ACCA13区監察課(6)(完) (ビッグガンガンコミックススーパー)
- スクウェア・エニックス (2016年12月24日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757552012
感想・レビュー・書評
-
オノ・ナツメさんの美的ワールド
フェミニンでロイヤルなハードボイルド詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
13の個性的な自治区からなる架空の国家「ドーワー王国」で、100年の平和を破るクーデターの噂が。「生来の巻き込まれ型」である主人公ジーンは、己の数奇な運命に翻弄され、れれれ、みたいな話。
そんなようなストーリーそのものもまあ面白かったし、キャラクターたちもそれぞれかっこよかったりかわいかったりでとても良いんですが、それよりも私が惹かれたのは、いわゆる世界観ていうんですかね、その13の自治区っていうのがみな独自の地形や気候のもとにあり、文化も異なり、住民の肌の色、髪の色、体格、気質、などをとってみてもそれぞれ違った特徴がある、つまりドーワー王国は多民族国家なわけです。そこで人々が自区の文化に誇りを持ちながら、同時に他区の文化をも尊重し、互いに認め合って、国全体の暮らしが良くなっていくことを目指して暮らしている姿、というのになんだかグッとくるのです。
例えばスターウォーズで。
酒場で、人間っぽいのと火星人っぽいのと獣っぽいのとが、普通に商談してたり、一緒にバンド組んでたりする、あの感じ。
例えばサガフロ(昔プレステでやったゲームね)で。
ヒューマン、メカ、モンスター、妖魔、といったそれぞれ戦い方や成長の仕方の異なる種族に属するキャラクターたちが力を合わせて共に戦っていくあの感じ。
あの異種族共生感が私どうも好きみたい、、ということに気付いた読書であった。
もちろんこれらの作品世界にも、差別的なことをしたり言ったりする人たちもいるんだろうけれど、それでも少なくとも建前としては「私とあなたは異なるけれど対等、という意識が善である」という思いがもう土台として共有されている世界であるように見える、そこに「いいなあ」と憧れてしまう。
(それでいうとディズニー映画のズートピアは、そんなユートピアを目指してはいるがなかなか難しい、というところを描いており、より現実的。なので作品としては好きだけどここで述べている私の「いいなあ」琴線には触れない。)
それからまた、この作品は"飯テロ"的な側面もあり、マンガの中のお菓子や食パンが美味しそうで美味しそうで…。
このせいで、最近は焼きたてトーストを食べるのがマイブームでしてね…食べてるのはなんてことないただのトーストなんですが、
「あーあの美味しそうに見えてたまらなかったトーストを食べている…」
ってだけでなんだかすごく満たされる、我ながら安上がりな女。 -
課長まじか。
-
1ページ、1ページ、ほんとにドキドキハラハラしながらページをめくりました。でも、企みの幕引きはなごやかで「ほっ」。
そして、スペード長官はヤッカラ区出身だったんですね。きゃー!5長官の中でも登場場面や発言が少なく、印象が薄い人だな〜と常々思っていたのですが、退官後のチョイ悪な風貌にヤラれました。くーカッコイイ。
そして、そして、今回一番驚いたのは番外編の連載がスタートしているということ!!全然知りませんでした。こんなに鮮やかに完結したのにまだ描くことがあるの?まぁ確かに、ACCAの世界観は大好きなので、他の登場人物に焦点を当てたものも読んでみたいかも。 -
アニメを先に見てからでした。
カットされた部分を補完してなるほどの面白さ。食べたくなるおやつの数々。 -
■書名
書名:ACCA13区監察課(6)
著者:オノ・ナツメ
■概要
組織の路(みち)が決する日、男たちは。
13区に分かれた世界にある、巨大統一組織ACCA。ACCA、ドーワー王家、身近な友人…
全ての人間を巻き込むクーデターの決行日が迫る。鍵を握る監察課副課長ジーン・オータスは、
彼の周りで起こる異変に、薄く滲み始める陰謀の正体に、気付くことができるのか…。
男たちの粋様が、未来を決する最終巻。
(amazon.co.jpより引用)
■感想
クーデターの終わり、そして物語の終わりです。
この巻、物理的に厚いです。
上手くやれば、もう1巻出せた気もしますが、綺麗に終わりましたね。
この人の漫画は、必ず、綺麗に終わるので好きです。
しかしまあ、色々な人の思惑がすごい。
目的を達成するためにこのクーデターを利用した本当の戦略家である国に
務める人、優秀すぎ。
あんな人がいれば、その国は、当分安泰でしょう。
この物語を想像し、手のひらで動かすってどんだけ優秀な戦略家なんだ。
実際、ほぼ全員が自分の意志で動いていると思いながら、あの人の手のひらで踊って
いるだけという感じですからね。
全員に魅力があり、全員が曲者でありながら、その曲者たちを物ともしない国に
仕える人。すごすぎ。
結構登場人物全員がクール系なので、もう少し感情的なキャラクターがいても面白かった
ような気がします。
王子が一番感情的だったかな?
6巻でも濃密な物語を楽しませて頂きました。
ありがとうございます。 -
2017-3-8