ウィメンズマラソン

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.65
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本棚登録 : 220
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412599

感想・レビュー・書評

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  • とにもかくにも夏のオリンピックと言えばマラソンでしょう!
    もちろん一瞬を駆け抜けて史上最速を極める100メートルももちろんいいけれど、ドラマがあるのはやっぱりマラソンよね~、と思う。私と同い年のQちゃんが金メダルをとった記憶がまだ鮮明に残ってる影響も多分にあるけれど・・・。

    この小説は一度はオリンピックの夢をあきらめたシングルマザーでもあるマラソンランナーが再起を向けてリオを目指す物語。
    いやね、この主人公の峰子は決してQちゃんみたいに誰からも愛されるキャラクターじゃないんですよ。どちらかというとヒール。自意識過剰で、素直じゃなくて、勝気で。
    でもなぜだか応援したくなっちゃう。
    女性アスリートにとって結婚出産てマイナス要素が多い。それで諦めちゃう人もたくさんいると思う。峰子なんてマスコミからも世間からも嫌われるどころか嫌がらせも受けて・・・。それでも走ることを諦めなかった。逆境に負けないその姿に心打たれてこっちまで熱くなってしまった。

    この小説のラストを飾る、リオの選考会である名古屋ウィメンズマラソン。
    この描写が、いい!ハプニングあり、駆け引きあり、沿道の応援、コーチ、そして娘の掛け声。
    一緒になってナゴヤドームに向かって走っているような、増田明美になって解説したくなるようなそんな気分になった。
    いやー、面白かった。

    最近の女子マラソンはどうやら低迷しているみたいだけれど、なんとか頑張ってほしいな~。また表彰台を飾る姿を見てみたい。そう、是非東京オリンピックで!

    • 杜のうさこさん
      vilureefさん、こんばんは~♪

      いつも花丸をありがとうございます!
      嬉しいです(*^-^*)

      この本、私もviluree...
      vilureefさん、こんばんは~♪

      いつも花丸をありがとうございます!
      嬉しいです(*^-^*)

      この本、私もvilureefさんのレビューで
      「うわっ、面白そう!」と思って読みました。
      運動音痴なもので(笑)よほどのことがないとスポーツ物は手にしないのですが…

      すごく面白かったです!
      ありがとうございました♪

      また素敵な本、ご紹介くださいね。
      楽しみにしています(*^-^*)
      2015/10/16
    • vilureefさん
      杜のうさこさん、こんにちは。
      こちらこそいつも花丸ありがとうございます♪

      わー、私のレビューがきっかけで読んでくださったなんて嬉しい...
      杜のうさこさん、こんにちは。
      こちらこそいつも花丸ありがとうございます♪

      わー、私のレビューがきっかけで読んでくださったなんて嬉しいです(*^_^*)
      でもこの本、本当に良かったですよね~。
      最後のマラソンの場面なんて手に汗握って、大興奮でした(笑)

      私も杜のうさこさんのレビュー、参考にしてますよ~♪
      坂井さんの他の作品もお読みになったんですね。「迷子の大人」、私も読みたくなりました!

      今後ともよろしくお願いします(*^_^*)
      2015/10/19
  • 実業団に所属のマラソンランナー。監督に才能を見出されてオリンピック代表になったのに、妊娠が発覚。
    一気に非難の的となり、出産するもすぐに離婚。でも、マラソンの熱は抑えられず周囲のサポートと何より本人のがんばりでオリンピック代表選考会のレースに挑む。
    テレビの中のスポーツで大成している人達はみんな神?って思うくらい優等生な面ばかりが報道されるけど、峰子は結構悪態もつくし等身大で親近感を持てた。





    私も今月末、初のフルマラソンがんばろう!

  • 面白かったです!

    実業団の陸上部員、岸峰子。
    頑なで気が強いけれど、走ることにひたむきな姿に好感が持てます。
    オリンピックの代表選手に選出されたタイミングで妊娠発覚。
    途端に国民の敵みたいなバッシング。
    (ここまでする?って思うくらい…)
    だから出産して復活した場面は、心の中で拍手ー!

    「産むな」と言われたことから絶縁していた母との和解。
    この母親と峰子と娘・栞の関係性がとても良かったです。

    母であり娘であることはやめられないんだから…と、
    峰子を支えて、背中をトンと押してくれる母。

    娘・栞を自分のランナー人生の足かせの様に思ったり、
    ”あの岸峰子の娘”と言われることに負い目を感じていた峰子。
    「走らないと自分が自分でなくなる気がする」と言った峰子に、
    「ママはしおりのママでしょ」と答える栞。
    まさに”道しるべ”でしたね。

    最後のレースのシーンは、胸がドキドキするほどの臨場感!
    陰でずっと見守っていてくれた小南監督。
    「岸、行け!辻本、逃げろ!」最高~

    沿道から聞こえて来た「はやぁい」の一言。
    そう、マラソン選手のスピードってすごいんですよね!

    実際のレースを観戦したことはないんですが、
    学生の頃何度か、神宮外苑でトレーニング中の瀬古氏をお見かけしたことがあります。
    歩いていた私と友達の横を「ひゅんっ!」と走り抜けていかれて、
    そのあまりの速さに、ポカーン・・・

    後輩の辻本も、峰子のライバルなのに、ひたすら懐いてくれてかわいいし、
    なにより笹塚コーチがいい!「誤用です」がツボ♪

    大満足の一冊でした。

    • azu-azumyさん
      うさこさん、こんにちは!

      コメントをありがとうございます。
      うさこさんの思いにあふれたコメント…
      心の底にしみわたって、本当にうれ...
      うさこさん、こんにちは!

      コメントをありがとうございます。
      うさこさんの思いにあふれたコメント…
      心の底にしみわたって、本当にうれしくて…
      ありがとうございます。
      返信は必要ないですよ~と、優しいお言葉をいただきましたが
      あまりにもうれしくて、こちらへお返事を。

      ブログの方にも何度も足を運んでくださっていたのですね。
      そうなんです。
      ブログを休もう、続けよう、やっぱり休もう、続けよう…
      気持ちがぐるぐるぐるぐる…

      うさこさんがおっしゃるように、本を読もうとしても、文字を目で追うばかりでいっこうに進まず、しばらく本から遠ざかっていました。

      うさこさんもご両親のことで一喜一憂する日々をうかがって…
      本当にしんどいですよね…
      でも、そう!避けては通れない道ですものね。
      私の一喜一憂する日々はまだ始まったばかりですが
      うさこさんのコメント、本当にうれしくて、うれしくて…
      いっぱい勇気をもらいました。
      本当ににありがとうございます。

      最近、少しずつ気持ちの整理が出来るようになって
      そうしたらやっぱり本に戻って来ました。
      大好きな本を読むことで、救われています。

      私が元気でいること、楽しい時間を持つことが大事だと思えるようになっています。
      また、楽しく本のお話、させて下さいね。

      なんだか支離滅裂な文章になってしまってごめんなさい!
      私もタイムラインは非表示にさせていただきますね。
      お心遣いありがとうございます!

      大好きなうさこさん、本当にありがとう。
      心からの感謝をこめて

      azumy
      2016/04/19
  • 日経新聞の書評を読んで、メモしていた本。
    幸田生命女子陸上競技部の岸峰子はあるアクシデントから手に入れたはずのロンドン五輪への切符を手放すことに…

    そのアクシデントがこんなことだったとは…

    マラソンをあきらめきれない岸峰子はリオ五輪を目指すのだが…

    ラストは目が離せない展開。
    一気に読み切りました。

    この本を読んでいたとき、奇しくも、アテネ五輪金メダリスト野口みずきさんが、リオ五輪代表入りできず、引退とのニュースを知り…
    より感慨深い思いでした。

  • もうかれこれ30年くらい走っている。
    あくまでも、市民ランナーとして。
    フルマラソンもウルトラも出たが最近はもっぱらハーフ。そんな私が前から気になっていた一冊。
    ガチだ。ガチなエリートマラソンの話。作者は取材と参考図書でここまで書いたのだろうか?それとも走る女性??と考えながら読んでいました。
    登場する監督のモデルは小出監督でしょう。
    昔、北海道マラソンでお目かけし、付いて行こうと試みましたが無理でした。
    そんなことまで思い出させてくれる、熱い物語でした。TOP of TOPにしかわからない世界ってありますよね。また本から元気をもらったなぁ。
    余談(しか書いてないが)ですが、「役不足」とか「確信犯」とかことばが取り上げられるシーンがわりと好き。

  • 女子マラソン小説。女性アスリートそして母親であることの両立、ライバルや後輩との確執が見事に書かれている。

    この主人公、実際にいたらかなり嫌いなタイプだろうなぁ。人のアラを探してばっかりで、自分の決定的な悪い部分は自覚しつつ放置、そもそも自分が世間から徹底的に嫌われた理由からして…それはアカンやろと思うわ。
    それでも、自分はマラソンを走りたいという一途な気持ちが物語と登場人物たちを引っ張っていくのが筆の上手さ。そうそう、小説の主人公なんてこれくらいアクがあってこそオモロいんだろう。

    イヤな奴でも気があわへんヤツでも、自分に迷惑をこうむらない限り好きにさせておいたれ…そういう気持ちが日本人には足りなさすぎる。この小説を読んでまた、それを思ってしまった。せめて俺だけでも、人のことはほっておく、それを徹底しようと思った。

    レースシーンの緊迫感は、各種陸上系小説の名作には一歩及ばないものの、相当に読ませる。そこよりもクライマックスに至るまでの人情劇がこの小説の読ませどころ。身勝手女性アスリートの踏ん張りを楽しめるぞ

  • 題材は抜群。文章はイマイチ。主役もイマイチ。

    オリンピックのマラソン代表に選出されたが、妊娠して代表を辞退したランナーが、再び代表目指して走り始める物語。

    テーマとストーリーは凄くいいです。
    ただ、冒頭から説明丸出しの語り口がダルい。

    そして、主役の性格が人間的過ぎて、シンデレラの姉が主役になっちゃったみたいな…

    主人公の周りは皆いい人ばっかな分だけ、主人公の愛されにくいキャラが引き立ってますね。

    何より一番のポイントは産む決断が簡単過ぎだろ!ってこと。
    オリンピックの代表だぜ!問答無用で中絶だろ!
    って違和感を覆すほどの説明が欲しかった。

    あと、最後はどうなったのか書こうよ!
    投げっぱなしかよって感じ。

    つまらなくは無いけど、どうにもスッキリしないお話でした。

    惜しい。

  • 2016.4.23
    オリンピックを目指して奮闘する岸峰子。一気に読めた!
    祝福されるべき妊娠、「この子さえいなければ」って思う主人公の気持ちがしんどかった。お母さんが出てきてくれてよかった。
    きれいすぎるストーリーのような気もしたけど、読み終わった後爽やかな気分にしてくれるステキな物語でした。

  • タイミング
    嫉妬してしまう心
    それ以上に大切なものも手に入れたこと
    わかってるけど
    嫉妬してしまう
    その繰り返し
    夢の目前でという想い
    周りからなんと言われても貫くところ
    ボトルの子どもの絵は愛が溢れてたし、
    最後の新たな道を応援したくなった

  •  マラソン選手としての生活を軸に人生さまざまなドラマが起こります。いやがらせあり裏切りあり辛辣な批判ありそして陰の応援と友情、そしてまた家族愛。ただただ走るだけの小説ではありません。目標に向けて頑張り、結果を残すことで自分の存在と選手としての意義を表そうと頑張る主人公を読みながら応援し続けました。
     小説最後の名古屋ウイメンズマラソンのドラマチックな展開は面白かったなぁ。エピローグもさわやかでした。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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