- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758412315
感想・レビュー・書評
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主人公が子供の時に亡くした父親と、大人になってから子供の時の自分にタイムスリップした話。読みやすく、深い話になるにつれてハマっていきます。ちょっと胸が痛い場面が多い。朝鮮人に対しての偏見をやめよと思いました。
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何の情報もなく読み出したため、とても衝撃的な展開でした。歴史の事実を勉強する機会になった上に、最後はしっかり感動させられました。この小説は「西宮北口」を「いつの日か来た道」と聞き間違えたところから生まれたそうです。
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泣けるわー
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2016 8 9
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人から進められて読んでみたが、すごく良かった。西宮球場の競輪は、組立てが大変そうな記憶がある。小説は、北朝鮮での話が切ない。ファンタジー的で好きだなぁ。
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勇者とは、昔の球団である阪急ブレーブスに絡むものだった。自分が生まれる前の古き野球界の話を軸に、不思議な時間経緯で話が進む。北朝鮮へ行ってからの話など、なかなかつらい記述もあったが、ぐっとくる話で没頭した。小説の形態をとってはいるが、登場する野球選手は実在だし(バルボンという選手は聞いたことがある。昔の学研ひみつシリーズの中で出てきたのを記憶)、歴史も多くの文献を参考に記されている。
自分はどこの地に対して、この話の主人公のような気持ちを持つんだろうか?とふと考えた。 -
私にとっての西宮球場は
マイケルジャクソンがコンサートしたところ、
なんだけど確かにブレーブスはあった。
そう思うと西宮には二つも
プロ野球の本拠地となる球場があったんだなぁと今更ながら思う。
昭和30年代はきっと豊かではない物資、
まだまだ戦後と言われる時代だったけれど、
右肩上がりの景気に乗り、
みんながとても希望に満ちていた、という風に理解している。
そしてまた、
時代に翻弄された人がたくさんいたのだ。
時空を越え、距離を越えて人のいつか来た道が交わる、
後半はとても、引き込まれた。 -
昭和初期~戦後、野球をこよなく愛し、広めようとした人々、北朝鮮での輝かしい未来を夢見て祖国へ帰還するが、待ち受けていたのは過酷な運命でした。
最終的には、登場人物の相関図があまりにもうまく行き過ぎていて、現実味が今一つ感じられませんでした。 -
野球は全く詳しくない。ひと通りのルールは分かるしセパ両リーグの名称くらいなら認識している。某友人よりは遥かにマシなレベル。野球好きな人たちが多い環境だったからたま〜〜に球場まで試合を見に行ったこともある。でも1つのチームや1人の選手に夢中になったことは、多分ない。ましてや、何人もの人生が重なり合うような出来事は経験はない。
50歳を過ぎ、公私共に宙ぶらりんな立場にある自分。やり切れなさを抱えた正秋の耳にふと聞こえてきた声。声に引きずられるように正秋はこの場所へたどり着く。当時の面影は微塵もない大型ショッピングモール、遠い昔、ここは野球場だったのだ。
父が8歳の正秋を野球場に連れ出したのはたった1度。父は試合ではない何かをジッと見つめていた。正秋はこれを契機に野球に、阪急ブレーブスへとハマるのだが。
父の年齢をとっくに追い越した正秋は改めて『阪急ブレーブス』の歴史と、当時35歳であった寡黙な父に隠されていた過去とたくさんの勇者たちを知ることになる。
勇気を出せ、とひとに告げるには発する自らの勇気を試されているように感じた。覚悟が試されているような。
人生のターニングポイントにはいろんな状況下があるのだろう。あるいはひとから、あるいは場所から。野球を愛した彼等を後押ししたのが野球の神様でありますように。 -
1969年夏の西宮球場での阪急・西鉄戦から物語は始まる。単純な「昔、阪急ブレーブスというチームがあった!」ではなく、主人公正秋の父忠秋と安子の遠い昔の球場・日野神社での出会いと別れ、梶本・バルボン・高井たち懐かしの選手。「阪急」を繋ぎとして、北朝鮮への帰国家族の想像を絶する苦労と野球、キューバから日本に帰化したバルボン。中国で日本語ラジオ放送に耳を傾ける人たちなど、感動秘話がいくつも。終盤での安子からの手紙、主人公の応答は素晴らしい感動。私にとっても69年の阪急・近鉄優勝争いは忘れられない思い出であり、今も西宮北口周辺を徘徊することが多いだけに、身近な小説だった。「副題が西宮北口を連想させる掛詞であるとは、なるほど!オシャレ!」