人質 (ハルキ文庫 さ)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.44
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438223

感想・レビュー・書評

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  • こちらも会社の先輩からお借りした一冊。

    代議士へ3億円のゆすり。
    代議士秘書の隣の家の自家用車盗難事件。
    そこから場面は藻岩山へ移り、人質監禁事件へ。。。

    一見、何の関係もなさそうな事件が、次第に一つの着地点へ、、、

    うーーーーーん、、、
    面白くないわけではない。
    一気読みしてしまった。

    だけど何だろう??
    新堂冬樹先生の銀行籠城のほうが、もっと臨場感があってドキドキしたな。。。

    監禁されている状況が、犯人の1人はとてもいい人だったり、武器を持っていなかったり、監禁されている人間の手足が自由であったり、トイレも自由だったりすることから、少し緊張感に欠けたのか???

    最後はしっかり収まるところに収まって、まぁよかったのだが^^;

    なんとなく、明日には粗筋を忘れてしまいそうな予感。。。

    決して面白くないわけではないのに、、、
    何でこんなに雑な読み方になっちゃうんだろ。。。

  • 冒頭から中島喜美夫さん(冤罪で4年間服役、再審で無実に)の謝罪要求は当然と同情の念を抱いてしまった。
    闇の政治資金を手にした政治家、それも外国政府から…
    それを知った人間が強請り取ろうと目論む。そこで刑務所で親しくなった瀬戸口は、中島喜美夫さんに同情した振りをし利用する。
    結局、この中島喜美夫さんは罪に問われるのだろうかとただただその事だけが気になり読み進めた。

  • 面白かった
    道警シリーズ第六段!
    前作に引き続き、エンターテイメント作品として楽しめました。

    またまた小島百合の物語
    ストーリとしては、
    ピアノのミニコンサートが開催されるワインバーで発生した人質立てこもり事件に小島百合が巻き込まれます。
    犯人は二人組。
    一人は、強姦殺人の冤罪で4年間服役していた中島。
    その要求は、冤罪を引き起こした当時の富山県警本部長の謝罪。その本部長の娘がこのコンサートのピアニストという設定。
    もう一人はそれを支援する瀬戸口。

    中島と瀬戸口は暴力的な立てこもりではなく、あくまでも、人質たちに協力を求める形で、当時の本部長の謝罪を求めます。
    この辺、今までの人質事件とは違っていて、面白い
    さらに、並行してもう一つの事件が...

    今回も、佐伯、新宮、津久井、そして長正寺が活躍します。
    小島と佐伯たちとの信頼関係がすごい
    そんな中、
    人質たちはどうなるのか?
    事件の真相は?
    といった展開です。

    今まで同様、スピード感ある展開で、ある意味あっという間に解決します(笑)

    ここまでくると、ドラマでワンクール行けそうですね(笑)
    お勧め!

  • シリーズ第6弾。
    今回も女性警官の小島が奮闘する。
    たまたま誘われたミニ・ピアノコンサートが人質立て籠り事件となったのだ。
    犯人は冤罪で4年も服役していて、コンサートの主役の父親で、当時の警察本部長だった男に謝罪を求めるという中島。
    もう一人は中島の支援者という瀬戸口という男。
    しかし、ただ謝罪を求めているだけというには不可解な部分が多すぎる。
    いつものメンバーが集まって、事件解決に臨むところも頼もしい。

    2024.4.13

  • 北海道警シリーズ第六弾。ワインバーで人質立てこもり事件発生。巻き込まれる小島巡査部長。その裏でもう一つの犯罪が進行していた。ブラックバードのメンバーと機動捜査隊の長生寺警部が事件を解決する、たった一晩の物語。

  • 道警シリーズ第六弾。札幌方面署生活安全課の小島百合巡査部長が巻き込まれた人質立て篭もり事件…奇妙な犯人の目的は…

    ストーリーの殆んどが、人質立て篭もり現場を舞台に描かれ、緊迫感が伝わり、なかなか面白い。反面、起伏が乏しく、少し残念だった。道警シリーズの初期の作品は、文句無しに面白い。第五作から少し翳りが見えて来たように思う。

    このシリーズは当初、三部作の構想でスタートしたようだが、全十巻を予定しているようだ。少し翳りが見えて来たと言っても、一定の水準を超えており、最後まで作者に付いて行こうと思う。

  • ぐいぐいと読ませる筆致はシリーズを重ねるごとに練度を増していて読みやすかった。基本ワンシチュエーションで展開していくので変化には乏しい。けれど、細かい描写で登場人物がいまどの位置にいるのか想像しながらハラハラした。

    大きな事件が起こっている割にはダイナミックさは無く地味に進んでいくんだけど、それは僕が好みとする筆者の手法なので良い方向に作用していたと思う。

    やや警察側の勘が冴え渡りすぎではないかも思うところもあるけれど、回を重ねてヒロイックな主人公たちにはそれもお似合いでワクワクとした。

    とにかくテンポが良くシリーズ最速かなというくらいのペースで読了となった。

  • 道警シリーズ6作目。 今回はミニコンサートに出かけた先で、小島巡査部長が人質となってしまいます。元県警本部長に謝って欲しいというのが要求だったが、共犯者もかなり怪しげな様子。ともかく、怪我人の出る大捕物にならず私自身はホッとしました。部署を超えた鉄壁のチームワークは健在でした。

  • 評価は3。

    内容(BOOKデーターベース)
    「謝ってほしいんです。あのときの県警本部長に。ぼくが要求するのはそれだけです」5月下旬のある日。生活安全課所属の小島百合巡査部長は、以前ストーカー犯罪から守った村瀬香里との約束で、ピアノのミニ・コンサートへ行くことになっていた。香里よりひと足先に、会場である札幌市街地にあるワイン・バーに着いた小島は、そこで人質立てこもり事件に遭遇する。犯人は強姦殺人の冤罪で4年間服役していた男。そのコンサートの主役は、来見田牧子、冤罪が起きた当時の県警本部長の娘だったのだ―。一方、同日の朝に起きた自動車窃盗事件を追っていた佐伯宏一警部補は、香里から連絡を受け、事件現場へ向かったのだが…。

    第6弾になるのか?最後まで冤罪被害者に同情。政治家や冤罪を謝らない刑事部長痛い目に合えば良かったのに・・・家族も傲慢だし。事件は解決したけど心がスッキリしなかった。

  •  『道警大通署』シリーズ6作目。再読。

          * * * * *

     今回も政治家の腐敗や高級官僚の不遜さ、さらに権力組織の醜悪さと、巨悪を扱った点で読み応えがありました。

     残念だったことは2点ありました。

     1つ目は、物語が心理戦の様相で展開するため、ダイナミックさに乏しかったことです。
     2つ目は、佐伯の推理と百合の洞察が事件解決の原動力となるのに、2人の登場頻度が高いとは言えず、全体的に低調なままクライマックスを迎えてしまったことでした。

     その理由はいずれも、人質事件をメインにした作りであることから来ていて、主要人物の動きを制約する設定で物語を作ることの難しさを感じました。

     けれど、長正寺が「佐伯バンド」のメンバーに加わりそうなシーンが描かれるエピローグでのひと幕は、ファンとしては嬉しいばかりでありました。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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