あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • BSで放送されたドラマを見ていたが、これからというところで放送が終了。続きが気になり読み始めたら、やめられず13巻まで一気読み。
    主人公の幸の聡明さ、それを引き立てる忠実な奉公人たち、様々な苦難にもめげず、知恵を使って乗り越えていく姿が爽快だ。
    きっと第2部の放送があることを期待している。

  • 「みをつくし料理帖」で人気の作者の新シリーズ。
    待ってました! (感想を書くのは遅れたので~もう3作目も出ています)

    村で寺子屋を開いていた父は学者肌で厳しく、商売など疎んじていました。
    娘の幸は優しい母や優秀な兄を頼りに、素直に育っていました。
    ところが、父と兄が相次いで亡くなり、9歳の幸は、大坂天満の呉服屋「五十鈴屋」へ、女衆として奉公に出ることになります。

    五十鈴屋の「お家さん」は当代の祖母で、3人の孫息子を育て上げたしっかり者。
    ところが、この三兄弟、後継ぎの徳兵衛が女遊びにうつつを抜かし、商売の才がある次男は兄に苛ついて喧嘩ばかり。
    三男は優しいのだが、家業には興味がない‥

    商売に興味をいだき始めた幸だが、女衆は店のことにはかかわらないのが当然の決まりだった。
    五十鈴屋の要石と言われる番頭の治兵衛は、そんな幸を見出し、ひそかに育てようとする‥

    女主人公の一途さや真面目さは同じ。
    所々に変化をつけようという意図も見られますね。
    当時の不況ぶり、身分の扱いや面倒な約束事も、人間臭い描写の中に語られていきます。
    展開は早めで、幸はどんどん大きくなりそうです。
    楽しみ!

  • 高田郁さんの作品はハズレがない

    学者の父に、
    「誰かの汗の滲んだものを右から左へ動かすだけで金銀を得るようなそんな腐った生き方をするのが商人だ。商とは、即ち詐(いつわり)なのだ」
    と教えられた幸が、齢9つで大坂の呉服商五鈴屋に女衆として奉公することになる
    番頭治兵衛は
    「商人は、正直と信用とを道具に、穏やかな川の流れを作って、お客さんに品物を届ける。問屋も小売も、それを生業に生きるさかい、誰の汗も無駄にせんように心を砕く。それがほんまもんの商人だす」
    と幸に語る

    果たして、『商』は、詐なのか!
    知恵は生きる力。知恵を授かりたいと願う幸が、五鈴屋で何を見、どんな活躍を見せるのか、これからが楽しみだ

    しっかりとした時代考証に裏打ちされた描写で、読者の知的好奇心を満足させてくれる
    この作品でも、商家の三度の食事内容やら婚礼の模様、商人の仲間(今でいう組合)などとても興味深かった

    また、背景の描写が彩り豊かで、魅了された
    「朱と黄とが混じり合ったような夕陽の輝き、あれが金色。川面の煌びやかな色、あれが銀色。どちらも天から与えられた美しい色なんだ」

    空は漆黒から濃紺へと色味を移し、東天の端が薄く紅を差し始めた刻、熟した梅のふくよかな甘い香りが、予期せぬ臨終の悲しみを慰めるように漂っていた

    想像力を働かせて、じっくり味わいたい文章も素敵だった

  • テレビドラマの影響を受けて、読み始めました。ドラマは終わってしまいましたが、こちらは読み始め!なかなか次から次へ色々いなことが起きて、楽しみです。

  • ”みをつくし料理帖”シリーズが終了し、その後のみをつくし料理帖としての特別巻を心待ちにしていたら…
    新たなシリーズが始まりました!

    摂津国・武庫郡津門村出身の幸。
    子供のころから学びたいという気持ちが人一倍強かったが〈女子〉を理由にその機会に恵まれなかった。
    幸9歳の時、学者だった父と兄を相次いで亡くす。
    幸は津門村に母と妹・結を残し、ひとり大阪、天満の五鈴屋へ女衆として奉公に行くこととなる。
    番頭の治兵衛は幸の天賦の才に気付く。
    父から〈商は許(いつわり)〉と教えられていた幸は、五鈴屋で番頭の治兵衛から商のいろはを教わることに。

    やっぱり髙田さんの時代小説はいい!
    幸の成長をハラハラしつつ、応援していくのも楽しい、そんなふうに感じながら読み進めていたのですが…
    最終章・事の顛末があまりにも以外で…
    そして、幸の運命を思うと…

    次巻の刊行が待たれます!

    • 杜のうさこさん
      またまた、こんばんは~♪

      楽しみに待ってた新シリーズですよね!
      azu-azumyさん、隠してるし~
      どうしようか迷ったけれど、気...
      またまた、こんばんは~♪

      楽しみに待ってた新シリーズですよね!
      azu-azumyさん、隠してるし~
      どうしようか迷ったけれど、気になって覗いちゃった!

      この本、積読なの。
      いつ読もうか考えるだけで、楽しかったりしてね~。うふふ。
      自分をじらしてます(笑)

      だって『みをつくし料理帖』終わってしまったとき、ぽか~んとしちゃったものね。
      azu-azumyさんのレビューで、読みたさ倍増~♪


      そして、そして、パンケーキ♪
      見事にだまされちゃったわ~(#^^#)
      2016/03/19
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは~♪
      コメントありがとうございまーす(^^♪

      ほんと、ほんと!
      待ちに待ってましたよね~

      ネタバレ...
      杜のうさこさん、こんにちは~♪
      コメントありがとうございまーす(^^♪

      ほんと、ほんと!
      待ちに待ってましたよね~

      ネタバレでごめんね~
      でも、でも、私のネタバレぐらいではびくともしないです。
      当然ですね~(笑)
      やっぱり髙田さんの本は良いね~♪

      私も手にしてから半月ぐらい待って読んだんですよ~
      これはもうじっくり読みたい本だもんね!
      杜のうさこさんも、じっくり寝かせて熟したころに読んでくださいませ~(笑)

      わっ!
      パンケーキ、だまされてくれました?
      なんか、うれしい~(^_-)-☆
      2016/03/21
  • 作者の「みをつくし料理帖」シリーズが良かったので、読み始めました。やはり面白い!

    主人公の幸は、奉公先の呉服商「五鈴屋」で女衆でありながら、徐々に商いに心惹かれていく。
    娘の行く末が気になって仕方ない。

  • ハマりました!ドラマもよかったけれどやはり原作はもっといい!続きが楽しみです。
    一気に読みたいようなじわじわと楽しみたいような…

  • 2024年第一冊目。これからが楽しみなスタート。第二巻へすぐに向かいます。

  • おもしろーい!女衆として呉服屋に行くことになった幸。その呉服屋の主人3人息子が、お互いに息が噛み合っておらず呉服屋は資金繰りに右往左往することに…。幸が商いとは何かを学んでいく主なストーリーと、江戸時代の文化・風習が垣間見えるサブストーリー。思わず続刊を買いました。

  • もう読む手が止まんない、止まんない。時代小説なのに、こんなに登場人物が目の前に生きているように感じられるのは何故だろう。

    『神仏には頼らないけれど笑うことには頼ってみよう』
    幸の生き様を遅ればせながら応援していきたい。

著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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