ドラゴンランス(3) 氷壁の白竜

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757708631

感想・レビュー・書評

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  • そういやこういう商売だったな〜と思い出す第3巻
    わりと重要なエピソードががっつり端折らて、こっちはゲームシナリオでどうぞ!こっちはゲームブック(懐かし!)でどうぞ!みたいな

    詳しく知りたかったら全部買って下さいというねw

    ドラゴンランスはもちろん剣と魔法の物語なんだけど
    愛と勇気の物語でもあっていろいろな愛のかたちを見せてくれるんですが、この巻では自分の大好きな2人、エルフの第2王子ギルナサスと野生エルフの乙女シルヴァラの苦悩に満ちた愛が始まるんですよ

    これがまたね、いいんです!

    ファンタジーが好きな人は絶版だけど探して読んでほしいな〜

    『指輪物語』『ハリー・ポッター』に並ぶ名作だと思うんですよね〜

  • 《前巻までのあらすじ》
    パックス・タルカスで色々あったが、なんとか避難民を連れて、南のドワーフの王国「トルバルディン」へ辿り着いた、タニス達冒険者一行(こんなあらすじで、申し訳ない…)。


    第三巻は、トルバルディンの領主へ、「ドラゴンランス」を鍛えたといわれる、『カーラスの槌』を献上するシーンから始まる。

    ここで、「あれ?」と思った目聡い方もいらっしゃると思いますが、カーラスの槌って、いつ手に入れたんだという疑問が湧きますよね?

    そう、これがドラゴンランス戦記あるあるの一つ、
    「そこそこ重要なクエストを端折ってしまう」です。
    まあ、作者のコメントには、それを書く時間も分量もなかったということですが、気になりますよね(タッスル談、ダークドワーフやドラコニアンと闘い、ローラナやティカの良い戦闘経験になったらしい)。

    ちなみに、重要な端折りはもう一つ、「氷壁での、ドラゴン卿『フェアル・サス』との闘い」がありまして(ローラナが大活躍したのに)、カーラスの槌のエピソードは、後に発売された、「ドラゴンランス秘史」の「ドワーフ地底王国の竜」に、氷壁のエピソードは、同じく秘史の「青きドラゴン女卿の竜」に収録されているそうです。


    話を戻して、カーラスの槌は、タニス達にとっても必要なはずなのに、何故献上するのかというと、避難民たちを、トルバルディン南のサウスゲイトに移住させるためであり(そして一行が無事に王国を抜けられるように)、ドワーフの国であるトルバルディンは、人間に対し、あまり好感を抱いていないのですね。

    しかし、まあこれはこれで後々、良かったことが分かるわけですが(ネタばれなので詳しく書けず)。

    その後、一行はタルシスへ南下して、白い翼をもつ船に乗ることを目指すが、それは大昔の《大変動》以前の話で(タッスルの地図が…)、しかもまたまた囚われた上に、ドラゴン軍の襲来によって、ついに一行は二手に分断されてしまい、しばらく別行動になりますが(ここ重要なポイント)、レイストリンの何とも言えない台詞が忘れられない。

    「どなたかとは、これが今生の訣れとなる定めです」


    そして、分断後のタニス達一行(キャラモン、レイストリン、ティカ、ゴールドムーン、リヴァーウィンド)は、シルヴァネスティの王女、「アルハナ・スターブリーズ」に助けられたことがきっかけで、彼女の父探しを手伝うために、シルヴァネスティへ行くことになり・・本当は優先事項があったが、それでも行くのは、そこにあるという、一つの『ドラゴンオーブ』の存在でした(ドラゴンオーブは、ドラゴンを支配することができるという、タニス達にとっては戦争を終結させるためにも必要)。

    シルヴァネスティに辿り着いた一行は、これまでの直接的なものとは異なる闘いを強いられることになったことに加え、緑竜「カイアン・ブラッドベイン」も現れるが、これがまた、独特な展開になるというか・・うーん(昔読んだときに、カイアンの印象が全くなかった理由が分かった)。

    一方、もう一つの一行(ローラナ、スターム、フリント、タッスル、ギルサナス、エリスタン、タルシスで出会った騎士のデレク)は、無事タルシスを脱出し、氷壁でドラゴンオーブとドラゴンランスの柄を手に入れた後(上記参照)、船を雇って、サンクリストへ向かう船上で、白竜「スリート」に襲撃されて、南エルゴスで座礁する羽目になり・・


    ここから先は、この巻で気になった点を書いていきます。

    (1)レイストリンの心の中の謎
    シルヴァネスティでの出来事も含めて、いよいよ彼の本領発揮かと思われる、挙動不審感が増してきましたが、その一方で、タニスやローラナに対する台詞も気になり、どっちなんだって感じ(笑)

    ローラナに対するアドバイス
    『自分の感情に耳をかたむけなさい』

    『タニスは自分の感情を大切にする。指導者たる者、時には頭でなく心で考えねばならない場合もあることを、タニスは知っている』

    (2)スタームの複雑な思い
    実は、スタームはまだ騎士叙勲を受けておらず、正式には騎士ではなかった。が、彼の中には既に、誇り高き騎士道が、幼い頃、消息不明になった父の思いも重なって備わっていることが、却って、現在の堕ちたソラムニア騎士のデレクとの衝突や、彼からの侮蔑的発言をもたらし、内心傷ついている姿がやるせない。
    しかし、彼にはタニスへの忠誠心と、彼女への愛があったのだ(詳細は控えるが)。

    (3)ローラナの成長
    本巻において、おそらく最も印象深く、時に第二のタニスにも見えてくる、その分断後のリーダーとしての悩み苦しみは、計り知れないものがある事に加え、タニスを追ってクォリネスティを出ていった事が、後に父や兄からの偏見の目にさらされる、皮肉な結果をもたらしたが、人間の世界での冒険を繰り返すことで、自分のことしか考えない祖国同様、自分自身の卑小さを実感し、タニスの辛さを理解できるまでに成長しました。
    そして更に、あのフリントが、「あれ以上、勇敢で気高い者なぞ、クリンにはおらんわ」と称賛しているのも、それを証明している。

    (4)人間の愚かさと素晴らしさ
    《大変動》をもたらしたきっかけが、この巻で少し明かされて、それは神官王と人々の自惚れへの罰であったが、その一方で、とあるエルフの言葉に、「人間を嫌悪したが、同時に魅せられてもいた」とあり、更に「人間は力強く、直截的なむき出しの感情を持っていた」と言っており、ローラナは、上記のように、人間の世界に触れたことで、改めて、世界の真の姿を知ることが出来たのだと思います。


    こうして振り返ると、三巻は、闘いというよりは、それぞれの内心の葛藤が多く、そうしたところに、よりドラマ性が増した思いがしました。

    そして次巻へのポイントとしまして。
    二人の人物の再登場に、善のドラゴン!?
    更に、青竜「スカイア」とともに佇む、あのドラゴン卿は・・

    四巻に続く。

    • たださん
      ひまわりめろんさん、こんばんは!

      長くてすいません(笑)
      つい夢中になって。
      でも、称賛のお言葉と長州力、とても嬉しいです。ありがとうござ...
      ひまわりめろんさん、こんばんは!

      長くてすいません(笑)
      つい夢中になって。
      でも、称賛のお言葉と長州力、とても嬉しいです。ありがとうございます(^_^)

      レオルクスの名にかけて、タニスも好きなのですが、感想に組み込むのが難しかったので、ここにちょっと書きますと、アルハナへの優しい言葉が印象的でしたね。

      「与えられた愛を否定したり、失うのが怖いからといって、愛を与えるのを拒んだりしたら、われわれの生は虚しくなり、失うものはいっそう大きくなってしまいます」

      人の心配よりも自分の愛の心配をしろよと、思わず言ってしまいそうですが(笑)、タニスの人柄の良さが窺える、私の好きな場面です。

      それから、タニスのハーフエルフという概念が、ドラゴンランスの世界観の核を突いている感も、確かにと思わせられて、ひまわりめろんさん、さすがの見方だと感じました。

      それから話は変わりますが・・ひまわりめろんさん、もしかして、キーボード入力で打ってます?

      実は、「ドラゴンランス」が「ドランゴンランス」になっているのが、ずっと気になってまして・・伝説の6巻のレビューで気付いたのですが、他の方々と、「図書館あるある」を楽しそうにされているのを見て、野暮な真似はやめようと思い、やり過ごしたのですが、やはり気になってしまいました。ごめんなさい(>_<)
      2022/11/20
    • ひまわりめろんさん
      あ、ホントだ
      ご指摘ありがとう

      スマホだよん
      どっかで間違えたんだね
      予測変換で選んでたんでずーっと間違えたようです
      直せると...
      あ、ホントだ
      ご指摘ありがとう

      スマホだよん
      どっかで間違えたんだね
      予測変換で選んでたんでずーっと間違えたようです
      直せるとこだけでも直しておこうw
      2022/11/20
    • たださん
      予測変換の罠でしたか。
      速くて効率がいいだけに、あるあるですよね。
      予測変換の罠でしたか。
      速くて効率がいいだけに、あるあるですよね。
      2022/11/21
  •  この巻は内容は二本立て、樹海の緑龍と氷壁の白龍。いずれも最初の比較的ほのぼのとしたローカルな冒険者の物語から、話は随分と大きくなる。緑龍の書は多分に幻想的というか、夢の中の出来事が大きなところを占めてくる。白龍の書では伝説の騎士やドラゴンたちの物語が語られれるようになる。物語が大きくなるだけにすいすいと読み進めるというよりは、じっくりと読んでいくような雰囲気になってきた。

  • TRPGの元祖『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』のノベライズ。
    どりの仕事的には「きほんのき」「えー、この仕事やっててコレ知らないってどうなの?」っぽいので、今更ながらこそこそ勉強してます。
    勉強にもなるけど、フツーに面白いっすね。悪のドラゴン軍団と戦う、レジスタンス系勇者チームのお話。エルフとかドーワフと一緒に冒険できます。

  • 10年ぶりの再読。

  •  昔読んだきりあまり内容を覚えていなかったので、注釈(これがかなり面白い)を参照しつつ、こんなんだったなぁと思い出し、楽しみながら読んだ。
     宿屋が崩れた場面といい、シルヴァネスティの「悪夢」といい、レイストリンが大活躍している。
     氷壁の白竜と題名にはあるが、白竜はちょっとちょっかいを出したぐらいの印象で、どちらかというと緑竜のほうが恐ろしく、深く記憶に残る。もちろん氷のブレスだって恐ろしいが、その場にいない登場人物をも巻き込む「悪夢」を生み出し、読者さえも憂鬱にするようなシルヴァネスティの場面は、数年(あるいは十数年)ぶりに読んだとはいえ、さすがに忘れられなかった。

  • 先が気になって、わくわくしながら読み進めたのに、評価の星は3つというのはなぜなんだろう。

  • 途中で二組に分かれる。スタームが中心の巻。次の展開を暗示する重要なシーンもあり。更にギルサナスの恋の話も……。

  • ── あなたが生きているのは、あなたの愛が強かったからです。
    ぼくが生きているのは野心のおかげです。
    われわれは悪夢のさなかでも現実にしがみついていたのです。
    ほかの人のことなど誰にわかります?

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  • 2007/6/8

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著者プロフィール

Margaret Edith Weis。1948年、米国生まれ。アメリカの空想科学小説の作家であり、小説や短編小説を多数執筆。 トレイシー・ヒックマンとの共著である『ドラゴンランス』の作者として世界的に有名で、ドラゴンランス・ゲーム世界のオリジナルクリエイターの一人としても知られる。

「2022年 『ドラゴンランス レイストリン戦記4 戦場の双子〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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