- Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757734128
作品紹介・あらすじ
高校二年の夏休み直前、とある事件で停学となった俺は、気分転換に旅行を決意。資金作りに自宅の蔵を物色すると、一枚の青銅鏡を見つけた。すると急に鏡が光り、少女の顔が浮かびあがって俺に声をかけてくるじゃないか。不思議に思いつつも導かれてたどり着いた先は、なんと三世紀。そして空には『邪馬台国』が浮かんでいた。-種族を越えた戦争のさなかに展開する、時空を超えた究極の遠距離恋愛の行方は!?『リンダキューブ』『俺の屍を越えてゆけ』etc.鬼才ゲームクリエーター、桝田省治が放つ、ジャパネスク・ファンタジー巨編。
感想・レビュー・書評
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桝田 省治さんの『ハルカ 天空の邪馬台国』は、現代の高校生と古代の邪馬台国の少女との時空を超えた恋愛を描いたファンタジー小説です。筆者はゲームクリエーターとしても有名ですが、小説家としても素晴らしい才能を発揮しています。物語はスピーディーでドラマチックで、登場人物たちは個性的で魅力的で、読者を惹きつけます。
主人公は張政という高校二年生の少年で、物語は、彼が停学処分を受けたことから始まります。彼は気分転換に旅行をしようと思い、資金作りに自宅の蔵を物色します。そこで見つけた青銅鏡が光りだし、少女の顔が浮かび上がります。少女はハルカと名乗り、張政に「来て」と言います。張政は好奇心から鏡に触れると、気がつくと三世紀の邪馬台国に飛ばされてしまいます。
そこでハルカと出会い、彼女に惹かれていきますが、邪馬台国では火の一族と水の一族が戦争をしており、ハルカは水の一族の王子・鳥羽と婚約していました。張政はハルカと共に邪馬台国を救うために奮闘しますが、時空を超えた恋愛は困難を極めます。彼らは様々な困難や試練に直面し、時には別れや死別も経験します。そのため、物語は笑いあり涙ありの感動的な展開になっています。
この小説は、歴史的な背景や文化にも忠実に作られており、邪馬台国の世界観や風俗がリアルに描かれています。また、張政やハルカ以外の登場人物たちも魅力的で、彼らの人間関係や感情も深く掘り下げられています。特に火の一族の王子・炎王や水の一族の王子・鳥羽は、張政とハルカの恋愛に大きな影響を与える重要なキャラクターです。
『ハルカ 天空の邪馬台国』は、時空を超えた恋愛だけでなく、友情や家族愛、平和や正義など、様々なテーマを盛り込んだ壮大な物語です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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ゲーム『俺の屍を越えてゆけ』のファンなので興味を持って読み始めた。馴染みのある神様たちの名前が色々と出てきて楽しい。実は子供好き(笑)なフセマルさんが好き。天狗の里から植物の国から、次々変わる舞台でそれぞれイベントが起きていく構成はいかにもRPG。厚さを感じず読めるが描写は薄い。様々な異種族が入り乱れる古代世界という設定はとても魅力的なので、もう少しがっつりどっぷり浸れる文体で読みたいなあという気も。
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タイムスリップものが好きなので買ってみたが、物足りなかった上に時間が掛かってマイナス評価。元々、ボツになったゲームシナリオがベースらしいが、そのシリーズをやったこともないし、残念ながら対象年齢が子供だったんだと思う。
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※上巻のみ
一風変わった世界観での異世界召喚ボーイミーツガール。
天外Ⅲ元設定を掘り起こして作った作品というだけあって随所にゲーム的なエッセンスが見られるが、それもまた魅力の一つ。分厚いが一人称視点で一気に読めてしまうところもベネ。
個人的にはエログロ要素や、チト下心出すぎな主人公の心理描写がも少し控えめだったら良かったかも -
主人公張政の視点で語られる邪馬台国騒動記。
結構エグい感じで話が進むのですが、登場人物が底抜けに明るく強いのでぐいぐい引っ張られてしまいます。
とにかくハルカがかわいい! -
ゲーム天外魔境3のボツ案の小説化だそうです。
私は天外魔境2が大好きでした。確実に私の青春に影響を与えたと言えるほどです。
このゲーム、日本を舞台にしたファンタジーで、1は坂東、2は関西、3は九州を舞台にしています。当時中学生だった私は知らないことばかりでしたから天外魔境によって日本の地理、文化、伝統、風俗、旨いものなどいろいろかじって、もちろんファンタジーですから所々いい加減なのですが、それがきっかけで調べたり、本を読んだり、大学になってから旅行に行ったりしました。
で、天外魔境3もゲームとして出ておりますが、2の時あんなに私を夢中にさせたものの続編とは思えないほどのつまらなさだったのですね。
舞台は九州で、そこそこ奇想天外で、温泉もたくさん出てきて、各地のおみやげものがおいしそうで(そう、ここだけは良かった)魅力はあるはずなのに終わってみたらつまんなかった。
なんでだろう、と。
本作を読んでわかりました。
こういうドキドキわくわく感があのゲームには欠けていたんだ。
敵の残虐さに絶望感、登場人物の背景、個性的で奇妙な種族達、魏志倭人伝とリンクしていく物語。
これ、これよ、天外魔境は、と思いました。
ただし、この作者はおそらく本職小説家というわけではないのだと思うのですが、文章がそれほどお上手ではありません。
なので普段小説を読み慣れている方には気になるかも。
心底私はこれをゲームでやりたかったなぁと思います。 -
本来、この話が天外魔境IIIになるはずだったそうです。PS2で出た天外IIIは読み込みが酷くて序盤で放り出してありますが…
邪馬台国の時代に召喚された主人公の異世界ファンタジー。主人公とヒロインの初々しくも妙にエロい恋愛がなかなか面白い。
桝田シナリオらしく、結構エグかったりグロかったりする描写も多いけど、話のテンポが良く、とても面白くて長編なのにグイグイと読み進めてしまった。
元・天外IIIとしては前半部分なのだそうで、後編にあたる「炎天の邪馬台国」も是非読みたいと思った。 -
俺屍のPSPリメイクができるということで、桝田省治の小説を買ってみた。連休中に分厚い本を読んでみたかったというのもある。
純粋に小説として評価すると文章表現の面でどうかと思うが、ゲームシナリオのノベライズと考えると楽しかった。この人が作った新作ゲームをやってみたい。 -
とにかく面白い。
主人公の二人が初々しくて、ドキドキする。
テンポよく読めて、終わったあとはすっきりした気持ちになる。
途中で現実の厳しさを味わい、読みながら心が折れそうになるが、主人公のまっすぐな心で元気になる。
謎のまま終わっているところもいくつかあるので、続編に期待。