ヴァンパイア真紅の鏡像

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.06
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本棚登録 : 30
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411080

感想・レビュー・書評

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  • エログロは好きだから良いけど、ヴァンパイアの新解釈は最後の部分で微妙だなぁ。面白かったのに、伏線が回収されない部分が多すぎる気もします。

  • 銀座の裏通りにあるバー〈Vampir〉
    フリーライターの高森は、そこで不思議な老人・阿久津に出会う。
    彼が語るのは、謎の古城に住む兄弟の物語。
    その城には、本物の吸血鬼が住むという。
    その名はキャメロン・ド・シャングラール。
    そして彼の妹、オルゴールに魂を封じ込められた、天使のごとく美しいアンリエット。
    神に背を向け、魔に身を明け渡すまでの数奇な彼らの運命。
    そしてそれに巻き込まれた不運な日本人家族・・・。
    彼の話に惹かれるものを感じ、高森は助手とオカルトマニアの男と共に、その呪われし古城へと向かう。
    そこで高森が見ることとなる、シャングラールとアンリエットの、そして彼らと関わり、すべてを失った隆宣との最終決戦。
    最後に残るのは、シャングラールか、隆宣か?
    すべてのヴァムピールを超越した隆宣の、行きつく先とは??
    長大な、ゴシックロマン伝奇SFです。

    吸血鬼と呼ばれるものたちは、曖昧に流れる未来を「決定する」という力を持つ、新人類候補である、という位置づけは面白いですね。
    誰よりも先だってそのような存在になった隆宣は、この世のどこにでも存在し、称えられて十字を切られる唯一の存在〈神〉に匹敵するものになったんでしょうかね?
    なかなか皮肉に富んだ、洒落たラストになっていて、そこも大満足です。
    ただ、いつもの平谷作品に比べて、エログロ率が高かったですね~。
    吸血鬼というものが持つイメージからすると仕方のない事なのかもしれませんが、ちょっと生々しかったかな~。
    でも上下段550ページを一気に読ませる、魅力的な本ではありましたよ。
    未だに平谷さんの作品では、『エリ・エリ』が一番だと思ってるんですけどね、ははは。

著者プロフィール

1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学芸術学部を卒業後、2000年に『エンデュミオン エンデュミオン』(ハルキ・ノベルス)でデビュー。『エリ・エリ』(ハルキ文庫)で、第1回小松左京賞を受賞。14年には「風の王国」シリーズ(ハルキ時代小説文庫)で、第3回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。「採薬使佐平次」シリーズ、「江戸城 御掃除之者!」シリーズ、「よこやり清左衛門」シリーズ(ともに角川文庫)や「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」シリーズ(だいわ文庫)、など、多岐にわたるジャンルにて活躍している。

「2023年 『大一揆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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