“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1969
感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757741737

作品紹介・あらすじ

「わたしは天野遠子。ご覧のとおりの"文学少女"よ」-そう名乗る不思議な少女との出会いから、二年。物語を食べちゃうくらい愛するこの"文学少女"に導かれ、心葉は様々なことを乗り越えてきた。けれど、遠子の卒業の日は迫り、そして-。突然の、"文学少女"の裏切りの言葉。愕然とする心葉を、さらに流人が翻弄する。「天野遠子は消えてしまう」「天野遠子を知ってください」-遠子に秘められた謎とは?心葉と遠子の物語の結末は!?最終編、開幕。

感想・レビュー・書評

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  • それまで凪いでいた水面が突然の嵐で荒れ狂うように、心葉、遠子、ななせ、流人らの平穏な時間が一気に崩壊していきます。
    遠子の望みは心葉の絶望となり、ななせの想いは、流人の狂気を生む、最終巻前篇にふさわしい、怒涛の展開

  • 一番救われないのは、ななせちゃんよね...。自信はなくても、芯のしっかりしたいい子なのに。

  • 怒涛の最終編、前編
    なんでこの物語に出てくる人達はこんな苦しくて、苦しさにもがいて生きてるんだろう
    可愛らしい不思議な遠子先輩、彼女も沢山のものを抱えているのだと知ることができる
    そして、遠子先輩の両親のこと
    遠子先輩の秘密か紐解かれるように、心葉君の心労が増え悩みが燻る
    誰も彼もがみんな『かわいそう』だ
    この物語の終焉は、絶望なのか希望なのか

  • 本編最終巻の上巻。
    コノハのトラウマを克服し、琴吹さんと恋人関係になるなかで、
    流人くんが的に周り、卒業が迫る遠子先輩の裏切りが発覚する話。
    今回の作品は「狭き門」で遠子先輩の過去などに焦点を当てたもの。

    流人くんは物語を紡いでコノハを追い詰めるのではなく、
    物語を書いて遠子先輩を喜ばせたほうがみんなハッピーになれたんじゃないかな?
    コノハの追い詰められっぷりが読んでて辛かったです。

  • さよなら、“文学少女”。もう物語は、書けない。

    心葉は、遠子先輩の卒業を控え、なぜか彼女が消えてしまうような気持ちになる。琴吹との間は一進一退のち、やや前進。しかし、流人が急に心葉に牙をむいて――。“文学少女”は何者なのか、その謎が解けるとき、心葉の出した選択は。

    遠子先輩の裏切り、それはちょっとずつ前を向くようになった心葉を揺り戻す衝撃だった。読者は遠子先輩が心葉くんにひどいことはしないだろう、と高をくくって読んでいるわけですが、流人は危ない。美羽はカッコ良くなりましたね。元々エネルギーのある人だから。琴吹さんがとにかくかわいそうだな、と思う。

    遠子先輩、その両親の天野文陽と結衣、そして流人とその母親の櫻井叶子、父親の須和拓海。様々な秘密が明らかになる。どこか人間らしからぬ人たち。この物語はどんな読み方ができるのか。

  • 読んでてものすごく心苦しかった。下巻ではどうか全員が幸せになって終わってほしい。

  •  遠子卒業編。本編ラスト上巻である。

     作家であることの恐怖が、小説で、メタ的に描かれることはあまりなさそうだが、著者はその困難、自分自身を抉る状況にチャレンジしている。その意味で、心葉は著者の分身でもあろう。ここで、心葉の逡巡をヘタレというのは容易いが、小説を書き続けるのは遠子の全部を引き受けろと言うに等しく、高校二年生の彼にそんな選択を迫る流人にも無理がある。流人の狂気に満ちた追い詰められ感と、自分らしく生きたいと反発する心葉(心葉は遠子の「母」の代用品ではないことは当然。)とのせめぎあいが痛々しい。

  • 流人くんが父親の生まれ変わりだとか言い出したあたりから頭が混乱した。
    ななせを選ぶことはバットエンドルートなんじゃないかって勘ぐってしまう、、。

  • 完結への上編。
    ぐいぐい引きこまれます。

  • 遠子先輩の家族事情にも驚愕したけれど、それじゃあ心葉くんはずっと遠子先輩の私情のために書く事を求められていたのか、本当に心葉くんのことを思ってのことではなかったのか…と少し哀しい気持ちにもなる。心葉くんの優しさに傷つけられるであろうななせちゃんも、ただみんなが可哀想でならない。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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