究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436007

感想・レビュー・書評

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  • 「生命とは何か?」 量子コンピュータ vs 分子コンピュータの構図は面白かった。前作と相変わらずのハードな理系話。次回作にも期待。

  • 思い返してみて、印象深かったシーンはそれほどなかったと思う。
    沙羅華が丸刈りにしたところと、夜の海でスキンダイビングしたことと、あとはデザイナーズチルドレンくらい。
    (どこかのコーディネーター的な?)

    猫の下半身に犬のDNAを組み込んで、ずっと下半身(犬)から逃げ続ける猫のイコ。
    猫は本能で犬から逃げる、ということは必ずしもないから、少しピンとはこなかった。(ライオンとヤギの首と蛇のしっぽを保つ場合はどうなるんだろう?)

    とはいえ、綿さんと沙羅華のやりとりはいつもどおりで面白かった。

    「自分の生きる意味というようなものは、自分にあるのではなく、向き合うもう一方の鎖の方にあるのではないか」
    少しおもしろい言葉だと思う。

    ディオニソス、ライフロスとの決着もついてないし、まだまだ続編はありそうだ。

  • 「生命とは何か?」をテーマにしたSF小説。

    この作者の作品は、表紙や登場人物のキャラなどラノベ風ではあるが、SFの題材は物理学や生物学などガッツリ科学しており、今回も遺伝子操作で完全生命体を作ることができるかというテーマは面白いのだが、「穂瑞沙羅華の課外授業」シリーズになってから、いかんせん登場人物のキャラが全面に出過ぎていて面白くない。

    過去作では「宇宙を作れるか」「救世主を作れるか」「宇宙船を作れるか」などもし本当に作れるとしたらというテーマで、現在の科学でどこまで迫れるか結構重厚な内容がメインで面白かったのだが。

    正直、穂瑞沙羅華というキャラには飽きた、「神様のパズル」だけで十分だったなぁ。

    今まで面白い作品もあっただけに残念。

  • 神様のパズルの続続編
    前作はしょぼかったけど、ほんのちょっと盛り返した感じ
    ほんのちょっとだけどね

    前前作は宇宙を作れるか?
    前作は幸せとは?
    ときて、今回は生命とは?

    結論としては終盤に沙羅華が言ってた事に収束するんだろうなぁ
    個人的には、生命の誕生に特に意味はなく、偶然の産物でしかないと思っているんだけど
    それでは納得しない人もいるんだろうなぁ
    この辺は宗教的な要素も絡んでくるので研究も難しかろう

    あと、顧問の言っていたY染色体の短縮による絶滅はホントだろうね
    ただ、そのスパンが恐ろしく長いというだけでね
    実際には1世代20年と考えても50世代で1000年?
    選択強度にもよるけど、そんな事態になる前にもっと他の要素で絶滅する気がする

    あと、ヒューマニズムが弱肉強食の原理を歪めているというのは半分正解で半分不正解とも思う
    ヒューマニズムがある事で種全体の適応度を上げていると考えたらどうか?
    もしくは、文化を気づくことによって包括適応度をあげているとか?

    そんなわけで、一概にヒューマニズムがいけないとは限らない

    物語の展開として、冗長すぎる
    もっとさくっと話を進められるとは思うけど、ラノベ展開ってことか・・・

    明らかに続編があるという感じではないけど、おそらく続編出るんだろうなぁ
    でもやっぱり1作目のインパクトを超えることはできなそう

  • しょぼ~い日常生活の中に突如として最先端のテクノロジーや科学が放り込まれてきて、本質的な問題や定義を考えないわけにはいかない状況に追い込まれる・・・このギャップが生み出す驚きが機本作品の面白さではないでしょうか。

    今回の題材は生命とは何か?

    これまでのシリーズだと宇宙を作ることができるかとか、量子コンピューターを開発中とか、作り出す過程で本質に迫っていくという組み立てでしたが、今回はその過程は描かれない。テーマ的にも生命をどこからと捕らえるかという観点と、生命の目的は何かという観点を意図的にごっちゃにしているようで、つっこみが少し足りないように感じられます。もっと、日常的な代表の台所で作っちゃっても良かったのでは???すでに遺伝子改変キットなども売ってるようだし。

    その分、ラノベ路線全開の綿貫君と穂瑞君のからみが楽しく描かれています。

    ギャップ度が低かったので、次回に期待。

  • 2013/09/02
    復路

  • 小難しい遺伝子の話とかなんとかもやもやぐちゃぐちゃ書いてあるなーと毎回思うんだけど…やっぱり好き。理屈ではまだ説明できない事象が人間にはあって、物理学や生物学といった学問のなかで答えはこれひとつだと突き詰めていくことも大切だけれどそのくくりに入れられない部分をただ曖昧にそんなものだと理解してしまう心も必要なわけで。愛とか情とかを計算式や数字やちっぽけな言葉ひとつで置き換えられてしまったらなんて世の中はつまらなくなるんだろうと思わないでもないね。

    そういうことを考えたくなるときにはこのシリーズは適している。

  • 神様三部作の二作目。
    背表紙のコメントに惹かれて買ってみました。
    前作は段々話が大きくなりすぎてどうなるのか不安でしたが今回は無難なところで収まってます。
    それにしてもヒロインのツンデレぶりはすごいね。
    頑張れ綿さん!

  • シリーズ3作目のテーマは、遺伝子操作。
    遺伝子操作による進化はどこまで赦されるのか?
    この倫理的問題については、唯一神が人を作ったと信じる信仰が広まっている地域では、あまり議論にならずに、その領域には踏み込んではいけないと結論付けられてしまう気がします。
    そういう点で、日本では人は神が作ったと信じている人は少ないだろうし、iPS細胞の研究で山中教授がノーベル賞を取ったことにより技術的な関心も高いので、活発な議論が行える環境が整っているといえるのではないでしょうか。
    登場人物と一緒に、自分なりの解を考えるいい機会になりました。

  • 『神様のパズル』の続編その2。
    年相応の学校に戻った元飛び級天才少女と、社会人になった平凡(以下)の元大学生のコンビは以前継続中。

    一つ前の続編は「幸福とは何か」というようなテーマだったのに続き、今作のテーマはずばり「生命とは何か」。
    量子コンピュータだの分子コンピュータだのと、微妙に現実を延長した空想科学を織り込んだSFであり、天才同士の丁々発止のやりあいは読んでいて面白い。
    が、テーマがテーマだけに、物語の落としどころが非常に難しい。
    結末に納得できない人には受け付けられなそう。

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