、人民元でドルを買っていて、その結果、市場には人民元が溢れている(p79)

    ・1971年に金ドル交換停止(1オンス=35ドル)を宣言したニクソンショックの後に、1オンス=38ドルの固定相場制を導入(スミソニアン体制)したが、1973年3月についに変動為替相場制に移行した(p88)

    ・経済成長には三大生産要素である、労働・資本(お金)・土地が必要である(p103)

    ・石油で外貨を稼いでいたソ連は1986年以降の石油価格の下落でソ連経済が停滞した、ついに1991年末には共産主義体制をやめて資本主義のシステムに戻したのが現在のロシア連邦である(p113)

    ・資源国はその資源の価格が上がると自国通貨高となってしまい輸出産業が育たなくなる、最終的に資源だのみの経済構造になってしまい、資源価格にその国の景気が左右される(p115)

    ・他国の通貨を持っているだけではなんの利益もないどころか、為替変動リスクにさらされるので、相手国の国債を購入する(p151)

    ・カラ売りとは、近い将来、価値が下がりそうな通貨を市場から借りて、高いうちに売ってしまう投資方法、通貨が下がったあとで、安くなった通貨を買い戻して市場に返すことで差額を儲ける(p159)

    ・イギリスのポンドは投機アタックに耐えきれず、変動為替相場制に移行せざるを得ず、現在のヨーロッパの通貨ユーロにつながるERMからの離脱を余儀なくされた(p160)

    ・日本の関税のなかで高い関税率の代表的な輸入品は、こんにゃく芋:990%、落花生:500%、米:490%、バター:330%、砂糖:270%、小麦:210%である(p210)

    ・第二次世界大戦前には保護関税による世界経済のブロック経済化が進んだので、取り残された国(日本、ドイツ、イタリア)は対象外であったアジア諸国を植民地として占領し始めた(p212)

    ・日本はASEAN、チリ、メキシコ等の10カ国とEPA(経済連携協定)を結んでいる、インド・韓国・EUとは交渉中だが非関税障壁(医薬品の臨床データは日本実施分のみ、食品添加物の基準、公共入札等)により難航している(p213)

    2010/09/04作成

  • 【レビュー】
    さすが、アメリカの高校生は要領よく世界経済を勉強している。この本を読めば日本経済新聞もかなり読みこなせるようになると思う。ひっかかるところもないし。日本経済を良くするには、知識産業の育成と人的資本の整備が唯一のカギという部分も賛成。

  • アメリカの高校生シリーズの一冊。
    アメリカの高校生シリーズをだいぶ読み進めてきたからか、他の同シリーズの本との違いがよく分かりませんでした。
    しかし、丁寧な文章で進めてあり、好印象なのは間違いないです^^

  • アメリカの高校生が〜 シリーズに初チャレンジ。これぐらい教科書も面白ければもっと勉強したかも知れないのに!?笑
    200ページくらいありますが、グラフや統計データも揃っていて、専門書を読む前に目を通すのも良いかも知れません。

    このテーマのついでとして、明日からでもできることのひとつに、やはり、日本人はもっと学習する時間を作るということがあるのかと。内閣府のデータによると、日本のフルタイム労働時間は欧州主要国に比べ大幅に長く、学習時間は最も短いそうで…。耳が痛い。まずは週1からスタートするか!?

  • 世界経済について、丁寧に説明している本。なぜ人民元は安いのか?といった疑問にも答えてくれました。空売りやべえ。

  • 普段のニュースなどで聞く、経済についての用語をわかりやすく解説してくれた。
    読みやすい文体で書いてあり、聞いたことはあるけどよく知らない経済についてのことを知ることが出来た。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授1948年、東京生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程中退。学術博士(早稲田大学)。専門は、アジア太平洋地域の国際交流論、経済学教育論。主な著書に『アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書』『ガブッ!とわかる世界一やさしい行動経済学の教室』(小社)などがある。

「2013年 『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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