いもうと―剣客太平記 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 58
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436342

感想・レビュー・書評

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  • 愛嬌のある、人を安心させる笑顔がたまりません。

    侠気を秘めた直心影流の道場主・峽竜蔵(はざま りゅうぞう)の活躍の物語。
    上意討ち、いもうと、かまぼこの味、押して勝つ、の短編4話のうちお辰のほのかな情愛がつたわる「いもうと」が好きです。

    【上意討ち】
    播州五万石福崎家の元勘定吟味役で、梶派一刀流の遣いて杉山又一郎は、上司の不正を訴えたことで、逆に上意討ちとされて江戸へ逃げてくる。峽竜蔵の助けを借りて、執拗に追ってくる追手を迎え撃つべく立ちあがる。

    【いもうと】
    お辰は、竜蔵の父・峽虎蔵が鹿島神宮の守り札の中に「愛娘殿 神田相生町 峽虎蔵」と書いたものを持っています。虎蔵は、藤川道場の高弟で故・森原太兵衛の娘・綾にあげるつもりで貰って来たが、たまたま水茶屋のお辰の母に渡した。竜蔵は、お辰の兄でないが、竜蔵に憧れて。お辰は、御札を竜蔵に見せて兄さんと呼ぶ…。

    【かまぼこの味】
    公儀の儀式や典礼を司る高家・大原備後守の異母弟で、私塾の文武堂・笠原塾長が、金を多く払う塾生を入れるために、日頃から不満を言う塾生を誤って殺してしまった。これを知った竜蔵は、大目付・佐原信濃守の側用人・眞壁清十郎の助けを借りて懲らしめる。

    【押して勝つ】
    豊後五万石豊津家お抱えの相撲取り剣竜長五郎は、仲間の破落戸に謀られた弟・粂三の命乞いのために、対戦相手の嵐谷岩太郎に負けるように言われる。竜蔵は、破落戸を殺して剣竜長五郎の憂いを取り払う。

    【読後】
    字が小さくて読みずらいなか、久しぶりの時代小説を楽しく読めました。展開が早く、峽竜蔵の人柄がほほえましく、つい笑顔が出てきます。

    【1作目と2作目は、未読です】
    私は、剣客太平記シリーズの1作目と2作目を読んでいません。時代小説を読みたくて、たまたま自宅の書棚にあった3作目を読みだしました。このために少し前とのつながりが分からずに読んでいます。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    いもうと ー 剣客太平記シリーズの3作目
    2012.02発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2022.07.20~21読了。★★★☆☆
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  • 新シリーズ始めました
    岡本さとるは2019年一番お気に入りの時代小説です
    物語の最初から好印象なのがこの作者の特徴なのかな
    タイトルの話は、展開が気になったものの良い話だった
    登場人物を使い捨てにしない印象がある作者なので
    また登場するだろうな

  • 良い男だなぁ。

  • 岡本さとる 著 剣客太平記シリーズ「いもうと」、2012.2発行。剣も喧嘩も滅法強く、その上人情にも厚い、狭竜蔵の物語。上意討ち、いもうと、かまぼこの味、押して勝つ の4話。かまぼこの味といもうとが秀逸でした! 再読です。

  • この巻も読み終えて清々しい気分。
    情にもろく正義感が強い主人公が、悪事を懲らしめるという単純な内容が心地よい。

  • 第三弾
    これまでと同様な内容の短編四話構成
    身近な人の事件に介入し、解決
    真直ぐな内容?

  • 一気に3作目の突入。それなりにレギュラー登場人物も増え、それぞれのエピソードも出てきて人気シリーズになりそうな予感。相変わらず栄三とかぶるような気がするが、読んでいて楽しいので、あまり気にならない。

  • L 剣客太平記3

    なんだかやたら竜蔵にからむ人たちの竜蔵を褒めあげる心の声がこれ見よがしで鼻につく。
    上意討ち…笛売りの事情。この手の話はどうしていっぱいあるのかねぇ?
    いもうと…竜蔵の妹と名乗り出たお辰にはなにやら訳ありげ。
    かまぼこの味…やっと出てきた信濃守と清十郎。私塾で私腹を肥やす輩の成敗、的な。かまぼこ話いるかな?
    押して勝つ…竜蔵に恩があるという力士登場。なのに、竜蔵は関わりを思い出せない、というありがちな展開。兄弟愛と竜蔵の力稽古の巻。

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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