狼は瞑らない (ハルキ文庫 ひ 5-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 179
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758430784

感想・レビュー・書評

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  • 雪山で繰り広げられる死闘には、書を置く能わずの感。
    「興奮、興奮、また興奮」との賞賛も頷ける迫力。
    かつてSPとして政治家を警護していた時に負傷し一線を退き、今は遭難者を救助する山岳警備隊の一員の佐伯。
    警察と政界の闇の証拠を握っている彼を、警察庁直属の”殺し屋”が襲う。佐伯の属する警備隊の中にも彼を狙う警察庁のスパイが。
    誰がスパイなのかのミステリーも。
    超弩級の台風という自然の猛威の中で、人間の悪意の象徴ともいうべき殺し屋たちと、佐伯および警備隊たちとの凄惨を極めるサバイバル。
    一方で、人を助け、その感動を仲間とともにすることにより、己の愚かさに目覚め改悛する隊員も。
    エンタメの醍醐味を満喫できる傑作。

  • 盛り上げ上手!

  • 決して女には立ち入れない男達の世界。
    警視庁警備部に在籍しSPとして、エリート警察官だった佐伯。

    その佐伯が、なぜ山岳警備隊に??

    キャリアを捨て山岳地帯で遭難者を助ける佐伯が
    次から次へと命を狙われ羽目に・・・。

    雪山で繰り広げられる死闘。
    仲間の死。
    しつこい程、追いかけてくる奴等。

    山の厳しさ、過酷さの中の
    男達の闘いが、とにかく熱い!!

    山で命を落とす人の死に方が、詳細に書かれていて
    全く知らなかったので唖然とした。

    佐伯の寡黙な生き方と、そんな佐伯を見守る仲間達の
    熱い絆が、泣ける!!

    登山や山の厳しさが丁寧に書かれていて
    その丁寧さが、丁寧過ぎずに読みやすく
    私事が言うのは何ですが(笑)
    凄く物語りの強弱??が上手かったです。


    山岳メンバー、一人一人も魅力的で
    とても楽しめた作品。
    臨場感たっぷりでいて、ハラハラドキドキもあり
    そして、泣ける場面もあり。
    何と言っても山の厳しさの中
    男達が命を掛けて人命救助に向かうのが
    格好良すぎます。

  • 正直に登山ついてある程度知識があれば、かなり面白かったと思う。
    しかしながらストーリーも面白いけど結果はよめた(それが面白いのですが)!

    山の知識は全くの無知でしたので、興味にそそられる!!
    のですが、なんとなく現実離れ&専門用語で苦労しました。
    山の表裏一体というの言葉があっているかわからないけど、そこに立てば恐らく山の自然に魅了されるのが読書後の感想笑

    政治と警察。田中角栄の本を読んだ後だと、ここまで無いにしても…怖い話でる。以前の仕事で有名な政治家の公演の仕事に就いた時に、SPの方と打ち合わせをした事がある….その人は、顔に最近できたようなアザが左顔面にあったのを思い出します…

  • 正統派冒険小説
    山岳冒険小説の傑作。
    ハラハラ、ドキドキ。
    無骨な男の生き様を周囲の個性豊かな男たちが際立たせる。

    面白かった!

  • 著者が樋口さんで「狼は瞑らない」という題名から、狼と自然保護にまつわるものだと思って開いたけれど、話は山岳サスペンス・・・。そうだった、樋口さんは山岳ものもお得意なんだった。(^_^;) 所々にスーパーマン的描写もあるけれど、樋口さんが描く自然描写には、毎回自分自身がその場に居合わせているかのような気にさせられる。今回も稲光で周囲が青白く発光する暴風雨の中、主人公の背中を追っていた。最後まで、ハラハラドキドキが止まない作品でした。(o^^o)

  • この作者の山岳小説を、最近読みあさっているが、どれも引き込まれる。
    本作は、複雑な過去を持つ男達の、心の奥の暗く重たいものが山で生きることによって浄化されているようで感情移入できた。
    (文庫ではなくハードカバーにて)

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警備課に在籍し、SPとして、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。いまは一線を退き、北アルプスと立山連峰に挟まれた広大な山岳地帯で遭難者を救助する、山岳警備隊の隊員である。その佐伯を狙う謎の暗殺者集団。彼らは、警察と政界の闇を知りすぎた佐伯を消すために送り込まれた“掃除屋”だった。

  • 2017/11/27 Amazonより届く。
    2018/1/15〜1/21

    南アルプス山岳救助隊K9シリーズで知った、樋口さんの初期山岳冒険小説。
    途中までは少し間怠っこしい感じもしたが、中盤以降は息をも継がせぬ展開。なんと言っても、主人公の佐伯鷹志のキャラが良いし、山の描写も素晴らしい。最後の始末がどうなったのかが書かれていないのが少し残念ではあるが、大満足の一冊。

  • ストーリーが冗長で、話が進まない。
    後半は一気読み。

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著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。山岳救助犬の活躍を描く「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの他、『狼は瞑らない』『光の山脈』『酔いどれ犬』『還らざる聖地』、エッセイ『北岳山小屋物語』『田舎暮らし毒本』などの著作がある。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2022年 『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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