あまんきみこ童話集 (ハルキ文庫)

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  • 角川春樹事務所 (2009年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433976

あまんきみこ童話集 (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 懐かしく切ない物語から、不気味で恐怖する物語まで、子供の目線そのままに、あたたかくファンタジックに書かれている童話集。

    語りの文体が印象的。音読した時ならではの文体がよく使われており、「読み聞かせる」という、物語の古来の原本を思い出させる。

  • 母を亡くしながら健気に生きる少女キクの、“いま”という時をめぐる温かな物語「北風をみた子」をはじめ、子どもの意識に自然と入り込んでくる不思議な時空との出会いを描いた「海うさぎのきた日」「さよならのうた」など、東洋的ファンタジー全12篇を厳選。
    光を放つ透明な文章で綴られた名作アンソロジー。

  • 広い国道をよこぎると、緑の草のはえた高い土手よ。その土手をのぼると、目の下に遠くまで海がひろがっている。
    しお風。海のにおい。青いなあ。
    空も青い、海も青い。そのあいだをわけている水平線まで青い。
    「こんにちは」
    わたし、海にあいさつしてしまった。
    それから、しんこきゅうを三回して、坂道をおりていった。

    『海うさぎのきた日』

  • ふっと小学校の教科書に名前があったのを思い出して。
    踊りだしそうな楽しさ、鼻の奥がツンとする悲しさ、ぎゅっとしめつけられるような夕方の寂しさ、言葉にしてしまえばなんてことはない、心に浮かぶたくさんの感情。こうした気持ちを言葉でぎっしり説明し尽くしているわけではないのに、どういうわけかふっと気持ちがこぼれ落ちていって、同じ空を見上げていた幼い、見えるものを見えるものとして見つめていた、自分が変わらず在てくれることに気づく。
    言葉で説明することは簡単だが、それは形のないものを分断し一面的にそれを存在させているように見せかけるにすぎない。大事なことは見えない。直感で教えてくれる心の声は初めから共にあった。

  • じわりと泣いてしまいました。
    「車の色は空の色」のイメージが印象的でしたが、他にもこんなに素敵な物語があったのですね。
    両親と同じ世代のあまんさんですが、ずっとずっと残る物語だと思いました。

  •  「ばらでもなし、ゆきわり草でもなし…」 
     緑の林のそばで、小さなサヨが見つけた白い花。白く光り輝くその花の名前を知りたいと思ったサヨは、大好きなひいおばあちゃんに聞いてみようと思いつきます。(「くもんこ」ほか11篇)

     「白いぼうし」や「おにたのぼうし」でおなじみのあまんきみこさん。お話を聞く機会があり、お人柄に惹かれて、童話集を買い求めました(かわいらしいサインもいただきました)。
    (まだ自分に)久々の童話に感動するピュアな心が残っているだろうかと案じましたが、あまんワールドの余韻に包まれていたためか、すんなりと入っていけました。心が洗われるというのは、こんなことを言うのですね。自分の幼い頃や、我が子に読み聞かせしていた頃をなつかしく思い出しました。

  • 小学校の教科書でよく読みました、あまんさんの作品。子供にも分かる文章で言葉で表現しづらい感情をにおわせる、小説の原型と言ってもいいような作品の数々に、気がつくと読んでる間に百面相してました。透明でさらさら、穏やかで温かい。子供のころに読んでいてよかった。

  • ちょっとした暇つぶしに、手に取った。
    ぞっとさせられたり、懐かしさに苦しくなったり、そして大泣きしたり。
    感情を揺さぶられた。
    すばらしい。

  • 立ち読みした「ひゃっぴき」と「幸福のカーテン」にノックアウトされて買ってしまった。
    この本に出てくる「あした」とか「いま」とか、そういう時間に対する感覚の描きかたがとても素敵だと思う。あと、直喩もとても素敵で読んでて楽しい。そのクリエイティブさに感嘆する。

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