スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.56
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本棚登録 : 1656
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436588

作品紹介・あらすじ

テレビ番組の人気リポーター・羽鳥亜里沙は、中学卒業を間近にした二月、冷凍睡眠装置の研究をする〈未来科学研究所〉を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中に、ふと悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが・・・・・・。
どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 未来の日本は少し楽しそうですごく生きづらそうだなあと思った
    化学の発展は悪い事だと思わない
    ただ使い方を間違えたらダメだなと思った

    すごく面白い展開だった

  • 冷凍睡眠装置、次に目覚める時は新しい時代に生きることができる、かも。この研究視察のために<<テレビ・科学のちから>>で中学生・羽鳥亜里沙が選ばれる。その視察中に亜里沙のパラレルワールドが展開される。タイムトリップをしたのかどうか?最後に明かされる真相がスキャン??今回も最後にしてやられた。さて、タイムトリップ系にチャレンジする作家さんには毎回拍手を送っています。理由として、独創的な想像力が試され、さらに将来結果が出てしまう。乾さんのスリープは30年後の未来の想像の1つ、「瞬乾装置」は斬新!風呂要らず。

  • 『死という絶対的な恐怖は、人は死んだらそこで終わりだという直観に基づいている。世の中の宗教がいくら死後の世界や輪廻転生をといたところでか、それがまやかしにしか過ぎないということは、誰しもが心の奥底で気づいている。

    自分が死んだ後に世界はない。時間さえもない。永遠の無が続くだけなのだ。その絶対的な死というものを前にして、人は無力だった。』

    クライオニクスを題材にしたSFなんだけど、乾くるみならではの仕掛け付き。最後まで気付けなかったくやしさは、良く出来ていると思うが、《自然主義・生命の樹協会》についてはもう少し深掘って欲しかった。

  • 面白かったです。
    乾さんの本は、これが4冊目。
    1冊目は、イニシエーションラブ、2冊目は、塔の断章、3冊目は、嫉妬事件、で、4冊目がこのスリープです。


    前の3冊がSF要素を含んでなかったので、読み始めから、「前の3冊と毛色が違うな・・」と思いながら、ページを捲っていました。

    何も考えずに読んでいたので、9章を読み始めた時、「え?あれ?」と軽くパニック。タイトルを考えて、あ、こういうオチかな・・、いやこっちが・・?なんて思いながら読んでいたら、自分の予想を、そのどちらも外していました。

    話は面白かったし、でも、「行き過ぎた科学」というのもにも考えさせられました。

    それにしても、嫉妬事件もそうだけど、タイトルまでトリックだなんて・・そんな乾さんが大好きです。

  • 久しぶりの乾さん。
    「イニシエーション・ラブ」でみごとに騙されて以来の2冊目。

    2006年、天才美少女“ひらめきの天使”こと中学生の羽鳥亜里沙は、TV番組の取材でつくばの未来科学研究所を訪れる。
    ひょんな事から、そこで見た冷凍睡眠装置の試作機に関する秘密を知ってしまい、かわりに所長の八田から高解像度スキャナーの試し撮りを依願され、装置に付随した寝台に横たわり、一瞬ののち目覚めると、そこは2036年の世界だった…。

    科学の分野が苦手で、SF小説も得意ではない私でも、意外にスムーズに読めた。

    スケールの大きな物語の中、乾さんお得意のどんでん返し(サプライズ)がきちんと用意されていて、安心した(笑)

    結末も、高いIQを持って生まれた子供達4人のそれぞれの行く末が、しっかり描かれていて、恋愛要素も含んだスピード感溢れるミステリー(^^)

  • イニシエーションラブの衝撃が忘れられず、時々読んでみたくなる乾作品。

    もっと未来と現代を行ったり来たりするような内容を、なぜか自分で想像していたので、ちょっと肩透かし気味な感じはした。その状態で、途中で複数の展開を見せるので、「お?夢?どっちが?」みたいな罠に見事にはまり、最後に「へー、そういうことか」とやっぱり驚く。

    冷凍睡眠とか、科学が行き過ぎとか、いろいろあるよね。でも、そうだなぁ、なんかあんまりドキドキ感とかが無かったかな。

    期待値が高かっただけに、ちょっと厳しめで★3つだな。

  • SFミステリー
    どちらかと言うと深みはないので(笑)、ライトノベル的な感じ。大エンターテイメントといった感じでもありません(笑)
    登場人物がなんとも感情移入できないからかな...

    ストーリとしては、
    TV番組の人気リポーターの中学生の亜里沙はつくば市の冷凍睡眠装置の取材中、冷凍睡眠状態に...
    30年後、目覚めたアリサは自分を覚醒させた戸松と逃避行へ。
    戸松は、30年前、やはりリポーターをやっていて、亜里沙のことをずっと思い続けていた人物。
    戸松とアリサを追跡する追っ手から無事二人は逃げ切れるのか?
    一方で、アリサの復活は、実は技術的に足りていないところがあったのか、徐々に健康状態が悪くなっていきます。
    全てを捨てた戸松、二人は結ばれちゃうの?
    30年間の間に発達した科学も解説されていて、いろいろ合点がいくところもありますが、どうもストーリ展開が...
    んで、これは恋愛ストーリーで終わるのかと思いきや、もう一人の亜里沙がアメリカで自然主義の地域の中で生活していました。
    アリサと亜里沙?
    なにが、どうつながるの?っと思っていると、最終章で真相が明らかになります。
    この真相がかなりいまいち....

    ということで、奇抜な設定、驚天動地の結末と帯にありますが、これまた仕掛けはいいけれど、ストーリに厚みが無くて残念。

  • 同じ著者の別の本を読んだことがあるが、そちらは恋愛ものだったので、これもそんな感じかと思ったが、科学的な内容も含まれていて意外でした。
    著者の経歴を調べたら、理系の大学を卒業されているんですね。納得です。なかなか面白かった。

  • とあるアイドルさんが読んでいて、そのレビューを見て読んだ
    スリープと言う意味は途中で気が付いたが、今流行りの低温生体保存が本当に良いものなのか?を考えさせられる
    作中はなりたくてなった訳じゃないがなりたくてなってもタイムワープみたいな状態になるって事がすごくおそろしい
    やっぱこのまま生きていく事が一番だなぁと感じました

  • いやー、そうきたか!
    イニシエーションラブの衝撃
    セカンドラブの随所に隠された驚き
    程ではなかったけれど面白かった。
    しかし、これぞ究極の愛!・・・になるのかな?

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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