造花の蜜 下 (ハルキ文庫 れ 1-9)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 451
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435154

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    上巻の続き…なのですが、ある意味別のストーリー。

    下巻の前半は、上巻で起きた誘拐事件のからくりが明かされます。
    それを語るのが犯人のうちの一人の心情と首謀者の手紙、という個人的にはあまり好きではない手法なのですが、そういった私の嗜好をもってしても面白いと思える仕上がりでした。
    独白とも言える首謀者の手紙における、感情・感性の描写の細やかさというか、繊細さというか。

    下巻の後半は舞台が仙台に移り、上巻で起きた誘拐事件そっくりの事件が起きます。
    被害者となる家庭の長女の手記によって記されるこの事件の真相が、とにかく痛快。

    事件はさっぱり解決していないのに、爽快さを覚えるから不思議。
    面白かった、と声に出して呟いた一冊です。

  • 上巻の淡々とした感じから、いきなり深くなってくる感じ。

  • とにかく読むのに時間がかかってしまった・・・
    おもしろくなかったなぁ~・・・
    なんか、結末も、え~~~・・・(ガッカリ)って感じでした。
    残念。

  • 連城さん、初読み。 面白かった。でも、難しかった。

  • うわっ、こう来たか!という感じ。次から次へと「実はこうだった」という真相が明かされ、その全てが予想の斜め上だった。一つの誘拐事件を、マトリョーシカのように幾重もの箱で包んで、それを一つずつ箱から出していくかのようなイメージ。しかし、川田が実は○○○だった、という部分こそが本書のハイライトにして最大の種明かしだと思うので、最終章はやや蛇足に感じた。エピローグにしてはやや長い上に読み応えもあるので。

  • 連城三紀彦さん。初読み
    上下巻読了。

    面白かった。
    久しぶりに本格ミステリーが読めて満足。
    先がよめずドキドキ感たっぷりです。

    いいミステリーを読んでいる時のあのドキドキ。
    先が気になって止められないのに、ない頭使って犯人を推理するために中断してみたり、前のページに戻ってみたり。と、ふらふらふらふら。
    いやー楽しかった!

    しかも何がいいってこれだけ本格的なミステリーなのに、人が一人も死なないのがいい。
    ほんと私好みでした。

    なのに・・・、連城さん全く知りませんでした。
    実は、ラ行の作家さんて、そういえば読んだことないなぁ~と、ふと思って・・・。
    それだけで手にした本だったのです。
    連城さんならびにファンの皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
    ですが!私も一発でファンになってしまったので許してほしいなぁ~と、意味もなく思ってしまったのでした(笑)

  • 誘拐事件が思わぬ方向に発展していき、その本質が分かっていく。
    複雑な物語で面白かった。

  • 3

  • 美しい。
    文章が、トリックが、感情描写が。
    犯人は、最初は色仕掛けで共犯者を操ったかのように書かれていたけど、第2の事件では違うことが分かる。
    そういうのを超越した魅力が、この犯人にはある。
    ただ事件が起こって、犯人を推理するだけじゃない面白さが、ミステリなんだけどその枠を軽く越える。
    登場人物みんなが癖があって、面白い。

  • 最高の誘拐ミステリだった。

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著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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