- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757507036
感想・レビュー・書評
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うーむむむ。
上巻より続く、章ごとに視点の変わる語り口にも慣れ、世界観などに慣れてきたせいもあるだろう。
次から次へと襲いかかってくる苦難に、ページを繰る手が止まらなかった。
けれど、全体を貫く暗い破滅への流れ。
主人公同士のほのかな想いを成就させるためとはいえ、もはや終末を覆せないと諦念していたはずの竜使が、なんだか都合よく使われちゃってるような気がして。
皆が皆、幸せになることは綺麗事だと思う。
けれど、だからこそ物語のなかに、私はそれを求めるのだ。
最後の場面は綺麗だけれどそのために強いた犠牲の数は、私の心にわだかまりを残す。
そういう意味では大団円とは言い難い結末。
あまり好みの話じゃなかったな、残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
話はどんどん過酷な方向に。救いはあるんだろうかと最後の最後までわからない。明るくはないのに読むのがやめられない感じ。バタバタと人が斃れて、キャラクターと一緒に無力感に苛まれつらかったが、最後のシーンが綺麗なので一気に救われた。
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「銀の声持つ人」によって造られた世界。何故彼らは去っていったのか。滅びへと進むことは止められないのか。真世の王となるべく定められた少女エスタシア、竜使いのジェン、王の剣士ウルバン。3人はそれぞれの場で滅びを食い止めようと戦う。
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ラスト、もっていかれました、下巻一気。
硬質なファンタジーと称されていますが納得。甘甘な描写は無く、むしろ粛々と滅びの近づいてくるもどかしさとやるせなさ。
「銀の三角」「百億の昼と千億の夜」を彷彿とさせられました。