なかなか暮れない夏の夕暮れ

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著者 : 江國香織
  • 角川春樹事務所 (2017年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413008

なかなか暮れない夏の夕暮れの感想・レビュー・書評

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  • 本編の主人公と、彼が読んでいる本の内容が自然に往き来してしまうため、初めの頃は何が何だかよく分からなかった。

    読み進めていくうちに、どうやら主人公の行動と、本の中の行動が続けて書かれていることに気づく。
    そして、全体の物語の中に入っていくことができるようになりました。
    さらに物語は淡々と続いて行きます。
    本書が終わってからも、そのまま。

  • 江國さんの小説を久々に読みました。あぁ、そうだった、江國さん、こんな感じだった。
    稔と雀の姉弟を取り巻くたくさんの登場人物、稔が読む小説、、、、頭が混乱しましたが、徐々に慣れてきて、稔が読む小説の方が気になったりして。

  • 読書好きの主人公・稔が読んでいる本の内容が、作中作として書かれている。本の中ではいろいろ事件が起こるけど、稔の方の世界は平穏で何も起こらない。スパイの世界に入り込んでいたのに、インターフォンが鳴ったり誰かに話しかけられたりして稔が現実に引き戻されると、私まで読書を中断させられたような気になった。その物語が途切れる感じがなぜか好きだった。わかる、わかる。最後の稔のセリフが微笑ましい。続きも気にならないし、記憶にも残らないような話だったけど、休日に旅先でのんびり本を読んでいるような気分になれた。それがいい。

  • 最初の数ページを読んだところで、突然文章がぶちっと切れて白い行が1行。うわっ、乱丁?落丁?なんか校正のミス??いやいやわざと?と思いつつさらに数ページ読むと、今度は同じ文章が二度続いてまた白い行が。絶対に乱丁かなにかミスでしょ??と思い、そしたら新しい本に変えてもらってから読もう、と思って本をとじたわけで。ツイッターでも騒いで本当にバカなわたし。で、なぜかその夜ふと夜中に目を覚まして考えごとしていて、あ、あれはミスなんかじゃない、あれで正しいのだ、とふっと理解した。
    ぶちっと切れていたのは、登場人物が読んでいる本の文章なんだけど、つまり、登場人物が意識を本から離したところでぶちっと切れ、眠かったりして何度も同じ行を読んだとき、同じ文章がくり返されているという。
    最初からすっとわからなかったわたしは本当に馬韓なんだろう。だれも、ミス?とか思ってないみたいだ。
    でも、え?と一瞬思わせるっていうしかけなんだろう。。。

    しかけにまんまとひっかかったから言うわけじゃないけど、うーん、わたしはこの登場人物が読んでいる本(劇中劇じゃなくて、なに? 本中本?)をそれほどおもしろいと思えなかったような。北欧だかロシアだかのミステリみたいなのと、南米だか暑いところのミステリみたいな話だけど。それが全体の何分の一かわからないけど(適当にいうと五分の一くらいに感じたけど)それを読まされるより、本編をもっと読みたかったかも。

    ストーリーは、なにかできごとがあるわけでもなく、中年のいろんな立場の人たちが、淡々と、連綿と、いろんな自分の人生を生きていっている、というような感じで、いかにも江國さんといったふう。なにも解決とかしないし。どうして?と思うことの理由もわからないまま。とらえどころがないというか。嫌いじゃないけど。やっぱり、江國さんの文章自体をわたしは好きなんだなと思う。

    本を読んでばかりいる稔は50歳で、膨大な遺産があるので働かなくてよくて、いつも本の世界に入っていて、他人に興味がなくて冷たいように見えるのに、わりにまわりに人がいて、かまってもらえて、世捨て人のようになっていないのが不思議というか。うらやましいというか。どうしてなんだろうとか思ったり。あと、なんというか、反省とか後悔がなさそう、こんなふうに本読んでばっかりでどうなんだろう?っていうのがないのもうらやましいというか。

    (うーん、江國さんは、なんですかね、好きなように生きる、っていうのがいつもテーマなんですかね。。。)

    (どうでもいいけど、同世代なんだけど、どうもやっぱりバブル期っぽいというか、浅野温子とかゆう子とか出てきそうな気がして…)

  • 171110

  • 波十ちゃんはかわいい。
    大竹は離婚できてよかった。
    皆んなそれぞれ何かが欠けていて、何かで満たされていて、何かを求めて寂しさを感じる。

    江國さんの本を読んでいると、少し寂しくなるけど、どこか満たされた気になる。
    江國さんの本を読めて幸せだ。

  • 資産家の息子として自分の時間をゆっくり味わいながら、贅沢という名の退屈を生きている主人公。
    通り過ぎていく人々の生きざまは、彼にとってただの光景でしかないのだろう。
    彼は少し心を揺らされながら、でも安全なところからそれを眺めている。
    こどものように純真で、老人のように枯れた心で。

    友人である大竹の壊れ方が物語に絶妙な影を落としている。

  •  読書依存で、資産家のぼんぼんで、イケメンでおしゃれで、50歳なのに女にモテモテの主人公稔は、江國ワールドならではの登場人物で、十分アリだと思う。
     しかし、これは、江國さんの話としては正直ハズレの気がします。登場人物の書き分けがあまりできていない感じがしたのと、二つの劇中劇、北欧ミステリーとイタリアの官能小説(?)がどうにも魅力的ではない。
     姉の雀さん(彼女をもっと突っ込んで書いてほしかった)と、子どもを描くと抜群にうまい江國さんらしく、少女波十(はと)ちゃんはなかなかよかった。
     それでも、江國さんの本は最後まで夢中で読まされてしまう。きっとそこには、彼女にしか描けないパラレルワールド、そこはかとない狂気が充満する世界観が、すでにがっちりと構築されているからだと思うのですが。

  • 江國さんが描く日常が好きだ。ただ長ったらしく情景を描くのではなく比喩や人の仕草などを描いていて読んでるこちらの想像を膨らまさせてくれる文章がとても好きだ。
    夏だからという理由でこの本を手に取った。
    色々な家族の形、その中でズレがあったりそれがだんだん膨らんで爆発したり、切ないけれどあるけどそこが良くって面白い。
    稔さんのズレてる感じ、どこか自分勝手なところが少しイラっとすることもあったけど笑
    現実でもこういうズレや関わりがあるんだと思う。でもそのズレや関わりをめんどくさがらずに面白がることでもっと人生が豊かになるのかなぁ。

    個人的に波十ちゃんのこれからが気になるな。雀さんのように自由に羽ばたいてほしい。

  • 本。物語。

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なかなか暮れない夏の夕暮れの作品紹介

本ばかり読んでいる稔、姉の雀、元恋人の渚、娘の波十、友だちの大竹と淳子…。切実で愛しい小さな冒険の日々と頁をめくる官能を描き切る、待望の長篇小説。

なかなか暮れない夏の夕暮れはこんな本です

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