銀の犬 (ハルキ文庫)

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著者 : 光原百合
  • 角川春樹事務所 (2008年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433419

銀の犬 (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

  • ケルト神話をモチーフに、幻想的で美しい文章で紡がれる、切なく哀しい五つの恋。
    声を失った美貌の「祓いの楽人」の青年オシアンと、相棒の少年ブラン。
    終わってしまった哀しい恋に、行き場を失いさ迷う魂に、二人が竪琴と言葉で救っていきます。

    水底に差す一筋の光のような、優しくて澄んでいて、そして温かい物語でした。

  • 人々に降りかかる災厄を打ち払う「祓いの楽人」オシアンーその名は人間離れした音楽の才を妖精の女王ニアヴに愛され、妖精のあいだにのみ伝わる数々の歌を全て授けられたとされる伝説の祓いの楽人と同じ。
    オシアンは相棒のブランとともに世界中を旅し、この世に未練を残し留まる魂や悪鬼たちを、彼の竪琴が奏でる調べで救っていく……
    ケルト民話と著者の独特の世界観が作り上げる、節約家悲しいファンタジーミステリー。連作5話収録。


    童話とか昔話のようでした-
    めでたしめでたし…なんだけど、少し淋しさの残るお話たち。
    言うべきことは言わないといけない、っていうのが多いのかな-
    "しなくて後悔"より"して後悔"のほうが残らないんだろうな-

    第1話 声なき楽人
    迷える竪琴つかい。
    ちょっと被害者がのんびりやすぎて、加害者の心情のほうが分かりやすいかも…

    第2話 恋を歌うもの
    傍迷惑な恋人たち。
    DDS好きな私には慣れ親しんだ妖たちだ-
    娘の父が呪い師でなければ異種婚姻譚になったのかな-寿命の差での別れがあったとして。

    第3話 水底の街
    蜃気楼。
    取り返しのつかない、やり直せない過去を繰り返し繰り返し体感するなんて、悪夢。

    第4話 銀の犬
    猫かわいい-
    フードに入ってるのがまたかわいい-
    愉快な旅仲間?商売敵登場!

    第5話 三つの星
    家柄しかない少女と家柄だけが足りない少年。
    トライアングル、3人の関係って難しい…同性の友達でも3人だとビミョーにひとり疎外感あったりするしね-
    恩義ある関係、異性混合だともう…
    もっと気安い関係だったらね。

  • 人々に降りかかる災厄を打ち払う「祓いの楽人」オシアン。
    その名は伝説の祓いの楽人と同じであり、その人間離れした音楽の才を妖精の女王ニアヴに愛され、妖精のあいだにしか伝わらないはずの数々の歌を全て口伝えに授けられたとされる人物だった。
    オシアンは、相棒のブランとともに世界中を旅し、この世に未練を残した魂や悪鬼、「愛を歌うもの(ガンコナー)」たちを、彼の竪琴が奏でる調べで救っていく…。
    ケルト民話と著者の独特の世界観が作り上げる、切なく、悲しいファンタジーミステリー。

  • あれれ、光原さんってミステリ作家じゃなかったんだっけ…?という思い込みを鮮やかに覆す、ファンタジー作品。しかしながら舞台は異なれど、悠久の時の流れと人間の優しさ儚さを痛いほどに感じさせる光原ワールドは健在であるように思います。なんだか悔しいけど、ファンタジーが似合う作家さんです。

    異世界に身を委ねる心地よさを、じわじわと実感させてくれる秀作。物語のベースとなったケルト民話に通じていれば楽しさ倍増でしょう。

    哀しいほどにお子ちゃまな、ガンコナーの挿話がとりわけ印象深かったです。

  • 最初「銀の犬」ということで犬の話かと思っていたらがっつりファンタジーでした。さまよいその場に囚われた霊を行くべき場所へ導く「祓いの楽人」のお話。どのお話もボタンの掛け違いの哀しい恋の話で、ケルト風ということですが懐かしくも安心して読める物語でした。いつか、オシアンがしゃべれなくなった理由や相棒ブランとの出会いも描かれるのかな?妖精の話がベタだけど好きでした。

  • 『楽人(バルド)のオシアンは、人並みはずれた音楽の才と美貌の持ち主であった。妖精の女王ニアヴはこれを深く愛し、わが領土である常若の国に連れ帰った。
    (中略)だがオシアンは思わぬ弾みから禁を破ってしまい、二度と妖精の国に戻ることも、ニアヴに会うこともかなわなかったという』

    現世と常世の隔てがゆらぐ夏至が迫る晩、ヒースの生い茂る荒野にひとり佇む旅の娘。
    彼女は前年の秋、そこで殺された彼女の恋人の霊が悪鬼となって行きあわせた者を襲っているという噂を確かめるためにやってきた。
    果たして霊は現れる。しかし楽人であった恋人の霊が奏でる楽の音は、彼女の体を引き裂こうとした――。
    彼女を助けたのは、この世に想いを残して死んでしまった魂を音楽によって解き放つため旅をする、祓いの楽人オシアンとその相棒を自称する少年ブラン。
    彼らは荒野へと赴き、楽人の霊の正体と事件の真相を知るために竪琴を爪弾く。
    彼は、人は、なぜ死してなおも想い続けるのだろうか……。

    この世に想いを残し、嫉妬や憎しみ、悲しみ、後悔に捕らわれて救われることのない魂と、いまはもう確かめる術のない昔日の愛や真意に惑う残された人々の心を解き放つ、声なき楽人オシアンの奏でる旋律に彩られた5つの連作。ケルト民族に伝わる民話をモチーフに描かれたファンタジー。

  • 音楽で物事のことわりを操る「祓いの楽人」オシアンが、相棒ブランとともに悲しい事件の謎を解く、ケルト民話をモチーフとしたファンタジック・ミステリ。物語は勿論のこと、とにかくもう文章が素敵。言葉の選び方もリズムも全てが心地よく、するすると頭に入り込んできて、情景をとても自然に脳裏に浮かび上がらせてくれる。

  • ケルト神話をもとにしているようなので、なんとなく親しみやすい神話っぽいお話。解説もありーのファンタジーって感じ。

    切ない中にも救いがあって、その中で生きていく人々がいる。綺麗な話だなあ。

    オシアン=本物のオシアン なのか?気になる―。続編に期待。

  • 面白かった。さらっと読めた。竹河聖さんの「風の大陸」をなんとなく思い出した。

  • 迷える魂を竪琴と歌で開放する祓いの楽人(バルド)
    伝説の楽人と同じ名を持つオシアン。
    けれどオシアンには楽人の要である声がない。
    そのかわり、やんちゃな少年ブランが常に傍らにいる。
    この二人が迷える魂を救うため世界中を旅するお話です。
    途中から獣使いのヒューと相棒の黒猫トリーが加わります。

    ちょっとした「思い」が届かなかったりすれ違った結果、
    捻れた思いは悲劇をまねき、行くべき道を見失い囚われる。
    その魂の救済の仕方がまたいいのですよぉ~
    続編が出たら読むぞ!
    ゴーストハントと薬屋探偵を連想してしまいました。

  • 主要登場人物:オシアン(声のない祓いの楽人)、ブラン(オシアンの相棒)、ヒュー(ジョーの弟で獣使い)、黒猫トリヤムーア(ヒューの相棒)

    「声なき楽人」フィル(天才的楽人)とロード(残された恋人)、リードレ(フィルへの憎しみに取りつかれた讃えの楽人)
    「恋を歌うもの」イシル(愛を知らないガンコナー)とローズマリー(呪い師を父にもつ娘)
    「水底の街」ロディとアーニャ(今は亡き恋人)
    「銀の犬」ジョー(リネットを愛し決死の旅に出た獣使い)、リネット(いいなずけのあるお嬢様)、ブリジット(善良だが嫉妬に悩むリネットの姉のような存在)
    「三つの星」王トゥアルとフィン(王の一の騎士)とディアドラ王妃

    キャラクターも話もよく出来ている。各話の初々しく一途で不器用な恋人たちが愛おしい。あとがきで続編への意欲が語られるが、未刊で待ち遠しい。続編ではオシアンやブランの過去が明らかになるはず。
    吉田愛里の神秘的な装画がよく似合う。
    浅田弘幸の絵で漫画化できそうだ。

    初読時は「恋を歌うもの」にいたく感動したが、今回は「声なき楽人」「三つの星」がお気に入り。主要キャラ総出演の表題作は、終始おしとやかなリネットがあまり好きになれず。
    女性キャラとしては、強さと弱さ、美と醜を併せもつローズマリーが魅力的。読者人気はヒューが高いそうだが、自分はオシアンが好き。

    「水底の街」の夢を見せる街イースは、山尾悠子『歪み真珠』中「娼婦たち、人形でいっぱいの海」の夢幻の街を連想させた。

  • きれいだな、というのが一番の印象。
    すごく読みやすい。

  • もう2年くらい積ん読だった本。読んでいる間とても素敵な時間が過ごせたので読んで良かった。異国の、それも時代もなにも違う世界が舞台の物語なのに、情景を思い浮かべやすい。オシアンやブラン、途中から加わるヒューとトリー等、キャラクターもとても魅力的で、これから先の物語も気になる、続きが読みたいと切に願う。作者が好きな「指輪物語」を代表するファンタジー系はもちろん、「守り人」シリーズ等が好きな人にもオススメ。

  • 全体的にしっとりとしたお話。結構謎が残されたままなのですが、そこがまたミステリアスでなんともいい雰囲気です。
    ケルトの神話がモチーフになっていて、知っている人はああこれか!と思うと別の方面からでも楽しいです。
    ただ、この本はどちらかというと雰囲気を楽しむものであると思うので、あまり人物は目立たないです。

  • ケルト民話と著者の独特の世界観が作り上げる、切なく、悲しいファンタジーミステリー。


    の一文に惹かれ購入。

    日本推理作家協会賞を受賞されているから期待大だったのですが・・・・・・どの辺りがミステリ???

    ちょっと肩透かしを喰らった私です。


    あ、作品自体は上質なファンタジーですので、オススメしますぞな。

  • 装丁とタイトル、両方に惹かれて購入。
    本当に綺麗な表紙で、眺めているだけでも楽しめます。
    解説にもありましたが、読みながら竪琴の音色が聞こえてくるようでした。
    続編早く読みたい。

  • ケルト民話をベースにしたお伽話のような短編集。
    お気に入りは第2話「恋を歌うもの」。
    主役(?)のガンコナーがケルピーとラナン・シーの間の子ということで、思わず『伯爵と妖精』のケルピーを思い出し、より話に入り込み易かったのかも。
    1話目の「声なき楽人」も割と面白かったが、全体的に優しく、そして切ない1冊だった。

  • 一話完結の大変読みやすい小説です。

  • 2008年6月19日読了

  • 星がひとつなのは、まだ読んでいないから(苦笑)です。
    読み終わったら数が変わっていると思います。

  • ファンタジー。切ない恋の話を集めた短編連作集。というのかな。
    ひとつひとつの話はとても素敵だと思うのですが、
    同じ形の話が続くので、結末が違うものとかを取り混ぜて入れて欲しかったな。と思いました。

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