- Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758411080
感想・レビュー・書評
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エログロは好きだから良いけど、ヴァンパイアの新解釈は最後の部分で微妙だなぁ。面白かったのに、伏線が回収されない部分が多すぎる気もします。
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銀座の裏通りにあるバー〈Vampir〉
フリーライターの高森は、そこで不思議な老人・阿久津に出会う。
彼が語るのは、謎の古城に住む兄弟の物語。
その城には、本物の吸血鬼が住むという。
その名はキャメロン・ド・シャングラール。
そして彼の妹、オルゴールに魂を封じ込められた、天使のごとく美しいアンリエット。
神に背を向け、魔に身を明け渡すまでの数奇な彼らの運命。
そしてそれに巻き込まれた不運な日本人家族・・・。
彼の話に惹かれるものを感じ、高森は助手とオカルトマニアの男と共に、その呪われし古城へと向かう。
そこで高森が見ることとなる、シャングラールとアンリエットの、そして彼らと関わり、すべてを失った隆宣との最終決戦。
最後に残るのは、シャングラールか、隆宣か?
すべてのヴァムピールを超越した隆宣の、行きつく先とは??
長大な、ゴシックロマン伝奇SFです。
吸血鬼と呼ばれるものたちは、曖昧に流れる未来を「決定する」という力を持つ、新人類候補である、という位置づけは面白いですね。
誰よりも先だってそのような存在になった隆宣は、この世のどこにでも存在し、称えられて十字を切られる唯一の存在〈神〉に匹敵するものになったんでしょうかね?
なかなか皮肉に富んだ、洒落たラストになっていて、そこも大満足です。
ただ、いつもの平谷作品に比べて、エログロ率が高かったですね~。
吸血鬼というものが持つイメージからすると仕方のない事なのかもしれませんが、ちょっと生々しかったかな~。
でも上下段550ページを一気に読ませる、魅力的な本ではありましたよ。
未だに平谷さんの作品では、『エリ・エリ』が一番だと思ってるんですけどね、ははは。