彼女の命日 (ハルキ文庫)

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著者 : 新津きよみ
  • 角川春樹事務所 (2008年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433754

彼女の命日 (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 家族を守るしっかり者の女性。自分が殺されてしまい犯人は捕まらず、婚約者や家族のその後が気になる思いで、他人の身体を使って命日にだけこの世に戻ることができる。
    家族や友人、恋人の本音やその後に傷ついたり悩みながらも生きている人間へのエールに変わっていく心情の描写に注目。

    お話の設定はなかなか面白くて良かったのだけど、それぞれのストーリーが浅いままになっちゃったのが惜しい感じがした。

  • 通り魔によって殺害された楠木葉子が、毎年命日に生きている人の身体を一日借りて、自分の死後の世界を確認するっていうサスペンスちっくなストーリー。

    設定が面白くて、読みやすかったけど、ちょっと期待とは違った展開。

    私達が生きている1日の大切さを直接的に語りかけるのではなく、自分がいないとダメだと思っていた世界が、いなければいないでなんとかなる、っていう切ない感じ。
    でも、だからこそ自分がどう生きた いかを改めて考えさせられる。
    終わりかたが、モヤっとしたけど、これはこれでいいのかもしれない。

  • 通り魔に殺された主人公が自分の命日に他人の身体を借りて1日だけ戻ってくる話。
    最初は自分が死んだ後、家族や婚約者がどうしているかを確認する。しかし、借りていた身体が妊婦でさらに不正出血してしまったことで翌年蘇った時に無事出産できたか気になってしまう。母子ともに無事だったものの、空白の1日に悩まされ躁鬱になってしまったことがわかり、生きている1日がどんなに重いか、を実感する。
    ということが主題らしい。
    あんまり感じることもなく、ただ物語として普通に読めるという感じ。

  • 死者も成長する。
    なんだか葉子も夏美も私に似てるところがあった気がする。
    精一杯生きることを楽しまないといけないなと思いました。

  • 通り魔殺人により殺された主人公が、
    命日に限り他人の身体を借りて蘇る。
    借りた身体の持ち主たちは、
    年齢もバラバラで何の接点もない。
    それぞれ訳ありな事情を持っているが、
    どれも私の気持ちには響かなかった。
    犯人を探すわけでもなく、
    残された家族の様子見のための蘇り?

  • 通り魔に殺された主人公・楠木葉子。命日のたびに1日だけ、誰かの身体に憑依して現世に帰って来る。彼女が身体を借りるのは、妊娠中の女性や霊感の強い少女など、決まってちょっとわけありで、精神状態が不安定な女性。無断で行動する上に宿主の記憶は1日飛んでしまうため、1年後(と言っても、死んだ彼女にとってはすぐという感覚)に別の人に憑依した時は、前回憑依時の人物の安否確認から始まる。
    憑依の条件や、その間の行動、自分なきあとの家族の様子を見ての感情の揺れ動きが妙にリアルで面白い。葉子の妹・夏美が実に嫌な女で、葉子の無念さに思わず共感してしまう。ラスト、山手線の内回りに乗ってまどろむ夏美は2人目を妊娠していて、憑依の条件と合っている。含みのある終わらせ方が怖い。

  • 彼女の命日に誰かの体によみがえってくる、ファンタジックな世界。でも、もしかしてこういうことって実際あったりして!?山手線で寝るのはやめようと思った。

  • 通り魔に殺害された主人公が、命日になると年に1日だけ知らない人の体を借りて生き返えることができるという話

  • 自分の命日に他人の体を借りてこの世に戻ってくる女性の話。
    彼女は強盗に突然襲われて命を落とした葉子。
    彼女は父親が亡き後、一家の大黒柱として働き、頼りない妹と母親の生活を支えてきた。
    そして、理想の男性と出会い、結婚する直前に強盗に襲われて殺された。

    そんな葉子は1年後、妊婦の女性の姿を借りてこの世にかえってきた。
    そして、彼女の姿で訪れた実家で自分の遺影を見、彼女がこの世にいない1年の間に何が起きたのかを知る事となる。
    その後も葉子は自分の命日になると、誰かの姿を借りてこの世にかえってくる。
    2年後は女子中学生。
    3年後は身元不明の女性。
    4年後はある事情を抱えた自殺願望のある女性。
    そして、5年目は-。

    最初の1年後という話と、その次の2年後の話は面白いと思いました。
    自分がいない間に家族や周囲の人間がどのように変わったのか、そして自分の事をどんな風に思っているのかが見えてきて・・・。
    特に、頼りない妹の姉に対する本音が見えてくる部分が面白かった。
    そこだけ掘り下げていってもいい話だと思いましたが、話が後半にいく事に視点が拡散されたような・・・わざわざ安易にサスペンス調にもっていったような感じがして尻すぼみ感がありました。

    この話から見えてくるのは、自分がいなくなっても世界は悲しいくらいに普通に回っていくという事。
    はっきりと、こういう理由でいなくなったと分かるものならば皆どこかで心の区切りをつけて、喪失感をもちつつも自分たちの生活を築いていく。
    自分の居場所というものを失くすというのはこういう事なんだ・・・と思いました。

    それに比べて、主人公に一日姿を借りられた人々はその間、記憶を失い、そのたった一日の事でその後の生活が大きく変わってしまう。
    主人公は自分の意志でこの世にかえってくる訳でもなし、相手を選んでいる訳でもないので彼女のせいじゃないですが、でも、人の体を乗っ取るっていうのは罪な事だな・・・とこれを見て思いました。

  • うーん。残された家族・恋人・犯人。それ、確かに気になると思う。
    でもなぁ。でもなぁ。と思いながら最後まで読んだ。

    最後まで読む面白さはあるんだけど、でもずーっと「でもなあ」と思いながら読んでた。
    借りた身体、その身体の主の人生に空白の一日が出来る事への、なんだろう、責任感?

    翌年の一日は、前年の一日の穴埋めで時間が費える。命日のたびに戻ってくる意味がどんどん違ってこない?って。

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