天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)

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著者 : 高田郁
  • 角川春樹事務所 (2014年8月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438391

天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いつかは完結を迎えるとわかってはいても、いよいよこれで最後となると手に取る本の重みは増し、いつも以上に大切に味わって読みたいと思う。
    読み始めて第3編まで続けて読んだものの、4つ目はもったいなくて読めなかった。それでも、意を決して読み終えた。

    4つの料理に絡めて、話は進む。
    女料理人の澪とつる屋の人々、ご寮さん、源斉先生。
    他にも今まで登場した澪にとって大切な人たちが時折顔を出す。(フィナーレを飾るよう!)

    『食は人の天なり』という言葉に触れて、自らの料理人としての進むべき道をはっきりと自覚した澪。
    その澪をある人は見守り、そっと寄り添い、
    またある人は、父のように母のように道を照らす。
    また料理人としてのその才を伸ばし、いずれは料亭を任せることを願いながら、自分の持てるすべてを惜しみなく与えようとする人。
    澪が選んだ道を、寂しい気持ちを抑えてともに働きながら、精一杯応援する人々。
    誰もが澪が幸せに自分の道をまっすぐ歩いていけるようただ、願っている。
    店の常連、昆布のご隠居さまも。(私の中では、児玉清さんが演じています。)
    そして、あの人も!

    本巻になってもなかなか妙案が出てこず、じりじりする気持ちで読み続けたが、あさひ太夫の身請け金・四千両もなるほど、という形で決着し、身請けも最もよい形で叶えることができたといってよいだろう。
    他にも未解決の問題がいくつかあったが、無理なく読者に納得のいく結末が用意されている。
    あちこちの布石もきちんと回収され、もっとも期待された終わり方でほっとする。

    あまりにすっきりとしていて、この先が気になるなあと思っていたところ、巻末のりうさんの瓦版によれば、番外編も今後予定があるようで、しばらく楽しみに待つことにいたしましょう。
    (さらに、付録の番付表にもお楽しみが!)


    澪が旅立つ前夜に種市は言う。

    「御神仏ってなぁ、時にはとんでもなく酷いことを、情け容赦なくなさるもんだ。慈悲も何もあったもんじゃねぇ、って仕打ちを。けれど、それに耐えて生きていれば、必ず何処かに救いを用意していてもくださる。俺ぁ、この齢になって、それが身に沁みるのさ」
    中略
    これから先も、幾たびか試練は訪れるだろうが、その理を忘れないでほしい。そんな父から娘への餞の言葉を、澪はしっかりと胸に刻んだ。(P320)

    人と人とのあいだを満たす温かな労わりの気持ちと、相手を思いやって丁寧に用意された料理。
    全編にあふれるそれらを、しみじみと味わい尽くすことができた。

    ある読書ブロガーさんの紹介でこのシリーズを知り、すぐに手に取って引き込まれた。きっとあの人なら好きになってくれるだろうと、親しい友人や周りの人たちに紹介してきた。今では、お仲間さんのほうから「読んだ?」と声をかけられ、話したくてうずうずしているのがわかる。

    いいお話だった。
    その味わいを自分だけでなく、ともに楽しみ、あれこれと話題にする仲間も増えた。
    近々『語り合う会』を持とう、と話はまとまっている。
    読み終えて、まだまだ豊かな時間を与え続けてくれる。
    本との出会いに感謝している。

  • 第10巻でついに完結!
    寂しい、寂しい、ほんとに寂しい!!
    どんどん好きになっていった「みをつくし料理帖」
    ラストは「あぁ~、良かった!」とあついものがこみ上げてきました。
    「みをつくし」は「澪尽くし」でもあったのですね…

    付録の料理番付を見ると、澪のその後に思いを馳せることができて、うれしくなりました。
    その後のみをつくし料理帖として特別巻が刊行されるそうなので、それを楽しみに待ちましょう~!!

  • みをつくし、ついに完結。最終巻にふさわしい大団円でありました。

    これからのつる家は政吉が盛り立ててくれるでしょう。6年間の思い出を胸に、懐かしい地で、友と愛する人と切り拓く未来。もう涙はこぉん、こぉん。

    親父泣かせが食べたい。自然薯さわるとかゆかゆになるので自分では作れそうにないですが。。。

  • 読み初めから涙涙。時折嗚咽がもれるほど泣きました。
    特に、又次の面影、懐かしい小松原の姿に、いてもたってもいられなく。

    ただの読者と本の中の登場人物たち。その関係は読み初めのほんの一瞬で崩れ、いつしか澪を古くからの友のように思い、心から幸せを願うようになっていました。

    わたしも胸が裂かれるようなつらいとき苦しいとき、どんな苦難も歯を食いしばり乗り越える澪に、思いのこもったあたたかくおいしそうな料理に、みをつくし料理帖に登場する心も表情も豊かな面々に、たくさん励ましてもらいました。

    きっと良い結末が待っている。そう信じつつもおそるおそる読み進め、幸せの予感がしたときには心から嬉しく、また号泣しました。
    まさに雲外蒼天。最高の結末でした。

    大坂へ発つ日、澪と別れを惜しむ種市やふきちゃん、ご寮さんやおりょうさんたちと同じく、わたしも澪や皆との別れがつらくさみしく、でも希望に満ちた別れに涙がとまりませんでした。

    澪、源斉先生と末永く幸せになってね。
    野江ちゃんとずっとずっとずっと仲良くね。
    今までどうもありがとう。

    一巻一巻が宝物です。
    こんな素敵な本を書いてくださった高田郁さんと、みをつくし料理帖の八朔の雪が面白かったよと教えてくれた友だちに心から感謝しています。

    うええええん。泣きっぱなし。

  • 「みをつくし料理帖」もついに完結。
    心洗われるような物語!
    楽しみに読んできたシリーズなので、ちょっと寂しいですが~大団円です☆

    幼馴染の野江が吉原で花魁となっているのを身請けするため、四千両もの大金を工面しようとしている澪。
    ついに「つる家」を出て働くことになります。
    別れを惜しみつつ背中を押してくれる、あったかい人たち。
    「一柳」に再嫁した芳も、澪を案じているのですが‥

    前の巻では吉原での商いに慣れない不器用な有様でしたが、負けるものかと智恵を絞っていく様子が力強く、微笑ましい。
    一人の力ではないけれど、皆が協力してくれるのも、澪が力を振り絞っているからでしょう。
    女が身請けしたと噂になってはいづらくなると気遣ってくれた摂津屋の粋な計らい。
    しかし、こんなやり方があったとはねえ!
    出迎えのときが来て、感動する野江の姿に涙‥

    そして、源斉先生との仲は、どうなるの?
    いつになく疲れた様子の先生を見て、胸を締め付けられる澪。
    かって先生を好きだった美緒さんも、「神様のように思っているだけでは先生がかわいそうよ」と。
    優秀で、出世も期待されていた武家の家柄の源斉先生ですが‥
    「食は人の天なり」とまで言っていた源斉先生。
    澪への尊敬の念が深い愛にこもっているのを感じます。
    ずっと見守ってくれた気持ちも、報われるのですね。

    事件の成り行きが絡んで、芳の息子・佐兵衛がかって出奔したいきさつなども綺麗に説明付けられ、懐かしい人の存在もちらり。
    終わってしまうのが寂しくて、これで終わるなんてと、ちょっとあっさりしているようにも感じましたが、すべてバランスよくまとまっていると思います。
    本当に丁寧な作風で、お料理もしみじみと味わいたくなります。
    後日談など、まだ出てくるのでしょう。
    それを楽しみにしていますよ☆

  • まさに雲外蒼天。これ以上ないような幸せなラストだった。
    色々と解決しなければならないことが多くて、どうやってまとめるのかなと思っていたら…。

    気持ちは揺れても、辛いことがあって泣いても、何度打ちのめされても。
    立ち直り自ら道を切り拓いていく、澪のまっすぐ芯の通った生き方がかっこよかった。
    料理で人を幸せにすることで自分も幸せになれる。澪はそういう料理人だ。
    澪の新生活が、今までの苦労を全部水に流してしまえるくらい幸せなものになればいいと思う。
    このシリーズは最初の頃から読んでいたけれど、ずっと読んできてよかったなぁ~。

    今度は外伝が出るとのこと。やっぱり、一番注目は小松原様のその後ですよね!
    源斉先生と幸せになったのはうれしいのに、あの別れを思い出すと切なさに胸がキュンとしてしまう。
    そんな私の未練もきっちり断ち切ってもらえるような話になるといいな(笑)

  • 本当に終わるのですね。

    わたしの住んでいる地域では、発売日から一日遅れで店頭に並ぶので(今回は土日が挟まりましたから)未だ手に取っていないのですが。
    この10巻発売を前に、既刊を再読中です。
    再読ゆえに何が起こるのかわかっているのに、外部からの嫌がらせにキリキリしたり事の成り行きにハラハラしたり、澪の選択に涙を流したり。
    今、「夏天の虹」まで来ました。ここも大きなターンが待っている。それを知っているからページをめくる手が殊更ゆっくりになってしまいます。
    皆様の感動のレビューを拝読し「雲外蒼天」が待っているのがわかっていても。

    この刊を早く手に取って読みたいのに、終わるのが惜しくて読みたくないような矛盾もあり、澪さながらに眉が下がってしまいます。

    *****

    そして読了。
    お盆休みを利用して、久しぶりに夜遅く(むしろ明け方近くまで)読書するなんて暴挙、やっちゃいました。
    大きく広げた風呂敷は見事に畳まれ、大団円のエンディング。
    澪のアイディアと、旦那衆の粋な計らい。
    野江ちゃんの身請け先には、心からの快哉を。
    あぁ、めでたやな。

    その後を描いた番外編も、そのうち出るそうで、今から楽しみでなりません。

  • ネタバレ注意。




    おかえり、澪、野江ちゃんの巻。
    途中から泣きっぱなしで、もう、誰も彼もが素敵すぎて困る。
    高田郁は、きっとこの話を心から愛しているんだなあということがよく分かったし、最後まで本当に楽しませてもらった。

    短編では味わえない、同じ月日を過ごしてきた感覚が、クライマックスに忘れられない感動を与えてくれる。

    小松原様や、又次など、本筋からは退いた人々までもがきちんと息づいていて。(特にこの二人推しの私としては、本当に嬉しい)

    澪のこれからは、見えずとも誇らしくなる。

    全十冊。
    澪もよく成長したが、影ながら見守ってきたふきちゃんの、最後の野江への贈り物がまた泣かせるのだ。

    そして巻末に挟まれた……。

    ごちそうさまでした。

  • ブクログを見て、ソッコー本屋に買いに走った一冊。
    うわぁ~、マジで‼
    もう読んでる途中で思いだし涙がボロボロ。
    身請け出来るのか心配だったけど、まさかの仕方で更に涙が。
    他にも色んなところが丸く?収まり、もう涙なくては読めない。
    ヤバい、思い出しただけで涙が…。
    早く外伝が読みたい‼

  • 発売直後に購入済だったが、これが最終巻かと思うと読んでしまうのが惜しいような、早く結末を知りたいような、そんな気持ちで今日まで保留。
    そして、思い切って手に取った。
    期待通りの大団円。
    はるかに遠い四千両にこんな手があったとは。
    この後、特別巻があるとか、楽しみに待つとしよう。

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天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)の作品紹介

『食は、人の天なり』--医師・源斉の言葉に触れ、料理人として自らの行く末に決意を固めた澪。どのような料理人を目指し、どんな料理を作り続けることを願うのか。澪の心星は、揺らぐことなく頭上に瞬いていた。その一方で、吉原のあさひ太夫こと幼馴染みの野江の身請けについて懊悩する日々。四千両を捻出し、野江を身請けすることは叶うのか!?厚い雲を抜け、仰ぎ見る蒼天の美しさとは!?「みをつくし料理帖」シリーズ、堂々の完結。

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