捜査組曲 東京湾臨海署安積班

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 333
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412421

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの安積班です
    安積班の物語と短編って合ってますよね
    (そんなん計算ずくで書いてるわ!)

    今回は安積班だけでなく臨海署のメンバーに広くスポットが当たっていてとても面白かったです
    相変わらず自分はムラチョウこと村雨の報われない片思いが大好きなんですが海の男吉田船長や苦労人榊原課長もいいですよね

    そしてなぜ安積班は短編集が合ってると感じたたかいや感じさせられたか(今野敏さんの手のひらなのはわかってます)主人公安積を描き出す手法にあると思うんでですよね
    他の今野敏さんの主人公は内面から形作られてると言うのかな?それに対して安積は外側から作られているというか…回りの人がこう思ってる人物というのをたくさん集めて安積のキャラクターを読み手に分からせるって形をとっているので、より深く理解してもらうにはなるべく多くのデータ(多くの人の思い)を集める必要があり、それらは短編集という形態が都合がいいんですよね
    で多くのデータが提示されたら長編ドーンみたいなね

    まあ、自分の分析が当たっているかどうかは別としてまだまだ今野敏さんの手のひらで踊りたい自分なのです

  • 今回の安積班シリーズはお気に入りの短編集。
    安積班シリーズの短編集は班のメンバーはもちろん普段、スポットライトが当たりにくい人たちも主役になれるので読んでて楽しいですね。
    鑑識係の石倉も大変だなとか、普段だったらあまりすきになれない相楽なんかも案外いい奴かもと思っちゃいますね。

    また、『烈日』で登場した水野もしっかり安積班の一員になってますね。

    安積と水野の会話がよかったです。
    「今だから言うが、お前は安積班にとって異分子だった。他の係員たちは、みな付き合いが長い。そこに配属されてきたんだから、なかなかたいへんだったろう。肩肘を張らなければやっていられなかったと思う。だが、今はもう違う。お前はもう異分子なんかじゃない。立派な安積班の一員だ。だから、好きなときに好きなことを言っていいんだ」
    不意打ちを食らったような気がした。涙腺を刺激される。だが、こんなところで涙を見せるわけにはいかない。水野はきっと顔を上げてこたえた。
    「ありがとうございます。これからも、ご期待にそえるように頑張ります」
    安積はほほえんだ。
    「安心しろ。そんなに期待などしていないから」
    「え……?」
    「俺は部下に期待はしない。ただ、信じるだけだ」

    安積の一言がカッコいい〜!

  • 3.4
    短編集
    いろいろな人に焦点を当てた話ですね。
    相楽の話がちょっと面白かったですが、他はあまり、、
    何となく違う気分の日に読んだら、異なる印象をもつのかもしれませんね。
    今の自分の心の状態には合いませんでした。
    またしばらくしてから再読したい。

  • 安積班シリーズ。

  • シリーズのわき役にスポットを当てた、番外編的な短編集。
    面白かった。
    安積班だけでなく、第二係の相楽、鑑識の石倉、刑事課長の榊原などが主人公の話も。
    それぞれが安積をどう思い、どんなふうに評価しているのか。
    日々の場面で、何を感じているのか。
    普段の安積目線では描かれにくい部分に触れられて、キャラクターがよりくっきりする。

  • 気付いたら出てた安積班シリーズの最新刊。
    組曲というタイトルに違わず章のタイトルを音楽用語で纏めてきた。
    クラシック用語だけかと思ったらそうでもないみたい。
    章立てが細かいってことは話数が多い、
    イコール一編が短いってことなんだろうけど
    不思議とそんな感じはしなかったな。

    長編で警察小説の醍醐味を味わい、短編で人間ドラマを堪能する。
    この作品ではそんな棲み分けがより顕著になった印象を受けた。
    鉄板のメンバーはもちろん楽しめたのだが、
    新キャラの水野さんやあまり記憶になかった黒木さん目線の話がなんだか新鮮。
    ザ•中間管理職(笑)といった趣の榊原課長の話、
    なんとも大人気ない(かと言って間違ったことはしていない)石倉係長の話は
    思わず苦笑いだった。相楽さんの話もここに入るかな。
    美味しいところを華麗に掻っ攫っていく速水さんは相変わらず。
    そういえば速水さん目線の話も記憶にないぞ。

    なんにしても、安定の安積班クオリティで今回も読み応えがあった。
    そろそろ長編の事件解決シーンが読みたくなってきたけどね(笑)。

  • 超人的な仕事をする安積さん達の活躍を見ると自分も仕事頑張れます。
    働く人の栄養ドリンク小説です!

  • 短編集、それも安積以外の登場人物にスポットをあてた内容になっており、相楽目線とか石倉目線とか、普段は描かれていない人物視点が新鮮でした。

    表題が「捜査組曲」ということもあって、各編のタイトルを音楽用語で統一、短編一つひとつは登場人物の一人ひとりが奏でるメロディーといったところでしょうか。

    作中でも速水が「不協和音が、音楽に味わいと深みを加える。組織においても同じ」というセリフがあり、まさに臨海署をオーケストラになぞらえているんでしょうね。

    長編ばかりでなく、こういったいい意味での遊び心を散りばめることで各キャラクターの裏側を知ることができ、それがまたシリーズ全体の奥行を増す効果をもたらしているのだと思います。人気シリーズたるゆえんでしょう。

  • 2020年7月26日
    短篇集。 
    安積さんが魅力的。
    組織の中にはいろいろな性格の人がいる。
    それを大切にしてヤマに挑んでいる
    自分のことは捨てて仕事に邁進している刑事たち。

    音楽用語のテーマにぴったりの話が10篇
    仕事と音楽、大切なことって同じかもしれない。

  • 安定の短編集。相楽さん最後はちょっと丸くなって良い人になってた。それぞれの視線で物語が進むので、感情移入もしやすいし、この形は安積班シリーズではお気に入りです。ほんっと村雨さんへの苦手意識が根が深すぎて笑える。須田さんが今回も良かったです。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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