オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫 い 20-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439732

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  • 都会のど真ん中の横丁に佇む人たちは、
    どこか傷を負っている。
    大っぴらになっている傷もあれば、
    いまだ直視できないものもある。
    流れ出す血は痛みの象徴で、
    当人にとっては消え去りたいもの、
    治癒したいものかもしれない。
    でも時にそうした傷は、人を優しくする。
    人としての奥行き与え、深みを与える。

    だからこの横丁の人たちの交流は、
    それが何てことないものであるのにかかわらず、
    どこか艶を感じさせる。
    男女の機微といったものがある。
    あることをきっかけに頑丈な堤防が崩れ、
    一気に濁流が溢れ出す雰囲気に満ちる。
    それでありながらなかなか崩れない。
    そこもまた、面白い。

    だから目が離せない。
    日々の描写を飽きることなく読ませる。
    新宿という大都会に、
    こんなひっそり佇む場所があるなんて。
    手を伸ばせば届きそうで届かない場所。
    そんな雰囲気も、
    この物語に艶を与える理由かもしれない。

    変わらぬ日々の中に、
    実は見落としている艶のサインがあるのでは、
    そんな気にもさせられる。
    目を凝らしてみれば、僕の暮らす町でも、
    こうしたやり取りがあり、
    僕もその中にいるのかもしれないと期待させる。

  • 宇藤はもっとモテて良いはず。あれこれ料理が美味しそうな中で、出汁と餃子が気になる!

  • 桃子さんが素敵

  • BAR追分第二弾。デビィが遊びに行っていたふっこさんがトイレから出られなくなってデビィの首のリボンのお手紙で連絡が取れた「猫の恩返し」温かいスープがおいしそう。宇籐エッセイスト誕生の「オムライス日和」同級生の彼女も元気になりそうな明るい赤と黄。ホワイトシチューをかけるのもありなのか?やってみたい。猫みち感謝祭の餃子パーティーでは若手3人が大活躍。餃子はいつでも食べたくなる料理だ。「森の隠れ家」で鍼灸院の先生とじゅんくんの謎が少し解けた。わたしが好きな風の森という日本酒も出てきた!

  • シリーズ2作目もテイストは同じで、気軽に読める。少しずつ宇藤君がまともになってきた感じでいい

  • 「ねこみち横丁」に行きたくなったなぁ。いろんなお店あるし、何よりバール追分に行きたい。昼のモモちゃんのご飯食べたいし、夜のお酒も飲んでみたいー!あと宇藤さんは、何か吹っ切りれたようでよかった。

    また続編あるのかなーあったらいいなー


    2021.5.27 読了

  • BAR追分シリーズ2作目。今回もゆったり流れる時間を感じて穏やかな気持ちになれる。宇藤さん、純くん、久保田先生のその後が気になる。

  • 大学生1
    2月

  • シリーズ第二作。何故か温かな気持ちになる話。桃子さんがいい。ピンチョスが美味しそう。宇藤君が少ししっかりしてきた。謎の多い伊藤純。

  • BAR追分第2弾。今回は人情ものというよりは、美味しいものを主役にそこを取り巻く人間模様を描いた短編集という感じ。

    いい人ばっかり集まって、美味しいものを食べながら、夜にはちょっとお酒を飲む…そんなお話ばっかりだから、読後感がとても良い。毒味がなくて物足りない感じもするけど、心の胃にとても優しい。

    このシリーズはこれでよいのだと思う。マンネリが怖くも苦手でもない俺はこのシリーズ追いかけるよ。

    だから、あの銭湯のシーンをもっと出してください!(笑

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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