ラヴィン・ザ・キューブ

  • 64人登録
  • 3.46評価
    • (4)
    • (15)
    • (17)
    • (1)
    • (2)
  • 20レビュー
著者 : 森深紅
  • 角川春樹事務所 (2009年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411301

ラヴィン・ザ・キューブの感想・レビュー・書評

  • 近未来の日本で、アンドロイド開発に尽力する女性を書いた小説。

    実の父が痴呆で体の自由が利かなくなっている状態で、自分はアンドロイド開発に携わる。この開発がやがて人類にどんな影響を及ぼすのかは分からないが、きっとその結末を、同じ開発者であった父は知らずに逝くだろう。

    そして、最終的に開発したアンドロイドは兵器として使われることにも矛盾を感じる。どんなに人間に近く、美しく作られようともその目的は人類の破壊。開発者としては悩む所だろう。

    もしかしたら起こるかもしれない未来を垣間見た気がします。

  • 未来の話だけど、今のモノづくり現場と通じている話。
    ヒロインのこだわりに共感。

  • 言いたいことは分かるのだが、難しすぎてついていけない。結局何やってるの?

  • 始まりのところ、これまでありそうでなかった「製造業SF」か! と思った。これまで、エンジニアリングSFは結構あったけど、研究や開発ばかりで、製造業SFってなかったよなあ、と思って読んだけど、最終的には割と普通の開発SFになっちゃったかな?
    ネタと言いキャラクターと言い、悪くない。面白い。なのに読後感は、なんていうか、「惜しい」という感じ。
    これ読んで、特許や意匠には「公序良俗に反する」ものは登録されない、ってあるけど、完璧に人体を模したアンドロイドは公序良俗を乱すことになるのだろうか、などと思った。
    ところで、英語表記のlovein'(loveのing系にはe入らない)にはなんか深い意味があるんだろうか?

  • 普段SFは敬遠することが多いのですが、
    (物理とか数学とかちんぷんかんぷんになるので……)
    それでも神林長平アンソロジーを読んでみて
    森深紅さんという名前を知りました。

    神林長平さんの作品をオマージュした
    大昔の技術(ガソリンエンジン)で作られた車を
    復活させようとするお年寄りの話でしたが、
    ラストに至るまでの物語の構成の仕方や
    小道具の使い方がとても上手な
    知的な作家さんだと感じました。

    そして気になったのでこの作品をお取り寄せ。
    こちらはアンドロイドを製作する技術者と
    それをサポートする女性のお話。

    これがデビュー作のようですが、変わらず上手い。
    視点の切り替えなどがやや乱暴に感じられたりはしますが、
    物語、登場人物、作品に対する真摯な姿勢が伝わってきました。

    出てくるエンジニアのとかく理屈っぽいことと言ったら。
    その辺りのキャラクターの心情、行動が
    実に生き生きとしているのでした。

    そして今作では小道具として(アンソロジーでは猫でした)
    主役である水沢依奈という女性の名前に意味が出てきます。
    さすがです。
    私は最後までまったく気がつきませんでした。

  • 特に面白くはなかったけど、ずっとつまらなくもなかったのは、登場人物や世界観は魅力だったからかな

  • 真面目な主人公が急に移動させられた部署は
    特注なロボットを作る部署だった。
    そして、舞い込む極秘のプロジェクト。

    話が進むにつれて、
    プロジェクトの内容が見えてきます。
    そして、主人公と同じ目線で謎が解けていく感じで
    読み進めることができました。

    森さんの作品は今後も追いたいと思います。

  • ロボットを作る側からロボットについて描いたSF。ヒロインに感情移入しながら読んだ。

  • 第9回小松左京賞受賞作品。近未来、特注のアンドロイド製作に工程管理者として関わることになった女性秘書のお話。SF好き、ロボット好きにはたまりません。

  • 仕事の目的を達成するためには妥協せず
    頼らず自分の足で前に進む

    このストーリーは好きです

  • ただただ、依奈と佐原が
    くっつけばいいのにと
    おもった(笑)
    それくらいかな
    近頃よく見る組み合わせ。

  • 事務的なセリフと、会社での女性の立場などが印象の硬そうな文面で、読み終えれるか途中心配しながら読みすすんだ。
    専門職じゃないと理解できないカタカナ文字。
    でも、すらすら読めてしまうのは何故?
    ロボットを扱う話に引き込まれることはなかったけれど、チラホラ人間らしい表現を拾い集めていくうちに、どんどん面白くなってしまった。

  • 第9回小松左京賞受賞作品。
    おもしろくて一気に読んでしまった。
    モノと、それを作っていく個性的な者たちと、アンドロイドと、水沢依奈と、設定がおもしろい。
    いろいろ考えさせられる。
    おかげで寝不足です。
    読んで損はないと思う。よ。

    from図書館

  • 近未来の伊良部先生と思ってしまった私。
    イン・ザ・プールとかのあの伊良部先生に共通するような突き抜けた方が出ていたので、イメージが勝手にそうなりました。
    まぁしかし、個人的には初めて読むタイプでおもしろかったです。
    近未来でも女性の母性本能は生きていたのかと、ほっとしたいところです。

  • 第9回小松左京賞受賞もむべなるかな、と思わせる1冊。おもしろいです。
    SFの中のがんばる女子っていう構図は小川一水の「妙なる技の乙女たち」を含み、けっこう好きなんですけど、この本の主人公「依奈」ちゃんもその一人。
    彼女がラストのあたりで着るドレスと靴(ジミーチューだ!)に、女性作家ならではの細やかさがあって、なんとなくうれしい。
    明るいラストも含め、お勧め。

  •  近未来の日本、世界最大のロボットメーカーで働く派遣上がりの水沢依奈が、極秘用途のアンドロイド開発プロジェクトに抜擢される。第9回小松左京賞を受賞したSF。

     タイトルとあらすじから軽い話を想像したが、書かれている内容は意外とハードで、ストーリーもお固い。著者は女性らしいが、技術系バリバリの人だと想像できる。

     文章はこなれていて読みやすいが、扱うテーマがエンジニアとアーティストの両立などやや難解だった。読み終わったあと、どこまで深く読み取れたか不安になった。

     次の作品にも期待。

  • 人型ロボット(ラブドール)を他社と協同作成することになった女の子にスポットを当てた作品。人型ロボットの将来性と危険性が感じられ、また生産に携わる人の心の変化の描写が面白かった。

  • ロボットが一般的になった近未来、介護の必要な父を抱えた主人公水沢依奈は夢である工業デザイナーの夢を絶ち、ロボットメーカーに就職します。とはいえ、仕事に心身ともに打ち込んだ彼女は、着実に回りに認められていきます。
    そこに、突然の異動を命ぜられ、天才、いや病的な研究開発者佐原シンのもとに秘書として送り込まれます。
    そこで、大きなプロジェクトを抱えることになるのですが・・
    近未来でロボットはロボットらしく作られる理由、すごく納得しました。その上でプロジェクトのアンドロイドの製造は現実味を持って受け入れられます。また先進的な背景設定の中、父の介護と対照的な人間味をもちつつ、現代にも通ずる女性の仕事感が表現されています。しっかり読み応えのある、そして読後感もよかったです。
    これは第9回小松左京賞受賞作品で、処女作のようです。次回作にも期待します。

全20件中 1 - 20件を表示

ラヴィン・ザ・キューブを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

ラヴィン・ザ・キューブを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ラヴィン・ザ・キューブの作品紹介

認知症を患った父親の為に、工業デザイナーへの道を断たれた水沢依奈はロボットメーカーに就職し、介護をこなしながら功績をあげていたが、突然の異動で特装機体開発室の秘書を命じられる。人事に不満を持つ依奈を悩ませたのは、室長である佐原シンという分裂病質の悪名高いロボット工学者。アリーという認知行動研究用アンドロイドを秘書として置いている佐原は人間の補佐を拒み依奈を追い出そうとするが、依奈は自分の異動の理由が会社が受注したアンドロイド10体の製造管理だと役員に告げられる。依奈は、納期遵守のエキスパートとして、佐原の作る「ロボット」の秘書となった。実はそれは兵器であったのだ…。だが、佐原だけはルックスのみに不満を募らせていた。生産工学の観点から相容れない要素である造形芸術(アート)と理論の追求(エンジニアリング)。理論の追求よりも造形を優先する佐原は、結果的に機械の物理的な限界まで技術と才能で飛び越えてしまう。それこそが佐原が天才と呼ばれる所似だった。製品の引き渡しの際、機体の起動をする権限者に佐原は依奈を選び、その解除コードを与える。解除コードは不思議な3つの記号『$◇a(エスバレー・ポワンソン・プティタ)』で構成されていた。佐原がコードに込めた、意味とは果たして何なのか?第9回小松左京賞受賞作品。

ラヴィン・ザ・キューブはこんな本です

ツイートする