極楽日和―立場茶屋おりき (ハルキ文庫 い 6-23 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758437516

作品紹介・あらすじ

水無月、品川の河童祭を明日に控え、「立場茶屋おりき」の茶立女たちは席の暖まる暇もない。新入りの百世が心配で堪らない岡っ引きの亀蔵親分は、毎日茶屋に顔を出し、女将のおりきに呆れられる始末。そんなある日、おりきは医師の内藤素庵から「彦蕎麦」のおたえが病に伏していることを聞く。娘のおきわが必死で看病していると知り、ふたりの力になりたいと思うおりき。だが、おきわの想いは複雑で-。温かなもてなしと最高の料理が自慢の「立場茶屋おりき」で、懸命に支え合い生きる人々の愛おしい人生模様を描く、感動のシリーズ第十五弾。

感想・レビュー・書評

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  • 第15巻の今回、初頭から別れで始まる。
    漁師の妻だったおたえが、徐々に体力が落ち、ついに娘の腕の中で亡くなる。

    洗濯担当のおとめ婆さんがぎっくり腰で動けなくなった。

    脇板の市造が病で、味覚を失っていたことに気づく。

    おきわが位牌師の春次の家に住み込んでから三月。
    新しい問題が発生。

    そして、こずえに先立たれた源次郎が料理宿にやってくる。


    心の機微も美しく語られるこのシリーズ。
    ネタがなくなるってことはないのかしら?と
    思うほどの充実ぶり。

  • 江戸の下町、皆が、一生懸命に、毎日を過ごして行く日々。
    何気ない日常なのだが、悲哀あり、小さな出来事にも喜びを感じさせる。
    死を目前として、娘の手を握りしめ、あの世へと旅立つ事を望んだ事に、死に顔は、穏やかであっただろう。と、感じながら読んでいた。

    子沢山の所へ、嫁ぐのに、子供達は、おっかさんと、呼んでくれるだろうか?と、一抹の不安がありながらも、慕われていた事に、小さな喜びを感じる事の幸せ。

    今朝の新聞で、子供の虐待が、掲載されていた。
    「ゆるしてください」と、5歳の子が。書いたノートに、父親は、躾と、、、
    朝の4時から起こされて、殴る蹴る、、、、食事も殆ど与えられず、寒い季節に水を浴びせられて、、、母親もきょうだいも、学校の先生も、誰一人味方になってくれなかった事に、、、只々、、、涙する。

    その他も、大やけどしてもラップで、巻かれただけで、病院にも行かせてもらえなかった幼子。
    裸で、外に出されたり、殴られたりして、風呂場で、溺れた幼児、、、

    この小説を読んでいると、現代の社会の方が、親の愛情が無く、無常に思える。

    他所の子どもも、周りの者たちが、温かい目で見て、何かある時は、手を差し伸べていた時代小説の方が、ホンワカした気持ちにさせてくれるのだが、、、

    現代は他人へ干渉は、してはいけないのか?と、思える事件が、多すぎると、思いながら、この本 おりきシリーズ 15弾を読み終えた。

  • 6016.7.2

  • 立場茶屋おりき
    自分の死が眼前にせまりながらも
    大切な家族との時間を大事にしたい
    そして、いよいよの時が極楽日和・・・泣けます

  • 第十五弾
    流れとしては続きで、短編四話構成
    女たちの自立を助け、見守る

  • 10月29日~11月1日

    内容紹介

    水無月、品川の河童祭を明日に控え、「立場茶屋おりき」の茶立女たちは席の暖まる暇もない。新入りの百世が心配で堪らない岡っ引きの亀蔵親分は、毎日茶屋に顔を出し、女将のおりきに呆れられる始末。そんなある日、おりきは医師の内藤素庵から「彦蕎麦」のおたえが病に状していることを聞く。娘のおきわが必死で看病していると知り、ふたりの力になりたいと思うおりき。だが、おきわの想いは複雑で―――。温かなもてなしと最高の料理が自慢の「立場茶屋おりき」で、懸命に支え合い生きる人々の愛おしい人生模様を描く、感動のシリーズ第十五弾。

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著者プロフィール

1945年広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業後、画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞。主なシリーズに「立場茶屋おりき」シリーズ、「照降町自身番書役日誌」シリーズなどがある。15年「立場茶屋おりき」シリーズで第四回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。

「2017年 『残りの秋 髪ゆい猫字屋繁盛記 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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