ズルい言葉

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.11
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本棚登録 : 246
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411622

作品紹介・あらすじ

「コラーゲン、たっぷり〜」と、フカヒレを食べるたびに言っていませんか?「ある意味」「今度、ごはんでも」「どこか懐かしい」「一口、どう?」「もしアレだったら」など、ついつい使いがちな責任逃れ語、曖昧語、紋切り語を45個採集。

感想・レビュー・書評

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  • ズルさは気付かない

    ってな事で、酒井順子の『ズルい言葉』

    日常の何気なく使ってる言葉をスルーして何の感情を持たずに使ってるわし。

    その当たり前の言葉に、キムタクばりに『ちょっ!待てよっ!』と問いかける酒井さん。

    何気なく使ってる言葉の奥底、気付かなかった意図、その裏の感じ方等をぶった切ってく酒井さん。

    言葉の裏と言うか感じ方、受け取り方が色々あってオモロイなぁと

    何気ない言葉程、奥ゆかしw

    2021年冊25目

  • やっぱり酒井順子さんのエッセイはいいなぁ。
    「気が付いてみると、私達の生活の中には、その手の『ズルい言葉』があふれているのでした。意味をぼかす。逃げ道を作る。みんなが使う言い方に同調する。(略)」「(略)本書はそういったちょっとした『え?』という気分を、採集してみたもの。」
    え?ちょっとこの言葉おかしくない?なんだかズルくない?わかるわかる。だけれど酒井さんはほとんど「批判」しない。この本を読むと面白いけれど、何かが変わることはない。結論を示してくれるものではない。でもそれがわたしには心地よい。
    ツイッターではとかく短い文章で、結論から言い、批判を許さないような隙のない「言い切る」文章がもてはやされる。
    それとは対極にある酒井さんのエッセイ。
    わたし、日本人なんで、こういう文章に浸かってたいです。

  • 通勤中に読了。黒い笑いというのか、基本的に醒めた視点から物事を捉えられている方だなぁ、という印象は変わらず。

  • 日常でよく使われる、ふとした言葉を取り上げたエッセイ。
    言葉に秘められた真意を、鋭く分析。
    普段は意識していなかったが、言われてみると「そうそう!」とうなずくことばかり。
    鋭さだけじゃなく、ユーモアもあり、読んでいて心地よく、面白い。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a0ab.html

  • 普段の生活の中で何も考えないで使っているさまざま言葉。
    指摘されて考えてみると、おかしな言葉を使っている。
    そんな面白く「ズルい言葉」のお話です。

    「日頃使いがちな言葉をしげしげと眺めていると、私たちが言葉によって表現しているのは、気持ちの中のほんの一部でしかないということに気付くのでした。言葉というのは、生々しい気持ちを他人様に開示する時の化粧であり、ファッションのようなもの」。(186ページ)

  • さらっと読めました。酒井さんの着眼点や書き方が好きです。

  • 普段何気無く使っている言葉に焦点を当てているエッセイ集。読みながら、私も使っちゃってるなーって思いつつ、著者の鋭い視点に頷いたり。何もそこまで穿った取り方しなくてもって思ったり笑
    大人になって、社交辞令を言う機会も聞く機会も増えたなぁ。これが大人になるって事なら悲しいなぁ。。
    17/5/15

  • ひとつ一つがすごく短い、言葉にまつわるエッセイ。
    短いエッセイはあんまり好きじゃないんだけど、これは面白かった。
    2016/06

  • 2015/5/26 読了

    【あとがきより。】
    なんの話題であっても、直截的に話をすることに躊躇してしまい、曖昧にぼかしながら話す我々…の、ちょっとした「え?」という気分を採集した本書。
    真意をクッション材に包むことによって、言葉によるストレスを和らげようとしているらしい。

  • FBでどなたかがこの人の本を紹介していたので図書館に借りに行ったが、なかったのでこれを借りてきて読了。
    非常に面白い。
    先日読んだ岸本佐知子は妄想全開の完全に頭のおかしい人(褒め言葉)が書いたエッセイで面白かったのだが、この人は理路整然と理論的に物事を考える頭のおかしい人(これも褒め言葉)でとても面白かった。
    が、次に読み始めたこの人のエッセイは全然頭がおかしくなくて、一体この人はどんな思考回路をしているのだろうと不思議に思う。
    しかしながらエッセイはやはり女性のほうが面白いな。
    男性はイマイチ笑えない。

  • 「久米書店」を見て、著者酒井順子さんに興味を持ち、手に取った本。
    さらっと、あっと言う間に読了。

    面白かったです。

    私たちの周りにあふれる曖昧な、逃げ道の作られた『ズルい言葉』たち。
    使ってるなーと思うものが、たくさんありました。

    観察眼の鋭い著者にかかると、言葉の裏も読まれるようで、一緒にいる方は大変かも、なんて感想も持ちました。

    「会費いくら?」には、納得。ポンッと膝を打ちました。

  • もしアレだったら、読んでみませんか
    自分への責任を逃れる言葉のなんと多様なこと!
    そしてそれは皆がいとも簡単に使う。
    無自覚のまま。

    何をよく使うのかと自分で考えてみたとき、
    ・嫌いじゃない(けど)
    ・今度ご飯でも(今度飲みに)
    ・どうする?
    ・私のこと好き?
    がよく使うと自覚している。

    嫌いじゃないけど、は、「なんかムカつく」「苦手」そんな言葉が後に続く。
    つまりどちらかというと、嫌いなのだ。苦手なのだ。
    白黒つけるなら、い、や、だ!
    でも、そんなはっきり言ってしまうとなんかやな感じだよなあ、ということで使っている。
    それも余裕のうちだと著者は言う。
    なんとポジティブ!
    そう、これは一千年前から使われている方法だ。
    だから、恥ずべきことではないのだ!やったー!

    私のこと好き?
    この手の言葉は恋愛指南書では絶対ダメ、とされている。
    うっとおしい、重い、etc......
    だが、あっさりしすぎてもちょっと寂しい。
    毎日そーめんばかりより、たまに油淋鶏
    やりすぎはいけないが、こんなことが言えて、相手も「もちろん」と言ってくれるうちは大丈夫、と著者は推測する。
    言ってくれているうちに控えめにしていくのが長続きのコツかもしれない。

    言ってる言ってる、と自分を笑いのタネにしているうちは笑顔になる。
    反省材料にすることも少しは必要かもしれないが、またやってる!としている方がずっと楽しい。
    コラーゲンは、単なるたんぱく質だからそのまま肌になんかいかない。
    それを指摘するよりも、そうと知っていたってついつい頼んでしまう方が、人間関係の潤滑油として役に立つのだ。

  • 気分はよく分かります。

  • さすが、言葉に対する感性が鋭くて笑ってしまう。次につなげる、とか、もしアレだったらとか。

  • 今ちまたで使われているナウでズルい言葉を酒井さん的に解説した軽くて面白い1冊。
    酒井さんの本には、こういったものの見方もあるのだな~といつも感心させられます。
    らじも「らじ的には」とか「~みたいな」とかよく使うので、ちょびっと反省させられたけど、らじは文章のプロじゃないし、そもそもがカピバラさんなので、まっいいか♪って思ってまっす(笑)

  • 今まで特に意識していなかった「ズルい言葉」も、こうやって分析・解説されると「なるほど」と思うことばかりですね。
    何気なく使っている(又は使われている)からこそ、普段深く考えることがない言葉たち。それらを拾い集め、さらには掘り下げていった著者のクールさに感心しました。

  • 「会費いくら?」は使えると思った。

  • マーガレット酒井さんの頃から大好きで、あたしの中では天才にカテゴライズされてるお人。

    酒井さんのようにおもろい分析は勿論出来ないけれど、「???」とか「昔は言使わなかった言葉だよなー。」とか「その言葉は好きじゃないけど、この人はあたしに気を使ってるんだろうな。」など日々思うので、前のめりで読んだ。

    思わずクスッとしてしまう箇所も嬉しいし、それがしつこくない丁度いい配分で、気持ちよく楽しめた。

  • 面白かったですよ~。
    コラーゲンたっぷりのものを食べた時のやり取りのくだりなぞ、一言一句変わらずその通りっ!と膝をうちました。

  • 日頃の生活の中でついつい使いがちな便利な言葉に
    スポットライトを当て、著者なりの解釈と
    女性らしい目線でつっこんだ45個の言葉を紹介。

    夏に人を見れば「暑いですね〜」と言わずにいられないのは
    自分一人ではないという事を認識したいから・・・。

    初めて行く飲食店で「お薦めは?」と聞く深層心理。

    「コラーゲンたっぷり」にまつわる定型会話には
    思わず、ある!ある!と笑ってしまいました。

    「おバカ」「お下品」「お下劣」など、なんにでも「お」をつける
    最近の言い方・・確かに言う方もそんなにヒドイ事を言っている
    感覚はないし、言われる方もダメージは少ない
    「お」が持つ力の強さはすごい。

    「直箸失礼します」では、大皿料理に対しての箸のつけ方を
    日本と他国で比べてみたり。

    「していいですか?」ではレストランの店員にそんな言い方をする人が
    いるのかと驚きましたが、著者の実体験なのでそんな人がいたんだろうけど
    その使い方、耳につくとイライラしてしまうのがよく分かります。

    「なかなかですね〜」は本当の意味を知ってしまうと
    使い方が難しい言葉になってしまいました。

    「もしアレだったら」「ナンでしたら」のアレやナンが指している
    名詞が何を表しているのかちゃんと理解している私たち
    アレやナンってとても不思議な言葉・・・でもとっても便利な言葉だと
    改めて実感。

    著者の言葉から受ける感覚に共感できるものもあり
    できないものもありました

    「みんなで食べるとおいしい」は著者のように一人の時と味は
    いっしょだとは思えなかった
    会話や雰囲気も味覚に影響を与えていると思うから。

    自虐っぽいネタもありつつ、軽い感じで読めました。
    使いがちな言葉には、その人の愛情や思いやりが込められている
    言葉なんだど思います。

  • いずれも最初は流行語だったりなかったものが、いつのまにか日常会話になり、使い方に疑問を抱かなくなったセリフたち。言われてみれば、と思いつつ楽しく読んだ。中には動作と言葉があべこべという指摘も面白く、丁寧に話していても実は威圧だったり慇懃だったりで、気をつけようと思える。謙譲語や丁寧語という文法的な使い方の指摘より、ざっくばらんかつとんちんかんな用法の多用が多いなぁと気付く。自分の文章や言葉遣いを矯正して行こうと思える本。

  • 覚えてない・・・ま、酒井順子さんのいつもの鋭い着眼点+表現の本だったんでしょう。

  • 自分がよく使ってる言葉がたくさんあった!
    丁寧だったり、相手を思いやって使ってるつもりだったけど、実は責任逃れだったんだ~と、とても納得。
    言葉って国民性や性格が出るんですね♪

  • 「コラーゲンたっぷり~」とか俗耳に馴染んだバズフレーズ(←造語)を罵倒していく企画かと思い、楽しみに開いたら、鋭利さが足りない。

    酒井さんらしくもない。期待してたのに。

  • 責任逃れ? 曖昧? 紋切り?
    でも、やっぱり使ってしまう便利な言葉が並んでいます。
    タイトルでは「ズルい言葉」と一刀両断されていますが、書かれている内容には、言葉に対する愛情が感じられました。

    「どんな意味だよ」と思いながら、「ある意味」と言ってしまうし、疑っているわけではないのに、合の手のように「本当ですか?」と言ってしまう。
    究極は、「コラーゲンに関する定型会話」や、「蟹を食べていると無口になる」という会話。
    読んでみると誰もが、「あっ、これはよく使ってるな」、「ああ、こういう言い方しちゃうよな」と思い当たる言葉があるのではないでしょうか。

  • これだけズルい言葉を羅列され
    いかにズルいか説明されても


    ごちそうさまでした、は死ぬまで使うつもりだし
    見えなーい、や
    みんな、は言い訳しながらやはり使うだろう。


    ズルい言葉は自分の怠惰や逃げも
    含まれていたりするが
    日本人特有の優しさや思いやりも
    含まれていたりするのである。


    ひとつだけ納得がいかないのが
    料理、得意なんですの項。
    人にはそれぞれ武器があって
    それを合コン等において駆使するのは
    全然悪くないと思うのですが‥‥‥‥


    私は駆使できませんけどね。笑

  • けっこう、思わず使っている言葉が、意外とその場を乗り切るために適当に使われているのを感じました。言葉なんてそんなもの、と思う反面、思わず使っている言葉にいわれてみればそんな意味もあるよな〜と気付かされることもありました。

  • 2010年10月
    川口市立図書館で借りて読みました。

  • 世の中ズルい言葉がいっぱい。

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著者プロフィール

エッセイスト

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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