ACCA13区監察課(6)(完) (ビッグガンガンコミックススーパー)

  • スクウェア・エニックス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757552012

感想・レビュー・書評

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  • オノ・ナツメさんの美的ワールド
    フェミニンでロイヤルなハードボイルド

  • 13の個性的な自治区からなる架空の国家「ドーワー王国」で、100年の平和を破るクーデターの噂が。「生来の巻き込まれ型」である主人公ジーンは、己の数奇な運命に翻弄され、れれれ、みたいな話。

    そんなようなストーリーそのものもまあ面白かったし、キャラクターたちもそれぞれかっこよかったりかわいかったりでとても良いんですが、それよりも私が惹かれたのは、いわゆる世界観ていうんですかね、その13の自治区っていうのがみな独自の地形や気候のもとにあり、文化も異なり、住民の肌の色、髪の色、体格、気質、などをとってみてもそれぞれ違った特徴がある、つまりドーワー王国は多民族国家なわけです。そこで人々が自区の文化に誇りを持ちながら、同時に他区の文化をも尊重し、互いに認め合って、国全体の暮らしが良くなっていくことを目指して暮らしている姿、というのになんだかグッとくるのです。

    例えばスターウォーズで。
    酒場で、人間っぽいのと火星人っぽいのと獣っぽいのとが、普通に商談してたり、一緒にバンド組んでたりする、あの感じ。

    例えばサガフロ(昔プレステでやったゲームね)で。
    ヒューマン、メカ、モンスター、妖魔、といったそれぞれ戦い方や成長の仕方の異なる種族に属するキャラクターたちが力を合わせて共に戦っていくあの感じ。

    あの異種族共生感が私どうも好きみたい、、ということに気付いた読書であった。

    もちろんこれらの作品世界にも、差別的なことをしたり言ったりする人たちもいるんだろうけれど、それでも少なくとも建前としては「私とあなたは異なるけれど対等、という意識が善である」という思いがもう土台として共有されている世界であるように見える、そこに「いいなあ」と憧れてしまう。
    (それでいうとディズニー映画のズートピアは、そんなユートピアを目指してはいるがなかなか難しい、というところを描いており、より現実的。なので作品としては好きだけどここで述べている私の「いいなあ」琴線には触れない。)

    それからまた、この作品は"飯テロ"的な側面もあり、マンガの中のお菓子や食パンが美味しそうで美味しそうで…。
    このせいで、最近は焼きたてトーストを食べるのがマイブームでしてね…食べてるのはなんてことないただのトーストなんですが、
    「あーあの美味しそうに見えてたまらなかったトーストを食べている…」
    ってだけでなんだかすごく満たされる、我ながら安上がりな女。

  • 課長まじか。

  • 1ページ、1ページ、ほんとにドキドキハラハラしながらページをめくりました。でも、企みの幕引きはなごやかで「ほっ」。
    そして、スペード長官はヤッカラ区出身だったんですね。きゃー!5長官の中でも登場場面や発言が少なく、印象が薄い人だな〜と常々思っていたのですが、退官後のチョイ悪な風貌にヤラれました。くーカッコイイ。
    そして、そして、今回一番驚いたのは番外編の連載がスタートしているということ!!全然知りませんでした。こんなに鮮やかに完結したのにまだ描くことがあるの?まぁ確かに、ACCAの世界観は大好きなので、他の登場人物に焦点を当てたものも読んでみたいかも。

  • アニメを先に見てからでした。
    カットされた部分を補完してなるほどの面白さ。食べたくなるおやつの数々。

  • オノナツメさんの描く世界は静かに感じる
    静かな静かな闘いだった
    いつのまにか世界に引き込まれてた
    余白を感じるのが人間ぽい
    不思議な13区、人の思惑…面白かったです

  • そうきたか! 課長の正体が最後に明かされる。アーベントだったんだ。そしてニーノの報告すべき上司。フラワウの事件、ニーノを解放するジーンの言葉。これからは今まで通りに悪友として。クーデターの顛末も鮮やかに、フラワウの思い通りにはならない。すべてが終わってからの様々な人のその後も少し描かれている。カナリーが回復していてよかった。ちょっと天然っぽいロクステッラかわいい。

  • ■書名

    書名:ACCA13区監察課(6)
    著者:オノ・ナツメ

    ■概要

    組織の路(みち)が決する日、男たちは。

    13区に分かれた世界にある、巨大統一組織ACCA。ACCA、ドーワー王家、身近な友人…
    全ての人間を巻き込むクーデターの決行日が迫る。鍵を握る監察課副課長ジーン・オータスは、
    彼の周りで起こる異変に、薄く滲み始める陰謀の正体に、気付くことができるのか…。
    男たちの粋様が、未来を決する最終巻。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    クーデターの終わり、そして物語の終わりです。
    この巻、物理的に厚いです。
    上手くやれば、もう1巻出せた気もしますが、綺麗に終わりましたね。
    この人の漫画は、必ず、綺麗に終わるので好きです。

    しかしまあ、色々な人の思惑がすごい。
    目的を達成するためにこのクーデターを利用した本当の戦略家である国に
    務める人、優秀すぎ。
    あんな人がいれば、その国は、当分安泰でしょう。
    この物語を想像し、手のひらで動かすってどんだけ優秀な戦略家なんだ。
    実際、ほぼ全員が自分の意志で動いていると思いながら、あの人の手のひらで踊って
    いるだけという感じですからね。
    全員に魅力があり、全員が曲者でありながら、その曲者たちを物ともしない国に
    仕える人。すごすぎ。

    結構登場人物全員がクール系なので、もう少し感情的なキャラクターがいても面白かった
    ような気がします。
    王子が一番感情的だったかな?

    6巻でも濃密な物語を楽しませて頂きました。
    ありがとうございます。

  • 2017-3-8

  • 息子のお気に入りの漫画で熱心に勧められたので読んでみてハマりました。しっかり練られた物語でとても面白かったです。
    この地球上のすべての気候や産業や文化を13種に大別して一つにまとめた架空の国「ドーワー王国」13の地域それぞれに文化や産業に特色があって国柄と言うか県民性の違いがとても面白い。そんな国の平和と国民の安全を守る組織ACCA。一見して平和に見えるその国で噂されるクーデターの話…物語のあらすじはそんな感じ。書き込みの少ないあっさりとした画風でとても優しい人たちがたくさん出てくる物語。クーデターの動静がどうなるのか革命モノとしてのドキドキ感も主人公が飄々としてるので一風変わった感があって新鮮ですし、場面場面でのネタバレというか言葉で得られる情報量が少ない上に余韻のある表情の描き込みが多いので物語の展開が先読みを許してくれない。だから余計に想像力を掻き立ててくれます。13に分かれた各地域の特色も世界中の地政学的な力関係や環境が醸成する国民性の違いが現実的だったりするところもすごく面白いんです(^^) 賑やかせとして登場する脇役達がお菓子やお土産にやたら食べてばっかりだったり、主人公を含め皆が食パンに執着があったり。そこに出てくるスイーツやパンはどんな味なんだろうなって食べてみたい欲求を喚起しますね(笑)
    全部で6巻しか有りませんが読み応え十分な素晴らしい作品だと思います。オススメです(^^)

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著者プロフィール

2003年『LA QUINTA CAMERA』 でデビュー。『さらい屋五葉』(全8巻/小学館)『リストランテ・パラディーゾ』(全4巻/太田出版)『ACCA13区監察課』(全6巻/スクウェア・エニックス)など映像化作品も多数。
「モーニング・ツー」では『Danza』(全1巻)『COPPERS』(全2巻)『つらつらわらじ』(全5巻)『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』(全4巻)を連載。

「2023年 『ザ・ゲームスターズ(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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