二重標的: 東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫 こ 3-17)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758432252

感想・レビュー・書評

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  • 11年ぶりの再読。
    初読の時の感想は、イマイチだったように思う。
    しかし今回は直前に、班員のそれぞれの活躍を描いた『神南署安積班』を読んでいたので、各メンバーの性格・特徴が、より分かり、興味深く読むことができた。
    二つの殺人事件の隠された謎を巡り、捜査方針を異にする本庁の捜査員を安積たち。本庁と所轄の対立、所轄同士の縄張り争い等々、警察の現状をリアルに描いている。
    しかしながら、このシリーズの眼目は、安積警部補と彼を取り巻く班員たちとの人間関係だろう。
    解説では、”人間讃歌の物語”と、称している。
    安積の離婚した妻や娘との関係も、この先どうなるのか。
    このシリーズ、続けて読んでみたくなる。

  • <祖>
    お決まり通り僕は先に解説から読む。なかなか分かり易くて良い解説だなと思った。ががが,かなりの部分が本文のっけ辺りページからの単なる ”写し書き” だと知れて,こりゃ手抜き解説なり,と思い正す。普通は ”本文から引く” と一言ことわるのではなかろうか。片手間やっつけ仕事が露呈している。解説執筆者名は書かないが,まあ当時は出版業界も忙しく売り手市場でこういうのも許容範囲内だったのだろう。

    そういう解説でも役にたった事が一つだけあった。それは本書のホントのオリジナルは1988年に書かれた,ということ。だが,どんな版型/題名でどこから出版されたのかはよく分からない。その後最初の文庫化(ケイブンシャ版)を経て本書(角川文庫)となっている。ちょっと面白いのは最初の文庫化とほぼ同じ時期に,違う題名『虚構の殺人者/標的』でやはり文庫本が出版されている事。何故こんな妙な事になっていて,これらの何が同じでどこが違うのかよく分からない。今野敏之介殿のコアなファンならこの辺りの事情もご存じでしょうか? 僕も興味津々です。是非教えてくださいませ。

    あ,今回はマジ読書感想では無かった。 が,一言だけ書き添えます。本作はとても面白い一品です。その後の ”隠蔽捜査” へ繋がってゆく作者の資質があふれ出ていると思いました。あ,高言,すまぬ。

  • ふたつの事件がどこでつながっているのか?
    ぜんぜんわからなかったのに、何か引っかかる…で、接点を見つけ出す!お見事です。
    安積さんはいろいろ考えたり 落ち込んだりするけど わりと前向きなキャラクターなので好きです。シリーズでいっぱいあるので 楽しみです。(*^^*)

  • ここのところ今野敏作品にはまっており、新たなシリーズに触手を伸ばしたのがこちら、安積班シリーズの第一期である東京ベイエリア分署シリーズ。

    主人公の安積は隠蔽捜査の竜崎とは違ったタイプの人物で、部下の顔色やどう思われているかをしきりに気にするタイプのよう。安積自身が所属する臨海署の管轄がほかの所轄と重複し、日々発生する事件においてもいわゆる”助っ人”として関わることになる、という立ち位置ともなんとなく相性がいいような気がします。

    係長という現場に近い立場であるからでしょうか、安積を含めた刑事課の面々がそれぞれの持ち味を発揮して事件の解決にあたるのがこのシリーズの特徴なのですかね、ものすごく秀でた人物がいるわけではなく、普通の刑事が奮闘する、それも”助っ人”として関わるがゆえ、手柄はほかの所轄に持っていかれてしまうというジレンマがあるのもこのシリーズならでは、なのでしょうね。

    個人的には須田がいい味を出しているなと感じます。映像化するならドランクドラゴンの塚地が適任ではないかと思います(と思って、いま調べたら、すでにドラマ化されているではありませんか! そして配役もまさにその通り!)。

  • ベイエリア分署と青島刑事のいる湾岸署とはどっちが先なんだろう??(・・って作者違うし!?ww) ちょっとしたひっかかりを口にして部下から答えをもらったり、娘の誕生日会のことが気にかかったり。。 隠蔽捜査の竜崎さんとは正反対(?)な人間味あふれる安積さん。でも同じように部下の信頼を得ていくいい上司。 シリーズは随分先まで出てるようですが楽しみです♪♪ ポルシェをおさえるスープラ隊の速水隊長もナイスだわぁ~♡

  • ずいぶん昔の作品なので、テレクラとか正直私もイメージが湧かない。若ぶるつもりじゃなくて、ブームだった頃にそのメインの年代ではなかったから。それでも、ドラマで観ていたおかげか、車や小物等に年代を感じつつもさらさら読めました。安積さんの心理描写が細かくて、繊細な人なんだなぁ、と改めて。須田さんがはもう、完全にドラドラの塚地さん♪ミスだろう、と思う事も多いのですが、素晴らしいキャスティング。どちらも身勝手な理由で殺されてしまったけれど、痴情のもつれが無くならない理由を力説した須田さんの言葉に大きく納得しました。

  • 安住班シリーズの最初の本。
    この作家さんの本は働く中年の心情を上手に描写していて面白い。
    たわいない刑事同士の細かい言葉のやりとりにも安住係長の気持ちを描写している部分に同感する。
    主人公の中間管理職の辛い立場に共感しながら読むので、ストーリーにも入りやすく楽しく読める。
    内容も警察小説だが分かりやすく、ハッピーエンドのため読みやすい。
    ただ、この作家さんのファンは私のような中年だけではないかと考えてしまう。

  • シリーズ第1作。こんなこともってとこまで心理描写しているのが良い。頑固だけどユーモアのある主人公は良し。

  • ハンチョウシリーズを初めて読みました。割と面白い。

  • マズマズ…かな
    相変わらずテンポ良く読みやすい感じ

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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