聖戦記エルナサーガ 2 新装版 (Gファンタジーコミックススーパー)
- スクウェア・エニックス (2002年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757507241
感想・レビュー・書評
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「聖戦記エルナサーガ」とのタイトルが示すとおり、主人公エルナ姫の活躍を描いた英雄譚であるこの物語。
肝心要の英雄その人が魅力ある人物だということが、物語を魅力的なものにしている要素の一端であると思います。
誰もが当たり前に魔法を使うことのできるこの世界で、たった一人まったく魔法を持たない力ない存在として、エルナは設定されています。
しかしながら、魔法を持たないゆえに“封魔剣”と呼ばれる伝説の剣を抜くことができる唯一の存在でもあり、最もか弱いゆえに最も強力でもある、というなかなか面白い仕掛けのなされたキャラクターになっています。
“魔法の加護なき姫”“世界を破滅に導く力を持つ闇の姫巫女”と畏れられつつも、エルナは、その世界を破滅させるといわれる力を持って、世界を救うための道を模索するという筋書きなわけですが、そのエルナが非常にかっこいい女の子なんです。
よくある、優しすぎるくらいに優しい女の子タイプなんですが、そんじょそこらの慈悲深いお姫様とは一味違うんです。
エルナの優しさは、彼女の確固たる信念に基づくものであり、困難な時でも前へ進む強さの源にもなっているんですね。
そして、エルナは行動の人です。
その出自ゆえに長いこと孤独だったエルナには、誰かに助けを求めるという頭がありません。
ただただ、自分の力で自分の信念を貫こうと、たとえ1人でも歩いていこうとする。
けれども、そんなエルナの姿に共鳴した多くの人たちが、やがてエルナの理想を支えることになるのです。
助けを請うのではなくその背中で人を動かす。まさに漢の中の漢・・・いや、可憐な少女でもあるんですけれど。
2巻では、エルナが自分の力で世界を救う道を模索する決意を固めます。
「私はこの剣で・・・この世界にかかった悪い魔法を解くの」
使い魔として蘇った、自分の身代わりになって命を落とした少女を前に誓うエルナ。
このあたりのエルナが、またかっこいいんだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示