小夜しぐれ (みをつくし料理帖)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.22
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本棚登録 : 4888
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435284

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  • みをつくし料理シリーズ第五弾。
    今回もつる家の看板料理人、澪を巡る人々と彼女が作り出す料理を主題にした内容が4つ。
    つる家の主人、種市の亡き娘の封印していた話が意外な人物の登場で明らかに‥
    澪は幼なじみの野江がいる吉原の翁屋から、花見の宴席での仕出し料理を頼まれます。その献立とは‥そして宴席の後、翁屋の楼主は澪に思いがけない提案をします。
    ある日伊勢屋の娘、美緒が泣いてつる家を訪れます。美緒の想いびと以外の相手との縁談を父親が勧めているのが理由でした。皆、彼女の気持ちを汲みたいと思って行動を起こしますが‥
    最後の章は趣きが変わり、澪の想いびと、小野寺数馬一家の話でしたが、これも登場人物が新鮮で面白い内容でした。

  • ずっと気になっていたおつるさんの過去。やりきれない。

  • 番外編、大いにありだな。群像劇としての深みが増す。

  • 最後の「ひとくち宝珠」、小松原ファンとしてはたまらないお話でした。
    「御膳奉行」という役職をこの小説で初めて知りましたが、命がけの仕事なんですね。

  • 季節感を楽しめるのは変わらずお見事。1作品ごとにそれぞれの成長もどうにもならない苦悩も、大人になっていくのが良いです。
    2014/1/31読了

  • このシリーズはいつもさらさらと読んでしまう。この物語はどのように落ち着くのだろう。澪はどうしたいのだろう。澪が悩んでいる姿がひしひしと伝わってくるような気がするのは気のせいだろうか。佐兵衛の生存がはっきりしたり、種市、おつるの過去など、色々なことがはっきりした巻でした。小松原の視点から語られる物語が何だか面白い。

  • 物語が動き始めた。

    これまでに、澪の周りの多くの人の抱えるものが、いくつものエピソードとして織り込まれてきた。今回はその最後…澪の想い人である小松原の心がようやく見えた。

    しかしこの巻の珠玉は、女たちの強さだ。

    想い人源斉の心が自分ではなく澪にあると気づいた美緒。
    そのことにとっくに気づいていた父親が勧める縁組みを、完全に自らの想いを押し殺して受け入れることを決めたそのまなざしの強さ。
    美しいだけの弁天に、後光が宿ったような気がした。

    無粋で傲慢な徳川の御落胤を、ゆったりと美しく詠む歌とその気高い姿だけで押し戻してしまったあさひ大夫こと野江。その気高さ、神々しさは、吉祥天を思わせる。

    自分の恋の行く末を見極めた澪もまた…新たな輝きを手に入れようとしている。澪との未来を心に描いてしまう小松原こと小野寺数馬、そんな兄をひそかに応援しようとしている妹の早帆。消息がつかめそうな佐兵衛。

    つる家を守ること。野江を救うこと。天満一兆庵を再興すること。

    並び立つはずもない澪の夢が、彼女も気づかぬうちにひとつになろうとしている。。。

    あれこれ考えずにひとつに…料理だけに専心してきた澪に、どんな幸せが待っているのだろうか。早く続きを読みたい。


    話は変わるが、冬の水墨の色合いから淡くとも確かに色づき始める早春の彩りが、日本の季節の変わり目の中でも最も美しいと思う。旬の食材もまた、みずみずしい生命力を湛えている。

  • 前巻で一つの希望が標された。

    野江の身請けを澪が果たすこと。
    その野望と言っていいほど大きな未来に、駒が動く「夢宵桜」。

    美緒の「小夜しぐれ」、種市の「迷い蟹」、小松原様視点の「嘉祥」。
    また、御寮さんにとっても。それぞれの大切な存在に対する気持ちがはっきりと進んでゆく一冊だった。

  • もう、このシリーズは読まずにはいられない。
    いつの間にか優しく控えめな少女は、仲間を牽引する強い力を持って料理人人生を力強く歩み始めていた。次回作が待ち遠しい!

  • 慈しむように料理をするということ。温かくて誠実で凛として。すてきです。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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