夢見るレシピ ゲストハウスわすれな荘 (ハルキ文庫 あ 25-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 251
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438629

作品紹介・あらすじ

ここは東京の下町、山谷と呼ばれるかつてのドヤ街。日雇い労働者が姿を消し、いま安宿を求めて訪れるのは、外国人旅行客と留学生たち。家族とはうまくいかないし恋も不調、自分を抑えて生きてきた。そんな千花が故郷を飛びだし辿り着いたのは、マイペースなオーナーと、しっかり者の翔太が経営するゲストハウス「わすれな荘」。個性豊かな住人たちとの賑やかな日常に、千花の心もほぐれていく。でもみんな、それぞれに事情を抱えているようで…。とびきり温かで美味しい、ひと冬の物語。オリジナルレシピ付き。

感想・レビュー・書評

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  • ネガティブな主人公が秋田から東京の下町に新境地を求めてやって来る。そこで出会ったゲストハウスと人々達とのふれ合いでポジティブに成長していく。短編連作で読みやすくて、作者のモチーフがとてもすんなり受け入れやすく気持ちよく読了しました。キャラクターがしっかりしていて馴染めましたね。続編が楽しみです。

  • 和みと、切なさと、立ち向かう勇気と。
    笑顔の裏に隠されたそれぞれの悩みや葛藤があり。
    それを分かち合える家族のような住人達。
    料理と人の心の温かさに触れた、いい作品でした。

  • たまにテレビ番組でこういったゲストハウスの話を見ることがありますが、あまり詳しくなかったので、中での生活というか、利用するか方々の日常を垣間見ることができました。留学生って、私も主人公の千花と同じように大半は裕福な家の子と思っていましたが、本当に大変な思いをして留学生活を送っているということがわかりました。いろんな人、果ては国の期待まで背負って異国に来るのはなんとプレッシャーになることか。ゲストハウスや下町の、優しい、あったかい気持ちになるお話でした。

  • わすれな荘の分け隔てない感じが可愛い。
    田舎の親ってああいう感じなのかなぁ??
    主人公の境遇はなんか切ない。

  • 東京・山谷にあるゲストハウス「忘れな荘」。
    観光目的の短期滞在者もいれば長期滞在の留学生もいる国際的なゲストハウスが舞台。

    主人公の過剰に遠慮するところとか自分のことより他人のこと考えたり。
    そのことを自分のうちでぐるぐる考えたりするところがびっくりするくらい一緒で驚きました。
    「泣いてもわめいてもいい自分の生きたいように生きればいい」と言われているような気がする本でした。

    住人や他の登場人物も優しくてかといっておせっかいってほどじゃなくって。
    本当に優しさに包まれるようなお話でした。
    料理も美味しそうだったし続きを読んでみたいです。
    それにゲストハウスに泊まってみたいなぁ。

  • 2015年12月16日 読了

    美味しそうな本でした!
    どの料理もおいしそうで、お腹がすきそうになりました(笑)
    ジャガイモパーティはもう////
    じゃがいも好きなので・・・最高(〃^^〃)

    きりたんぽ鍋も皆で鍋をつついて食べるシーンは
    私も混ざりたいって思ってしまいました♪
    赤いクラムチャウダーも気になりました!

    あとがきに書いてあった『アイスクリームかけご飯』も気になるエピソードでした!
    続きも出たらいいなと思いました♪♪



    ・・・食べ物も魅力なのですが
    お話も良かった。。。:゚(。ノω\。)゚・。

    登場人物も皆んな個性的で
    あらすじに書いてあるとおり。。色々と事情があるようで?!



    私も就職活動中の身なので、はっとさせられたり
    励まされたり心に沁みる言葉ばかりで
    少し軽くなりました。。

    読みながら千花さんのこと応援してました(〃^^〃)


    最後はあったかくなる終わり方で
    この冬にお勧めしたい本です!

  • はじめての作家さん。
    秋田から出てきた千花を中心に連続短編という形で話が続いていきます。
    良い意味での東京の下町風景が格安シェアハウスに泊まる人達と共に描かれています。
    登場人物には疑問もある部分はありますが、それをあまり感じさせないストーリーで、読後感は心があったまります。
    毎回ついてくるレシピは作ってみたくなります。
    ただ、描かれる季節が寒い時期がメインなため、ブイヤベースときりたんぽ鍋が出てくるので、秋から春先にかけて読むと良いかも。
    続きの作品が出るということで続きも気になります。

  • 兄夫妻に子供ができて同居するタイミングで家を出された26歳の女性が、東京のゲストハウスで暮らし始めるお話
    ゲストハウスとはいうものの、場所は山谷でドヤ街
    なのにドヤ街感がない ま、ホームレスがいたりしてるのがそれっぽいのか?


    主人公視点だけとしても、親の態度にはちょっとイラッとくるね
    親の考えで子供の進路ややりたい事を制限するのはなんだかなぁと思う

    「絵が上手くたっていいことなどなにもない」とかさ~
    あるわ。いいことなんていくらでもあるわ。
    「いいことない」のはお前にとってだーーー!!

    他にもこんな親が出てくる小説があるけど、なんというか本人は躾とか子供の将来の事を考えてのつもりだろうけど、子供にとっては呪いとして重しになってるパターン
    最後には誤解が解けて大団円というわけでもなかったし、そこだけがちょっと残念なところかな


    ゲストハウスについて、ちょいと美化されすぎてるきらいがあるけど、まぁ物語だしね
    人と関わりたい人とかにとってはいい場所なのかもね

    ところで、留学生とはの倦怠期ってのは、ある意味でホームシックってやつじゃないのかね?


    他の小説を読んでても自分で気をつけなければいけないところと思うけど
    「そこに悪気はなくとも、正論は時に人の心を抉る凶器になる」という台詞はやはり僕には刺さる


    タイトルが料理推しなだけあって、出てくる料理がおいしそう

    ブイヤベースにルイユソースというのは他の小説でも読んだ事あるね
    「スープ屋しずく」あたりな気がする
    要は、マヨネーズにニンニクと唐辛子とトマトを加えたやつでいいのかな?
    今度てがるにルイユもどきを作ってパンに塗ってみよ~っと


    じゃがいもが優秀な作物というのは世のじゃがいも警察が目を光らせるように、人口を支えるには必要な穀物なんだよなぁ
    異世界ものによくジャガイモで農政改革してるのは、田中芳樹が言い出したのに端を発するんだっけか?



    あと、トマトベースのクラムチャウダーって食べたことない
    インスタントでもそうだけど、日本でのイメージって白いやつだよな~


    家族との関係についてちょっと心残りはあるものの、まぁ良い終わり方なのではなかろうか?

  • 私的「食べもの」本の国際化w ちなみに“山谷ブルース“リアルタイムに知ってる世代☆ 

  • 東京 山谷のゲストハウスか舞台のハートフルストーリー。
    近所ながらまだ行ったことがないエリアですが、魅力ある町なのかな?
    作品自体は気軽に楽しく読める内容でした。

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著者プロフィール

有間カオル (ありま・かおる)
『太陽のあくび』で第16回電撃大賞メディ アワークス文庫賞を受賞しデビュー。
他に『 魔法使いのハーブティー 』、『 招き猫神社のテンテコ舞な日々 』( KADOKAWA )、 わすれな荘シリーズ ( 角川春樹事務所)、『気まぐれ食堂 神様がくれた休日 』( 東京創元社 )、『 青い花の下には秘密が埋まっている 四季島植物園の静かな事件簿 』(宝島社) など 。

「2022年 『氷住灯子教授と僕とYの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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