リストランテ アモーレ

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.20
  • (12)
  • (62)
  • (129)
  • (24)
  • (8)
本棚登録 : 533
感想 : 99
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412575

作品紹介・あらすじ

姉弟で切り盛りしている目黒の小さなリストランテ。色艶に満ちた皿の数々と、それぞれの事情を抱えたアモーレども(罪深い味わいに満ちた男と女)を描く幸福な物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これ好きだなー。うん、相当よかったよ。
    ドラマ化したらどんなに面白いだろうって読みながらキャスティングしてみたり(笑)
    他の人のレビューイマイチみたいだけど私はこの手の井上作品が大好き。軽妙洒脱な文章と憎めない面々と美味しそうな料理。もう最高じゃない!

    イケメンで女の子に優しいイタリアンのシェフがいたら私だって毎日通いたいわ。そこに通うお客さんがみーんな彼と関係をもってるなんて考えただけでも笑っちゃう。
    井上さんの作品に出てくるダメな男、ダメな女って不思議と憎めないのよね。愛すべきダメンズ達。

    出来ることならシェフの杏二が初子ちゃんあたりとハッピーエンドで終わってくれればもっと良かったかな。
    最後のオチはちょっと淋しすぎるじゃないの。
    続編が出るといいのに。その後の杏二も気になるし、お父さんにももっと登場してほしかったから。

    「キャベツ炒めに捧ぐ」が好きな人は気に入るのではないか・・・、と思います。

  • 目黒駅から少し離れた路地にある小さなリストランテ「アモーレ」は、イケメンシェフ・杏二と、姉の偲の瀬尾姉弟の店。
    とびきりの料理と杏二目当てのお客が今夜も訪れる…

    瀬尾姉弟と、「アモーレ」を訪れる男女たちひとりずつが語り手となって、ある日のメニューの味わいとともに心の動きを語る連作短編集。


    『静子の日常』が読みたくて図書館で探していて目についた。井上荒野さん、これが初読。

    うん、料理は美味しそう。
    あいにくまったくご縁のない、想像もつかない高級食材と繊細な料理は、杏二の奔放な欲望が料理の形になったかのように、刺激的に煽情的に描かれる。

    けれど、杏二にも偲にも、他の登場人物の誰にも気持ちのピントが合わず、よくわからなかった。
    何となくハッピーエンド?な終わりになって、杏二の謎の電話相手のMも登場するけれど、そのこともしっくりこないままだった。

    うーん。
    もう一冊は読んでみて、相性が合うかどうか見極めてみようかな。

  • ①享楽的・・快楽にふけるさま。

    ☆小説の後半、やけにこの言葉が目についた。
    わざと?
    主人公の杏二はこのタイプだろうか。

    ②休日はどんな天気だっていい天気さ。

    ☆杏二の言葉。一言で言ったらそういうお話。
    いつでも読める。

    ☆食べ物の書き方がすてきで、おいしいものを食べに行きたくなった。

  • 章ごとのタイトルがメニューや料理名になっている小説は、わりと見かける。
    その中でも、料理の味を損なう事なく美味しく頂けた小説だ。

    『リストランテ・アモーレ』のシェフ・杏二は、熟した鳳仙花の種のような男だが、“不毛な男”でもあるので、種は目を出すことはない。

    お姉さんが好みです。
    お父さんは可愛いな。

    一番嫌な女は沙世ちゃんかな、理子さんかな…?
    皆さんはどうですか?
    …と、この感情は、
    「女って、彼氏が浮気すると、彼氏じゃなくて相手の女に憎しみを抱くよね!」
    的なものでしょうか?
    本当は、次々と女と関係する杏二に問題があるのに。

    杏ちゃんは、光源氏に似てるかな。
    誰とでも寝るけど、どの女とも幸せになれない。
    最後の章は、ちょっと唐突でしたが…
    さて、これを外から来た人が見ると?
    といった感じで。
    店が転機を迎えた場面です。
    続編があれば読みたいですが、この、不安定に揺れる人間関係が面白かったのかもしれない。

    姉と弟でやっている、飛び切り美味しいものを食べさせてくれるイタリアンレストラン、というのは素敵です。
    女たらしの弟が、姉をとても大切に思っているのも素敵だ。
    姉が幸せになってくれればそれで良い…
    ちょっと切ない幕切れ。

  • 美味しそうな料理が出てくる本を読みたくて…。
    でもなんか違ったな。
    食べたことないものばかりだから、味が想像つかなくて口福は感じられなかった(苦笑)。

    イケメンでお客に次々手を出しちゃう杏二。
    そんなシェフ会ってみたい〜と、女心、ミーハー心をくすぐられました。

    杏二は次々と女の子に手を出しながらも、きっとオンリーワンを求めてるに違いない…(惚)
    なんてロマンチックに考えていたから、Mのくだりで「結局まだ見ぬ女を求めてるだけじゃないか」と思って、一気に気持ちが冷めちゃった。本当、不毛だなぁ。

  • 「アモーレ」…「愛」
    幸せと切なさ。

    backnumberの「ハッピーエンド」や「瞬き」を聴きながら読んで、胸が締めつけられるように苦しくなった。

  • もう大好き♡これぞ井上荒野って感じの作品だな。しかも少し軽めなので井上さんが苦手な人でも割と読みやすい部類に入るのでは。

    イケメンで女の子が大好きなイタリアンシェフの杏二と、その杏二を(色んな意味で)支えている控えめな姉の偲。
    二人が経営しているレストラン、『アモーレ』に集まるお客たち。美味しそうな食事と、そこで繰り広げられる男と女の人間模様。

    杏二の様な、軽くて本音の見えない優しい男は実際苦手だしあまり関わりたくないけど、井上さんが描くと何故か憎めない。そればかりか愛おしくさえ感じてしまう。
    最終的には彼が幸せになってくれたらいいのにな…と願ってしまった。ちよっと切ない終わり方だったし。

    偲がほのぼの幸せになってくれたのは嬉しかった!井上さんの作品に登場する女性がここまでハッキリしたハッピーエンドになるのは珍しい気がする…。

    謎の女Mのエピソードは、私的には要らなかった気もするが…(そこだけ全く別物語になってる気がした)まあそれも良しとしよう。

  • 図書館で借りたもの。
    姉弟で切り盛りしている目黒の小さなリストランテ。色艶に満ちた皿の数々と、それぞれの事情を抱えたアモーレども(罪深い味わいに満ちた男と女)を描く幸福な物語。

    『手を伸ばせばすぐに抱ける体が横にあると、俺はついその機会を貪ってしまうからだ。』
    女性に対して奔放な、シェフの杏二。杏(きょう)ちゃんという呼び名も、なんかそんなイメージあるよね。笑
    綾野剛を思い浮かべて読んだ。

    『生殖目的のそれを俺は試みたことはないが、その目的がなくてもセックスできる生き物で本当によかった。もしもこの世にセックスがなかったら、俺は夜の大半を途方に暮れて過ごすことになっていただろう。』
    ちょっと分かる気がする。

    好きな空気感のお話でした。

  • レストラン「アモーレ」のシェフ・杏二とサービス係の姉・偲を取り巻く人間模様の11話です。井上荒野 著「リストランテ アモーレ」、2015.4発行です。私には今一つ面白味に欠けた物語でした。

  • 姉弟が営む『アモーレ』を取り巻く男女の物語
    初子ちゃんがなんかすごく好き

全99件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上荒野の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×