ヒーローインタビュー (ハルキ文庫 さ 19-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 208
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439091

作品紹介・あらすじ

仁藤全。高校で四二本塁打を放ち、阪神タイガースに八位指名で入団。強打者として期待されたものの伸び悩み、十年間で一七一試合に出場、通算打率二割六分七厘の八本塁打に終わる。もとより、ヒーローインタビューを受けたことはない。しかし、ある者たちにとって、彼はまぎれもなく英雄だった-。「さわや書店年間おすすめランキング二〇一三」文藝部門第一位に選ばれるなど、書店員の絶大な支持を得た感動の人間ドラマが、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 思っていた内容とは違いましたが虎ファンには懐かしい名前がいっぱいでした。成功して有名になれるのはひと握り。仁藤選手は記録より記憶に残る人でしたね。

  • プロ野球を知らない著者が、出版社の社長に言われて書いてみた?お話!
    それでも面白い。
    ヒーローインタビューを受けていなくても、ある方たちにとってはヒーローだったり~・・そう思います!

  • めちゃくちゃ好きな一冊にまた出会えた!
    誰もが認めるヒーローはもちろん素晴らしいけれど、もっと身近なそれぞれのヒーローって素敵だなって思うんだ。
    子供時代、かけがえのない身近なヒーローがもっとたくさんいたっけなぁ。

    それにしてもたまらんわ、福元(福本)さん (^^;

  • 仁藤全という阪神タイガース所属のプロ野球選手について、その周囲の人間が語るという趣向。全自身のプロ野球選手としての活躍は突出している訳ではないが、彼の人となりがふとした言動が意図せずに誰かに影響を及ぼしている。その意味で解説にある通り、ヒーローへのインタビューではなく、仁藤全という自分にとってのヒーローを語るという話が的を得ている。こうなると全には何か報われて欲しい、と思うのが読者の心もきっちり掬い上げるくれるのはさすがである。阪神ファンなら一層楽しめる一作。

  • 2019/7/15
    先に読んだ父が「こんな選手おったっけ?」と聞いてきて大丈夫か?と思ったけど、確かにこんな選手実際におったらええなと思えた本だった。
    阪神ファンが心地よく読める本だった。
    だって私もあのファンのおっちゃんらと同じやねんもん。
    なんやようわからんうちに阪神ファンになってて、すごく諦めよくでももしかしたらこっから全部勝ってまうんちゃうん?って思って生きてきたわ。
    これからもたぶんそうして生きていく。
    なんや知らん、ありがたいなぁ。

  • 阪神ファンやから

  • 高校で42本塁打を放ち阪神タイガースに入団も伸び悩む強打者・仁藤。2010年のペナントレースを重ね合わせた野球小説。仁藤を巡る様々な人々へのインタビューで進む展開はノンフィクションのようなリアリティを生んでいる。‬

  • 阪神タイガース仁藤全。

    もちろん架空の選手なのだが、まわりにはそれとわかる実在選手が沢山いる。

    学生時代からの彼を取り巻く人々のインタビューの形式で彼を描き出す、よくある手法。

    ひねりと奥行きが少ないストーリーが残念。
    スポーツものと思って読まない方が良い。

  • てっきり真田広之と鈴木保奈美共演の同名映画の原作だと思い込んでいました。1994年の映画でしたから、かれこれ20年以上前のこと。そちらはヤクルトスワローズの選手という設定でしたが、こちらはまったく別物の阪神タイガースの選手という設定。阪神ファンならまちがいなく笑います泣きます。

    主人公は2001年から2010年まで阪神タイガースに野手として在籍していたという仁藤全(アキラ)。一軍で活躍することはほとんどなく、「二軍の帝王」と呼ばれたまま退団。ヒーローインタビューを受けたことなどないけれど、一部の人の心に強烈な印象を残した選手。彼とつきあいのあった人物が彼について語るという形式が取られています。

    主人公こそ架空の人物ではありますが、野球関係のほとんどの登場人物が実在し、笑える仮名となっています。真弓は阿弓、桧山は絵山、山本昌は山村昌、岩瀬や岩背というように。2010年のプロ野球シーズンを知っている人なら興奮度倍増。著者はプロ野球にまったく知識も興味もないのに、『泣いたらアカンで通天閣』を書いたのちに会った出版社の社長から「阪神の代打男の話なんてどう?」と無茶ぶりをされたそうです。断れば女がすたると本作を書いたというのですから驚き。

    阪神ファンにとっては宝物のような本かと。病院の入院患者がテレビの前に集まってワーワー言いながら試合観戦する様子、みんなが監督で、DNAに「阪神」が組み込まれた阪神ファン。終盤には当時の中継を再現するかのような世界の盗塁王・福本の名(迷)言も出てきます。泣かずにはいられません。

    借りた本だったのですが、これは永久保存版にするために購入します。

  • バスの中で読みながら、落涙寸前。ヤバかった。
    取り立てて目立つことのなかった元阪神の選手のことを、色んな人にインタビューしていく…というストーリー。
    だからものすごい驚きの出来事が起こるわけでもないんだけど、もうラストにむかってどんどん全さん(その選手)への「好き」が高まってきて、みんなと一緒に応援してしまったんだと思う。とにかく胸熱。
    ラスト、ホームランを放った全さんが他選手にハグされてるのを見て「ずるい!」って言うくだり、可愛かった(笑)
    私は野球にもほとんど興味がないし、まして阪神ファンでもないけど、そんなの全っ然関係なく楽しめる!でもこの装丁だと、女性は手に取らないだろうな〜。物語上仕方ないけど、なんかもったいない気がする〜。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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