なかなか暮れない夏の夕暮れ

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.40
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本棚登録 : 1037
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413008

感想・レビュー・書評

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  • 20180301読了

  • 2018.02.22.読了

    これまた久しぶりの江國香織さん。
    江國香織節 炸裂ですね。
    好きよ。

    渚は本ばかり読んでいる稔はそばにいてもいないようにしか感じられなかったが、
    くだらないテレビを一日中見ている藤田くんに対しては、
    今何を見ているかわかるし、一緒に見ることもできる。
    共有していると感じられるから、この方がいいと感じてる。
    信じられない。
    私は稔と一緒に本を読んでいたい。
    渚は本を読まないから、そんなバカなことを感じるのだ。
    と、読んでいる最中 腹立たしく思ってしまった。
    私の気持ちは波十ならわかってくれるはずだ。

    普通を選んだ渚は、後悔しないのだろうか。

    大竹と離婚したがったヤミの気持ちはよくわかる。
    大竹の行動を、よく耐えられるものだと感心していたが、やはり気持ち悪いと感じていたのだと安心してしまった。

    この小説も いつも通り気だるさが漂い、
    いつも通りバブルの香りかする。

  • 2018.1.26
    稔、雀、大竹、波十、淳子、渚、茜、由麻。本に入り込むと現実に戻ったときに一瞬?てなる感覚、よくわかる。大きな事件は起きない、登場人物のそれぞれの日常が静かに進んで行く。
    ふつう、なんてきっとないのだろうけど人は無意識のうちにそれを求め自分と比較してしまう。渚の、夫婦とか日常生活に対する感じ方が、なんとなくリアルに思えた。

  • 苦手かもしれない

  • 主人公が読んでる本の文章が、文中に入ってくるという、新鮮な内容だった。

    この、本の世界から現実に出てくる感じ、現実に戻っても半分本の中の世界に足を突っ込んでる感じ。ものすごくわかる。なるなる、と、思う。

    本の中は本の中で激しくいろいろあって、現実は現実で淡々としてる日々のようであれこれあって、そう、人生の一部分ってこんなふうだよなぁ。
    特に大きななにか出来事があるわけでもないけど、おもしろかった。

  • 江國さんの本の好きなところは
    根っからの悪人が出てこないところ。
    でも本人が気付いていないだけで「無意識に」人を傷つけたりイライラさせたりしている人が出てくるのがこれまたリアルで好き(笑)
    こういう人いるよなぁ~って思いながら読める。

    主人公(?)の稔が読書をしていて
    その本の内容が時々出てくるので
    2つも3つも同時に話を読んでいる気分になる!
    それもまたちょっと面白かった。

    好きな登場人物は雀。
    幸せになってほしいのは大竹かなー(笑)

  • 稔は働いていないようだ。富裕層の人達は世の中に対する考え方感じ方が違う。こんな風に日々を過ごしているんだろうか。こんな感じ方、対処の仕方をするんだろうか。稔が読んでいる本の内容に引き込まれた。どちらも結末がよく分からなくて気になる。

  • 171110

  • 波十ちゃんはかわいい。
    大竹は離婚できてよかった。
    皆んなそれぞれ何かが欠けていて、何かで満たされていて、何かを求めて寂しさを感じる。

    江國さんの本を読んでいると、少し寂しくなるけど、どこか満たされた気になる。
    江國さんの本を読めて幸せだ。

  • 資産家の息子として自分の時間をゆっくり味わいながら、贅沢という名の退屈を生きている主人公。
    通り過ぎていく人々の生きざまは、彼にとってただの光景でしかないのだろう。
    彼は少し心を揺らされながら、でも安全なところからそれを眺めている。
    こどものように純真で、老人のように枯れた心で。

    友人である大竹の壊れ方が物語に絶妙な影を落としている。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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