江戸味わい帖 料理人篇 (ハルキ文庫 え 4-1 時代小説文庫)

著者 :
制作 : 江戸料理研究会 
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 34
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439510

作品紹介・あらすじ

身をひさいで得た売り店を繁盛店にのし上げる、いなせな女を描いた「金太郎蕎麦」(池波正太郎)、罪を犯した料理人が長い彷徨のすえ辿り着いた境地を描く「一椀の汁」(佐江衆一)、京ならではの料理を作るべく苦悩する板前と支える女の情実を綴る「木戸のむこうに」(澤田ふじ子)、異母兄弟であり職人同士でもある二人の和菓子対決「母子草」(篠綾子)、豆腐屋の婿になった塚次の困難に対峙する姿が感動的な「こんち午の日」(山本周五郎)、塩梅屋の主人・季蔵のやさしい心遣いと鰯料理の味が沁みる「鰯の子」(和田はつ子)の計六篇を収録。江戸の料理と人情をたっぷりと味わえる、時代小説アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説は藤沢周平さんしか読んでこなかったのですが、他の作家さんの作品も読んでみたくなりました。
    短編ですが読み応えもあってなかなか面白かったです。

  • 山本周五郎先生の圧巻の面白さ・・・池波先生も艶っとしていて面白かったのですが、何と言っても周五郎先生・・・義理人情という一言では表せない響く何かをひょいっとこちらに投げて、それと同時に生き死にもみせ、そして最後の締め方が秀逸。登場人物全員がいままさに生きていると感じさせる、周五郎先生の良さを改めて感じました。

  • 江戸の食と人情を味わえるアンソロジー。
    昔から時代小説には食事の場面が数多く描かれてきた、この本はその料理や料理人の姿を正面から描いたアンソロジーでありその味わいを堪能できる。

  • 池波正太郎:金太郎蕎麦
    佐江衆一:一椀の汁
    澤田ふじ子:木戸のむこうに
    篠綾子:母子草
    山本周五郎:こんち午の日
    和田はつ子:鰯の子
    それぞれの著者が作品に込めた、江戸市井の人々の思いや人情に心打たれる短編集。

  • 2015年10月刊。金太郎蕎麦(池波正太郎)、一椀の汁(佐江衆一)、木戸のむこうに(澤田ふじ子)、母子草(篠綾子)、こんち午の日(山本周五郎)、鰯の子(和田はつ子)の6篇を収録した時代小説アンソロジー。母子草のみ書下ろしで、5篇は既刊の文庫から収録。書下ろし以外は既読でした。篠さんのお話が面白く、他のものも読みたくなりました。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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