- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758436588
作品紹介・あらすじ
テレビ番組の人気リポーター・羽鳥亜里沙は、中学卒業を間近にした二月、冷凍睡眠装置の研究をする〈未来科学研究所〉を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中に、ふと悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが・・・・・・。
どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー、待望の文庫化!
感想・レビュー・書評
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『死という絶対的な恐怖は、人は死んだらそこで終わりだという直観に基づいている。世の中の宗教がいくら死後の世界や輪廻転生をといたところでか、それがまやかしにしか過ぎないということは、誰しもが心の奥底で気づいている。
自分が死んだ後に世界はない。時間さえもない。永遠の無が続くだけなのだ。その絶対的な死というものを前にして、人は無力だった。』
クライオニクスを題材にしたSFなんだけど、乾くるみならではの仕掛け付き。最後まで気付けなかったくやしさは、良く出来ていると思うが、《自然主義・生命の樹協会》についてはもう少し深掘って欲しかった。 -
面白かったです。
乾さんの本は、これが4冊目。
1冊目は、イニシエーションラブ、2冊目は、塔の断章、3冊目は、嫉妬事件、で、4冊目がこのスリープです。
前の3冊がSF要素を含んでなかったので、読み始めから、「前の3冊と毛色が違うな・・」と思いながら、ページを捲っていました。
何も考えずに読んでいたので、9章を読み始めた時、「え?あれ?」と軽くパニック。タイトルを考えて、あ、こういうオチかな・・、いやこっちが・・?なんて思いながら読んでいたら、自分の予想を、そのどちらも外していました。
話は面白かったし、でも、「行き過ぎた科学」というのもにも考えさせられました。
それにしても、嫉妬事件もそうだけど、タイトルまでトリックだなんて・・そんな乾さんが大好きです。 -
久しぶりの乾さん。
「イニシエーション・ラブ」でみごとに騙されて以来の2冊目。
2006年、天才美少女“ひらめきの天使”こと中学生の羽鳥亜里沙は、TV番組の取材でつくばの未来科学研究所を訪れる。
ひょんな事から、そこで見た冷凍睡眠装置の試作機に関する秘密を知ってしまい、かわりに所長の八田から高解像度スキャナーの試し撮りを依願され、装置に付随した寝台に横たわり、一瞬ののち目覚めると、そこは2036年の世界だった…。
科学の分野が苦手で、SF小説も得意ではない私でも、意外にスムーズに読めた。
スケールの大きな物語の中、乾さんお得意のどんでん返し(サプライズ)がきちんと用意されていて、安心した(笑)
結末も、高いIQを持って生まれた子供達4人のそれぞれの行く末が、しっかり描かれていて、恋愛要素も含んだスピード感溢れるミステリー(^^) -
同じ著者の別の本を読んだことがあるが、そちらは恋愛ものだったので、これもそんな感じかと思ったが、科学的な内容も含まれていて意外でした。
著者の経歴を調べたら、理系の大学を卒業されているんですね。納得です。なかなか面白かった。 -
とあるアイドルさんが読んでいて、そのレビューを見て読んだ
スリープと言う意味は途中で気が付いたが、今流行りの低温生体保存が本当に良いものなのか?を考えさせられる
作中はなりたくてなった訳じゃないがなりたくてなってもタイムワープみたいな状態になるって事がすごくおそろしい
やっぱこのまま生きていく事が一番だなぁと感じました
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いやー、そうきたか!
イニシエーションラブの衝撃
セカンドラブの随所に隠された驚き
程ではなかったけれど面白かった。
しかし、これぞ究極の愛!・・・になるのかな?