- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758412438
作品紹介・あらすじ
警察学校での成績が同点で一位だった、戸柏耕史と陶山史香。彼らは卒配後も手柄を争い出世をしていくが-。なぜ二人は張り合い続けるのか?異色の連作短篇警察小説。
感想・レビュー・書評
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「教場」に続く警察小説。
あの時もちょっと思ったけど‥
今回は、二人の警察官の人生を追いつつ、連作短編でひとつひとつ事件が語られます。
警察学校で同点の主席だった戸柏耕史と陶山史香。
卒業後も成績を競い合い、気にかけ合うのです。
職場は違い、相棒というわけでもないのに。
二人は順調に出世していくのですが。
事件の関係者だった中学生の薫が史香を慕って警察学校に入り、警官となり、30年の歳月が流れます。
意外な展開で、これも愛情の形?という‥
長い間の気持ちを思うとズシンと来るものがあります。
「教場」はすごく面白かったんです!が、しまいに怖さが勝ちすぎて、警察学校は悪の巣窟か?!と思えてきたのと似たような~
えぇと、こんなヒドイ話でいいのか‥?っていう。
酷いと言っていいのかは、読み方もあるかも知れませんが、書き方もあると思うのです。
長い年月の挙げ句が‥
これで深く感動するというより‥後味悪くなってません?
ラストの印象を除けば、全体は、言葉を選び抜いて、すっきりと仕上がっています。
「傍聞き」の頃から変わらないスタイルですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
警察学校の卒配から定年までの軌跡を描いた連作短編集。
1作1作の年月の経ち方が恐ろしく早い上に、落ちの説明が雑で、私の理解不足化もしれないけれど、全然意味が解らない。教場がなかなか良かっただけに、期待外れな1冊。 -
連作短編で、長い時間の流れを描いた作品である。
しかし、時の流れを実感するというよりも、あまりにも駆け足で語られたような感じがしてしまった。
新人警官だと思っていたら次は警察学校の教官、片や外国へ派遣など、戸柏と陶山の立場はめまぐるしく変わる。
この、不親切なまでのぶっきらぼうな語り口は、読者に高度な想像力を要求する。作者が想定している事柄を読者も精密に読み取らないと、話の流れも意味合いもつかみそこねてしまうのだ。ふだん、丁寧かつ親切な語り口に慣れてしまっている私には、とても困難な作業だった。
そしてあのラスト。なぜあの時点なのだろう。そして結局わからなかった。なぜそこまで二人が張り合うのか。きっとたくさん読み落としているんだろうなあと思うが、無口な人と対応しているようなもどかしさで疲労困憊である。何度も何度も読み返すことでしか読み取れないんだろうなあ……。 -
同期の警察官の男女の連作短編です。いろいろな事件に関わりながらあっという間に年月は経ち彼らは出世していきます。一つ一つの話にはちゃんと伏線が張られています。それでもなんとなくどこかが置き去りにされているような変な違和感を持ったまま読み進めたのですがエピローグに思わずのけぞりました。だからなのか!と腑に落ちた部分もありましたが読み返さないとわからなかった部分もありました。技術的に巧みだとは思いますが、もう少し分かり易い方が単純に楽しめるような気がします。
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内容紹介
警察学校での成績が同点で一位だった、戸柏耕史と陶山史香。彼らは卒配後も手柄を争い出世をしていくが――。なぜ二人は張り合い続けるのか?ベストセラー『教場』につづく異色の警察小説。
短編集。8章あるうち3章読んで挫折。
あまりに状況説明が足りないせいで、内容について理解できない。
思わせぶりなセリフ、行間を読み取る事で物語の深みやウラが分かるのかもしれない。
自分のレベルでは読み取り切れず意味不明なままであり、途中断念。 -
2人の男女がお互い警察官として、出世を競いながら歩んで行く話です。物語としてはとんとん話が進んで行くのですが、誰がどうしてどうやって何を考えてどうなったのかよく分からないのです。整理すれば分かるし、結局はある程度理解出来たんだけれどもちょっと疲れました。
一話毎に時代がぐんと進んで行く流れは面白いです。最初新人として意欲に燃え、刑事になり、中堅になり、警察学校の教師になり、署長になり副署長になり。人生の縮図をさらりと読ませるあたりはやはり上手いです。
行間から心象風景を読み取らせようとするあたりは、自分の文章に自信と信頼があるんだなと思いましたが、もうちょっと親切に書いても良いのではないかなと思います。折角なかなかいい題材なのに乗り切れなかった。個人的にはですが。 -
新米警官の戸柏耕史が、章を重ねる毎に交番勤務から刑事、教官を経て、最終話には元警視正という地位にいるまでの連続短編集。
一字一句、アンテナを立てて読むことをオススメします。伏線だらけです。
あちこちでリンクしてます。
最終話の一番大きな真実にポカーン、、、
わたしは、読み終えた直後から読み直すことになってしまいました。
そういう訳で二度楽しめます。
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とても面白かった。
捕り物劇中心ではなくある警察官と周囲の人々の成長を、警察官の人生を描く。各話ごと、年代が進んで行く。
各話、顛末を細かく語らず、読者に想像させる。最終話で見せた大岡裁きは、「仲間を売らない」で最後まで残った事件を解決に導いた。