ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫 D 5-1)

  • アスペクト
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757220195

作品紹介・あらすじ

舞台は1930年代のパリ。主人公はパリ駅の秘密の部屋に隠れ住む12歳の孤児ユゴー。彼は、父が遺したからくり人形に隠された秘密を探っていくうちに、不思議な少女イザベラに出会う。からくり人形には二人の運命をも変えていく秘密が隠されていたのだ。…からくり人形のぜんまいが動き始めるとき、眠っていた物語が動き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 「はじめに」のあと月のアップの絵ではじまる。引いてその下に街→通り→建物→その中…とカメラワークのようにページは進む。
    文章とそれを表した挿絵が同時進行するのではなく、言葉と絵が交互にバトンタッチするようにして物語がくりひろげられてゆく。
    盗み。老人。ノート。女の子。鍵。
    こうして書きだしただけで、小さくワクワクしそうななるのだが。

    ざらりとした黄色い表紙に黒い紙で作られた文庫本。
    紙の味わい、いいよね。

  • 2008年コールデコット賞受賞作品
    「舞台は1930年代のパリ。主人公はパリ駅の秘密の部屋に隠れ住む12歳の孤児ユゴー。彼は、父が遺したからくり人形に隠された秘密を探っていくうちに、不思議な少女イザベラに出会う。からくり人形には二人の運命をも変えていく秘密が隠されていたのだ。…からくり人形のぜんまいが動き始めるとき、眠っていた物語が動き出す」

  • ユゴー少年と時計屋の父が拘り続けたからくり人形が織りなす物語。

    まだ幼いユゴー少年の過酷な生活に、からくり人形は心の支えであり、父が追い求めた夢、希望だった。

    挿し絵が多い。鉛筆で描かれたものだろうか。
    スラスラとページをめくる。

    登場人物のジョルジュ・メリエスは実在した人物。
    あの月のやつ。見たことある。

    読了。



  • 1930年代パリ駅が舞台。駅の秘密部屋で、時計屋として隠れ住む孤児のユゴー。
    父が遺したからくり人形に隠された秘密、そして新たに動きだす物語

    月のシーンは知ってるけど、ジョルジュさんのお名前は存じ上げず。
    素敵な絵などと読みやすいお話で、厚さに尻込みしたけど、あっという間に読了。
    パパ・ジョルジュへの繋がりは、気づいてしまうけど。引き込まれて読んじゃう感じではありました。

  • 美しい絵本。

  • この少し前にたまたま『ヒューゴの不思議な発明』という映画を見ていて、似てるなぁと思ったら、原作でした!映画もよかったけど、原作には原作ならではの面白さがあってよかった。個人的には原作の方が好きかな。

  • マジシャンによって巧妙な仕掛けが周到に準備された物語。
    上映開始を告げるブザーが頭の中で鳴り響き、読書に最適な姿勢をとるように全身へ信号が行き渡ったので、わたしは自動人形みたいに視線をページの端から端まで規則的に往復させ、ページを繰り一息に読んだ。これは本で、その上で映画で、両立するはずのないそれらが融合して溶けあい、言葉が絵を描き、絵が言葉を紡いでいた。
    〈終わり〉の字幕が現れても、わたしはまだ席を立ちたくないと思う。映写機は回り続けているだろうから。目を開けたまま見られる夢をみている。しばらく、そのままで。

  • 絵と文で構成されている本で、ユゴーが不思議なからくり人形を直すと物語が動き始め、最終的にユゴーが幸せを手に入れる。昔見た映画の原作で、私の中でずっと記憶に残っていたけど名前が思いだせなかった。奇跡的に出会えてうれしかったのと良い映画は身体の奥に残っている

  • 主人公のユゴー・カブレは、パリ駅の秘密部屋に住む12歳の孤児。
    時計職人の父が遺した“からくり人形”に、自分宛のメッセージが隠されていると思うようになる。
    おもちゃ屋で部品を盗み人形を修理しようとするが、店主のジョルジュに捕まってしまいます。

    恥ずかしながらジョルジュ・メリエスのことを知らずに本書を読み始めました。
    前編終わりの『月世界旅行』の絵に見覚えがあり、本当の意味で私の頭の中で物語がちゃんと動きはじめました。最後の章でユゴーが発明したモノが分かり、即再読。

    再読で気付きましたが、本当に話が良くできています。

    フランクリン科学博物館のマイヤルデの「からくり人形」も実際に見てみたいです。まだまだ知らないことがたくさんあることに気付かされました。

  • 映画がとても良かったので原作が気になり、調べてみると訳者が金原瑞人氏であるとわかって、これはもう買わない理由がなかった。
    部分部分で映画とは異なるところも少しあったが、概ね映画で見た通りで、ジョルジュ・メリエスがかつて観客に夢を与えたように、この本も映画も、ものづくりとしてのエンターテイメント精神に溢れている。
    イラストが多数挿入されていてまるで絵本のようでもあり、また一枚一枚のページを黒い線が縁取っているところやラストに向かう数枚のページは、ジョルジュ・メリエスへのオマージュとしての映画的表現を多分に感じる。装丁が素敵なのも良い。

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