警官の紋章 (ハルキ文庫)

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著者 : 佐々木譲
  • 角川春樹事務所 (2010年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434751

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警官の紋章 (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

  •  笑う警官(「歌う警官」改題)に始まる道警シリーズも三作目となる。常に道警内部の黒い霧に立ち向かう正義派の警察官たちが、まるで不良職員のように片隅の部署に追いやられながらも、それぞれが信念で動き、真相を明るみに出しつつ、結果的に警察機構の浄化機能を果たしてしまう。そんな快作の背景を作り出しているものは、佐々木譲が常々描いてきた『黒頭巾血風録』、『駿女』などに代表される、巨大な権力構造としての悪に対し、戦いを挑んでゆく小さな正義の個たちの姿である。彼らの素顔、そして必ずしもすんなりとは勧善懲悪の解決法を見ない非情なリアリズムが見えるからこそ、佐々木譲の小説は現代的かつ、風土に根ざしたものがあるのだろう。

     北海道北見署の一人の警察官が、過去の事件の真相を聞いたことから、復讐の一途な思いで札幌に向かうことから、本書のダイナミックな疾走感はスタートする。一方で、サミット開催に向けて日本中の警察組織が道内に集結しつつある。2008年の世界的イベントを題材に、これまでの二作を引き継いだ道警の奥の暗闘に決着をつける展開が本書の読みどころである。

     二作目を超えたスケール感、緊迫感が漂うのは、洞爺湖サミットという日本中(北海道中?)を沸かせた独特の同期性ゆえだろう。少なくとも当時、洞爺湖近辺に車を走らせることの多かったぼくは、藪の中に潜んでいる沢山の制服警官の姿や、無線機から発される擦過音のようなノイズを車窓越しに見聞きしたこともあり、普段なら平穏極まりない北海道の大自然の只中に日本中から都道府県警が集合していることの異様な気配に神経がぴりぴりしたものだ。

     逃げた警官を追う者と、過去の二冊の犯罪の裏に潜む巨悪を追う者が、札幌でクロスする。さらに逃げた警官は、過去の事件の真相がトリガーとなった信念を持つ若者として好感が持てる。逃げた警官は銃器を持ち、標的に迫る。阻止しようとするシリーズレギュラー陣たち。映像的でスリリングな展開の冒険小説が久々目の前にあるという感覚が、何よりも嬉しくなる一冊であった。

  • 「道警シリーズ」でお馴染みの面々が登場する第3弾。
    ファイル対象となっている津久井卓、同じくファイル対象の佐伯宏一、そして小島百合。
    洞爺湖サミットを間近に控え、特別警備結団式に出席するSP対象者を狙っている者がいるとの情報があり、その応援に借り出される小島。
    東京から乗り込んできたSP二人と共に、警護対象である大臣の身を守ることになる。
    拳銃を所持し制服のまま勤務時間中に失踪した警官・日々野の捜索を命じられた津久井は、内部監察のベテラン・長谷川と共に捜査を開始する。
    日々野の失踪の原因が父親の死ではないかと推測した二人は、日々野の足取りを追いながら情報をひとつずつ当たっていく。
    一方佐伯は、北海道に出張してきていた愛知県警の刑事から「郡司事件」には裏があると知らされる。
    自分の知っていた事件の概要ははたして事実だったのか。
    疑問を感じた佐伯は、部下の新宮に知らせずにひとり終わったはずの事件を調べ始める。
    三者三様の立場でそれぞれの仕事をこなしながら、最後にはすべての糸がひとつに終結していく展開はさすが。
    やっと「笑う警官」に始まった事件が終わる。
    シリーズ第1弾からの読者にとっては、絶対に読み逃しできない物語になっている。
    このシリーズ、妙なべたつき感がなく大仰な正義感を振りかざすこともないところが気に入っている。

  • 警官の血に比べるとやや物足りない。

  • 「笑う警官」「警察庁から来た男」に続く第3弾。
    まず、「笑う警官」読んで酷評した件、すみませんでした(汗)あの時の「これはないわ~」な感想、取り消します。先の2冊読んでのモヤモヤ感、この本でかなりすっきりしました。(でもやっぱり石岡の死の真相の説明を求む。最初からここがどうにも気に入らなかった)日比野(息子)の処遇については…ま、このくらいは救いがあっていいか。フィクションだしね!

  • 第3弾!
    愛知県警が出てきて少し興奮。
    高級四輪駆動車の密輸・・・
    あるある!
    以前プラドに乗っていたときに
    ディーラーが言っていた。
    ランクルシリーズは良く盗まれちゃうと。

    今回は父親の復讐を計画した若き警察官。
    何だか気持ちが分からないでは無いが
    折角地方公務員にまでなって・・・
    お母さんが可哀相・・・と思って居たら
    最後はちゃんとベテランのおっちゃん達が
    救ってくれた。

    すっきり4弾へGO~

  • 小島百合シリーズの2冊目。ちょっとずつ人間関係がわかってきておもしろかった。洞爺湖サミットが舞台だったシリーズ第三弾(だそうで)。

  • シリーズ三弾。面白かったです。

  • 北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く、北海道警察シリーズ第三弾、待望の文庫化

  • 警察シリーズ?3作目。だんだんパワーが無くなってきている感じがするが、致し方ないのか。
    警察の闇がどこまで深いのか?というかこんなこと実際にあるのだろうか?ちょっと、現実離れしている感があり、物語に入り込めなかった。
    なんだかまだ続くようですが、もう終わりにしてもいいのでないかい?

  • 似たような登場人物 と思ったら 前読んだ 笑う警官 の続きだった。映画っぽい。

  • シリーズ3作目。
    1作目の黒幕が出てくる今回。
    ひとまず、第一期終了的な役割の作品なのかな?
    元地元民としては、舞台が想像しやすくて読みやすいです。

  • さすがによませますなぁ

  • シリーズ3作目という事で過去の話を絡めながら進んでいく。今回は視点が目まぐるしく変わるため、話に入り込めないので読むのに時間がかかった。その影響もあってか作品のスピード感もあまり感じなかった。ちょっとダラダラ続いてる感もした。良かった点は佐伯さんのとある機械に対しての成長(1作目から見てる方はわかるはず)

  • で、テロの結末はスルー?

  • 北海道警察シリーズ第三弾。シリーズではお馴染みの佐伯、津久井、小島の三人のそれぞれの視点に立った三つのストーリーで主に物語は流れていく。それぞれが別の任務に就き、それぞれの事件を追うも、その三つのストーリーが次第に繋がりながら、まさかまさかのクライマックスになだれ込んでいく。第一弾の『笑う警官』でのストーリーとも深く関連しているので、そっちを読んでからをおすすめする。

  • シリーズ3作目。1と2はそれぞれ芯になった出来事が、それぞれ布石だった。もっと大きな、闇。じわじわ追いつめる。
    あーよかった。ホントによかった。間に合って。
    このために人生棒に振っちゃいけない。
    わたしは原作支持派だと思っていたのに、これは映像で見たいと思いました。(もうとっくに一部は映像化されているようなのですが
    ドラマチックな終結、和やかにエピローグ読んでたら、最後の1ページ半あっけにとられて終わる。まだ何かある??

  • 2014.1.2~1.7 読了
    おなじみ佐伯、津久井、小島、新宮の面々が活躍。冒頭に小島百合巡査がストーカー被害者を見事に守りぬきカッコよさを見せる。この作品までが道警不祥事3部作になっており、道警・地検・税関がつるんで仕組んだでっち上げ覚醒剤密輸入事件が暴かれる。クライマックスのテロ事件まで計算されたストーリー展開で一気に読ませる。3作までに4人のキャラが明確になってきたし、組織の中で個人がどのように振る舞い、苦闘しているかというコンセプトの中で躍動している。次作も楽しみだ。

  • 道警シリーズ三作目。必ず最後に山場のシーンがあるのはお約束らしい。この作品も面白かったが、山場にたどり着く過程が今回は少しだれ気味だったのが残念。登場人物に愛着が湧いてきて、映画を見てみたくなった。

  • 3作目となると、ちょっとキャラに愛着が出てきた。
    ・・・が、まだイマイチわからん。
    小島さん・・・好感度高かったのに、ちょっと下がったわー
    新宮くんは可愛いよね。

  • 道警三部作の一応の完結編。結末からはまだまだ続きそうだが。

    前ニ作を読んでいるのだが、ほぼ忘れており、登場人物になかなか馴染めなかった。

    おはなしとしては、やや予定調和的。
    もっと犯人の行動中心に進めた方が良かったとお思うが、そうすると、作者の意図する警察小説からは離れてしまうか?

    以前の戦争秘話三部作が骨太で、素晴らしい小説であった記憶がある。警官小説の流行も著者によるところが大きいとはおもうが、ややスケールタウンしてる気もする。壮大な小説を読みたい。

  • 段々と、無理がかかってきたと感じる作品。
    一作目の完成度の高さにすがった感じがあり、そろそろ新しい独立してもいいと思う。
    話にハラハラ感が無かったので、読むのも間延びしてしまい、面白さを半減させてしまった

  • 道警シリーズでは個人的に一番。舞台も大きく、複数走るストーリーも読みやすく面白い。

  • 次から次へと、以前の作品からスピンオフしてくる、
    話のつながりはすごい。
    最初からすべてを構想しているのだろうか?

    ただ、人間関係の範囲がちょっとせますぎるかな。
    同じ登場人物が出てくるのは嫌いじゃないけど、
    北海道警察には他に刑事はいないの?と
    ちょっと感じてしまう。

    といっても、次回作へ続く、といった思わせぶりなラストに、
    嫌な気分にならず、のってしまうのは、
    作者の腕のうまさだと思う。

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警官の紋章 (ハルキ文庫)の作品紹介

北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く、北海道警察シリーズ第三弾、待望の文庫化。

警官の紋章 (ハルキ文庫)の単行本

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