新宿歌舞伎町駆けこみ寺: 解決できへんもんはない (ハルキ文庫 け 1-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758432344

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  • 今、新宿の歌舞伎町の『駆け込み寺』でボランティア活動に邁進する玄秀盛氏がその半生を赤裸々に綴った自叙伝です。壮絶な人生と、病気を機にすべてを棄てて 新しい人生に挑む彼の姿に衝撃を覚えました。

    新宿・歌舞伎町。僕はこの街のことを何回もブログのほうでも今までに幾度となく書いておりますが、この本を読んで改めてそう思うことがあるのです。それは、歌舞伎町という街には、魔物が棲んでいる、と。この本は地元に帰ってきたころ、正直タイトルに『歌舞伎町』と書かれてあるから手に取っただけだったのですが、何回読んでも、この本のことをうまく伝えられる自信はありません。

    著者の玄秀盛氏は大阪の西成で在日韓国人として生を受け、『四人の父』と『四人の母』のところをたらいまわしにされ、中学を卒業していくつもの職業を転々とした後に、建設や不動産、サラ金など、いくつもの事業を興したのだそうです。彼の『商法』がこの本で詳細に書かれていますが、あまりにエグ過ぎるのでここでは書けません。

    しかし、そんな彼に転機が訪れたのは平成12年の夏、発症すれば一年以内に死ぬといわれる急性白血病のウイルスの一種の保菌者であると判明したことでございました。そして、彼がたどり着いたのは『不夜城』の異名を持つ東洋一の歓楽街、新宿・歌舞伎町でございました。そこで彼は関西にいたころに真言宗大阿闍梨権大僧正。酒井雄哉氏のところで得度していたので『新宿救護センター』としての駆け込み寺というボランティア活動という名の修羅の日々に身を投じて行くという内容です。

    もう詳しいことは本を読んでくれ、としかいえません。壮絶な人生です。そして、このつたない記事をいつも読んでくれる読者の中でもし歌舞伎町の『住人』がいて、何らかのトラブルを抱えている場合には、一度、玄氏のもとを訪ねてはいかがでしょうか。あとでおいおい紹介していきますが、僕は玄秀盛氏の本を全部読みました。どれも壮絶です。蛇足かとは思いますが、彼の活動を全面的にバックアップしている有名人の中にはEXILEのATSUSHIがいるそうです。

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著者プロフィール

1956年大阪西成で在日韓国人として生まれる。父親の愛人宅を転々として育つ。闇金融などの裏の社会で生きてきたが、1990年に天台宗の大阿闍梨酒井雄哉師と出会い得度。2000年、白血病ウイルス保菌者と判明。人生を180度転換し、世のため人のために生きることを決意。「13年したらワシに報告しに来い」という酒井師との約束を果たすため活動に尊心。2002年、新宿駆け込み寺を設立し、以来、2万人以上の人々の悩みの救済を行ってきた。しかし、弟子の報告を受ける前に酒井師は逝去。

「2019年 『大阿闍梨 酒井雄哉の遺言 師弟珍問答』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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