バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)

著者 :
  • 一迅社
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感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758063715

感想・レビュー・書評

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  • 『本を読む』という行為の‘面倒臭さ’をこれほどまでに愛しく描き、そして笑い飛ばした読書マンガがあるなんて!
    著者のセンスに脱帽です。
    本編マンガの読書に関する決め台詞のヒトコマを表紙にしたのも読書好きの関心をそそります。
    キャラクター皆かわいい~。

  • タイトルの「バーナード嬢」って何ぞやと思っていたら、「バーナード・ショー」からきていたのですね。
    舞台は高校の図書室。本を読まずに読んだふりをしたい「バーナード嬢」こと町田さわ子、彼女が気になる遠藤君、その彼に恋する図書委員の長谷川、SF大好きなガチの読書家・神林による読書マンガ。読み始めは、名言マンガとしてスタートしたこともあり「思ってたんと違う…」と感じたが、神林とバーナード嬢が絡みだしてから俄然面白くなる。この神林のSF語りが熱くてよい。フィリップ・K・ディック、ヴォネガット、グレッグ・イーガン…。タイトルや翻訳に関しての薀蓄、たっぷり。理屈っぽすぎて、こだわりがありすぎて時々めんどくさいけど(笑)この本を読んでよかったと思うのは、SFへの興味が増したこと。書店員時代、早川書房の名作を棚に並べながら「いつか読んでみたい…」と思っていたっけなぁ…思っていただけで早ウン年(汗)。いくつかは興味を持った作品があったので、近いうちに是非挑戦してみたい。熱が冷めやらぬうちに!本書でも神林が「本は読みたいと思ったときに読まなくてはならない その機会を逃し『いつか読むリスト』に加えられた本は 時間をかけて『読まなくていいかもリスト』に移り やがて忘れてしまうのだ」と言っていたし。(身に覚えあります!)
    全体的にお堅い本が多いかな…と思ってたら、遠藤君がいきなりケータイ小説の「恋空」で泣いてたりするし(笑)しかも、恋空から引用されていた一文がけっこうよかったりするし。こんな感じで、硬軟織り交ぜたセレクトがツボです。
    ただ、絵に対しては好みが分かれるかもな~。片思いの連鎖が何気に面白かったけれども、キャラクターがかわいく見えない…。そこはおいといても、読み返すほどに面白さがじわじわときそう。「名著礼賛」ギャグとはうまい帯文句、納得。

  • 図書室の常連、町田さわ子は「読書している姿」をカッコイイ、読書家と見られたいと思っているが実は一冊の本を飽きずに読み通す読書力がないらしい。『名言集』を散読し、バーナード・ショー(戯曲家なので日本での知名度は低い、語録「人生とは自分を見つけることではない、自分を創ることだ」)幕間の独白で著者も読書が苦手なのがわかる/「SFには課題本が千冊以上ある」俺も中学高校はほとんどSFしか読まなかったし数十年の読書人生で千冊以上はSF読んできたが、古典的名作と特に日本の必読の話題作で大きなブランクがあって…20%程度

  • 作者が本好きであることがこれだけ、嫌みなく、マニアックなことをマニアックではなく表現できているところが凄いと思う。

    同じ作者の「鬱ごはん」を読んだときは、着想は面白いけど、少し理屈っぽく、細かいこと気にしているし、湿っぽいなと思った。それは、ブラックな笑いが狙いだったのだとは思うが、読み続けいていると少し辛い部分があった。

    今回は主人公があっけらかんとしている、実際小説を読んでいないにに、薀蓄を語るという設定が功を奏して、マニアックな話題をしていても一般的な立場(大部分がそんなに小説を読んでいない)から、客観的にマニアを眺める。それでいて、そのマニアックな世界に共感できる。という世界を作り上げている。

    女子高生という存在が、媒体として、明るい世界を作り上げる効果を担っているのでしょう。(実際の女子高生はいろいろ悩みがあって大変だと思うけど)

    私はSFはほとんど読んだことないけど、すごい面白そうだなーと思わせる内容が多かった。

  • あはは!と笑いながら読んでいって、ふと思いついた。これって「今日の早川さん」のおバカ版だな。

    昼休みはいつも図書室で本を読んでいる(ふりをしている)女子高生町田さわ子。バーナード・ショーを「バーナード・ジョー」だと思っていた彼女は、手っ取り早く「読書家」を気取りたい。冷静な遠藤君にいつも突っ込まれながら悪びれない姿が、実にあっけらかんとしていて笑える。

    遠藤君を好きな図書委員の長谷川さん、SF好きの神林さんも含めて、それぞれに「あ~、そうそう」と身に覚えのあるところがあって、本好きな人は楽しく読めるんじゃないだろうか。いろいろ言いながらみんな本が好きなんだよね。

    黄金の少女漫画で育った身としては、この絵柄にはなかなか手が伸びにくかった。デフォルメと言うにはあんまりな、バランスとパーツ配置が苦しい人物。背景の本や本棚もあらまあという感じ。これの前に吾妻ひでお師匠の華麗な線を見ていたもんだからなおさら。でも、途中からはそれが気にならなくなって、それどころか、何となく味わいがあるような気さえしてきたのは、さすがにプロということか。

    一番笑ったのは、町田さわ子のイーガン「ディアスポラ」への叫び、「『よくわからない』にも程がある!!」。あははは、ほんとほんと。でも、神林さんが言うように、それでも面白いんだよね。最近久々に長編「白熱光」が出たのでいそいそと買い込み、新年最初の一冊にしようと楽しみにしているのだけど、帯の「ハードSFの完成形!」という言葉に怯えてもいる。「程がある!」と叫ぶことになるかも。

    他、「カフカ的不条理」をこのシチュエーションで!とか、「星を継ぐもの」にこんなポップ!とか、漱石「それから」の続編があったらタイトルは?とか、いろいろ笑った。自分の趣味もあると思うが、SFネタが特におかしい。新書には「なぜ○○は××か?」というのが多いという話のオチは、神林さんに遠藤君がつぶやく一言、「なぜSFファンはいろいろうるさいのか」。ごもっとも。

  • 思っていたほど面白味が感じられなかった。海外文学、SFが苦手だからだと思う。

  • 本を読んだフリをして読書家キャラに見せようとしている“バーナード嬢”と、読書好きな友人たちが図書室で繰り広げる会話を描いた読書コメディマンガ。最初の名言コメディも面白かったし、その後のいろんな本をテーマにしつつ話が進む展開も好き。作者の読書家ぶりも窺えるし、何よりみんな楽しそうに本の話をしていていいよね。ぼくもこんな風に図書室で会話してみたかったな。

    名言マンガ時代は「出たー!真実の愛だー!」とか、ド嬢がニーチェにダメ出しするシーンで笑った!「ああ 紙とインクのニオイ…落ち着くな…」とかやってみたい(笑) 導入部分の遠藤のモノローグも痛快で楽しいよね。読書マンガ時代だと、『それから』に続編があったらシリーズが好き。

    ひと昔前に流行った本を古本で買って読む遠藤、SFの話になると熱くなりすぎる神林、シャーロキアンでストーカーな長谷川とキャラも個性派揃い。でも、キャラにギャグを頼りすぎず、あくまで本への愛情が伝わってくるところがいいよね。あと、ド嬢のカジュアルな読書も否定しているわけじゃないところも好き。

    このマンガをきっかけに、『夏への扉』『星を継ぐもの』『一九八四年』とSFを読み始めたりできてそれもよかった。

  • 読書好きだから、この漫画は相性良くてすぐにハマった。シリーズ全部集めたい。

  • 自称「バーナード嬢」町田さわ子。
    そこそこ本好きで図書館の常連である
    同級生の遠藤を相手に
    読んでない本を読んだかのように
    格言・名言を吐く。
    それを見てイライラと闘志をつのらす
    遠藤LOVEな図書委員・長谷川と
    ガチ本好きの神林。
    さて、今日バーナード嬢が
    「持っている」本は何でしょうか?

    SF好きの神林がお気に入りo(^▽^)o
    SFの部分をミステリに変えても
    だいたい「あるある」は成立すると思う。
    ↑○○を読まずしてファンを自称するな!
    みたいな〜

    これ、1冊で終わりなんかな。
    まだネタがあるようだったら続けて…!

  • サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」のレビューに、「学生時代に読んでいれば、もっと数学を勉強したのに…」と、書いたアホな大人は、私である。
    ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」を何となくで買ってしまったのも(ちゃんと読んだけど。)、最近ではユヴァル・ノアハラリの「サピエンス全史」を買って、間違いなく、文庫された暁には「あっこれ文庫化されたんだ。」とか言って得意げになっちゃうのも私。
    「世界の中心で愛を叫んだけもの」や「たったひとつの冴えたやり方」が「いつか読むリスト」に加えられ「読まなくてもいいかもリスト」に移行した挙句、既に読んだ気になっているのも。
    中心がSFの話題だから微妙にずれるが、もし中心がミステリーだったら、そのまま本作の登場人物になれる自信がある。

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著者プロフィール

代表作『バーナード嬢曰く。』『鬱ごはん』『銀河の死なない子供たちへ』『オンノジ』『ヨルとネル』など多数。2014年に第18回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞。2016年10月には『バーナード嬢曰く。』がアニメ化される。

「2019年 『ハナコ@ラバトリー 新装版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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