ハレのヒ食堂の朝ごはん (ハルキ文庫 な 15-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440035

感想・レビュー・書評

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  • ピンとはりつめた空気がだんだん柔らかくなって、
    読み終わる頃にはポカポカとあたたかい気持ちになる作品。

    こだわりとか、真面目さとか、
    ただただ一生懸命に取り組んでいるだけなのに、
    そのことが周りにいる人に緊張感を与えてしまう。
    かといって力の抜き方も分からない。

    晴子さんの姿に自分がピッタリ重なって、涙がこぼれた。

    一生懸命やってるのに、どこかうまくいかない…
    そんな人に是非読んでほしい作品。

    何気なく手に取った一冊だったけれど、
    今の私に必要なメッセージがたくさんつまっていた。
    ぐちゃぐちゃに絡まっていた紐が解けたような、ずっと探していた答えが見つかったような…そんなスッキリした気持ちになれた。

    • ortieortieさん
      いいねとフォローありがとうございます!あたたかい気持ちになれる作品、わたしも大好きです。本棚、読みたい本の参考にさせて下さい(^^)
      いいねとフォローありがとうございます!あたたかい気持ちになれる作品、わたしも大好きです。本棚、読みたい本の参考にさせて下さい(^^)
      2022/05/30
    • yumiさん
      こちらこそフォローありがとうございます。私も本棚参考にさせてください♩お料理が題材になっている作品が好きなのですが、ortieortieさん...
      こちらこそフォローありがとうございます。私も本棚参考にさせてください♩お料理が題材になっている作品が好きなのですが、ortieortieさんの本棚に、読んでみたい作品がたくさんありました(^^)
      2022/05/30
  •  「ハレのヒ食堂」は,吉祥寺,公園の池のほとりにある朝ごはん専門店。
     こだわったブランド米。八王子産のこだわりの朝取り野菜と卵。どれも美味しいけれど,今ひとつ流行っていない。

     人一倍どんくさくて要領の悪い深幸は,バイトをクビになリ,住むところもなくなってホームレスになりかけたところを,ひょんなことで,このハレのヒ食堂で給仕として働くことになる。
     店主の晴子と,お互い不器用な二人が,お互いに助け合いながらハレのヒ食堂を切り盛りしていくようになる。
     こだわり抜いた食材と,抜群に料理の上手な晴子が作る朝ごはんは,とても美味しいのにアラン会長と呼ばれるホームレスの老人には認められない。お客も一部の常連以外には増える様子がないが……。

     主人公の深幸,店主の晴子,それぞれ訳ありだし,不器用で上手く立ち回っていくことができないし,それがもどかしく感じます。けれども,その不器用さもどこか読んでいる自分と重なる部分があります。物語がどうなるんだろう,アラン会長に認められる朝ごはんはできるのだろうか,とドキドキしながら読みました。
     不器用だけど,それを超える頑張りと,今までそれぞれ心に殻を持っていた二人が少しずつ打ち解けてパートナーとしてハレのヒ食堂を切り盛りしていく姿に,なんか温かい気持ちになっていきました。

     成田名璃子さんの小説は,いつも美味しそうなご飯が出てきて,食べたくてたまりません。

  • 『東京すみっこごはん』の著者の本。
    「ハレのヒ食堂」は朝ごはんだけを出す食堂。
    あたたかい気持ちになれる本ですが…
    やっぱり『東京すみっこごはん』が好きだなぁ…

  • 最悪の始まりから、すがすがしい朝を迎えられるようになるまで。
    「ハレのヒ食堂」は、とても縁起の良い名前。

    やることなすこと上手く行かなくて、人生どん詰まり。
    どんくさい、自信がない、陰気でコミュ障な、大家深幸27歳。ついにホームレスか?

    一方、最高に美味しいごはんを作る、朝食専門の「ハレのヒ食堂」の店主、晴子は美人でスタイルも抜群だが…なんだか切羽詰まった雰囲気と影がある。
    加えて、彼女もコミュ障だった!

    人生が生きにくく、重い石を背負った様な二人。
    しかし、ただ者ではないホームレス・アラン会長や、貴重な常連さんたち…
    高校生・茜、読書リーマン、職人・川崎さんなどとかかわるうちに、物事は次第に良い方に転がって行く。

    下ばかり見ていないで、きれいな空を見なくちゃ損だよね!
    と思えて読み終わる。

  • 登場人物がみんないい人です!

    どこかしらに悩みを抱えていて
    あ~。こんなことあるよね。と思いながら
    読み進めていけて読後感が非常にすっきり。

    ちょっと前向きになりたいときにもう一回
    読もうかなと思います。

  • 上半期の心がほっとする物語No.1に決定(わたしの中で)。人生転んじゃって、傷だらけで、めそめそしたっていいじゃない。どんな傷もいつかは癒え、その傷跡を誇らしく思える日がきっとくる、と思わせてくれる素敵な本です。
    カバーもかわいいけれど、目次や章の扉もすごくかわいい(そしておいしそう)。

  • 丁寧に心を込めて作られた食事は、
    人をとても幸福にしてくれる。
    美味しいものを食べて、疲れた心が癒されていく・・・というお話しは最近よくあるけれど、
    この物語で美味しいものに救われていくのは
    『ハレのヒ食堂』で働いている人たち。
    美味しいものが食べられる幸せの他にもう一つ
    美味しいものを作ることで得られる癒しや幸せもあるんだね。

    人生晴れの日ばかりじゃないから、
    主人公たちのように過去の自分がどうしても許せなかったり
    自分を丸ごとどこかに捨ててしまいたくなる時だってあるだろう。
    そんな時は『ハレのヒ食堂』という店名に込められた願いを私も思い出してみようと思う。

  • 雨が降っていてもハレのヒ食堂。
    朝ご飯専門店のお話です。

    主人公は何をやっても失敗ばかりで間が悪い女性。
    会社もクビになり、ホームレスに片足突っ込んでる27歳。
    お腹が空きすぎて野良猫の朝ご飯を奪おうとしてハレのヒ食堂の従業員に助けられます。

    一方ハレのヒ食堂では「みんなを笑顔にしたい」と思いつつも頑張りすぎて思いつめちゃうオーナーが一人。
    緊張が伝わり常連客には笑顔がなく…。試行錯誤が続きます。

    失敗ばかりしていて考えかた後ろ向きな主人公と、生真面目で頑張りすぎなオーナーが、自分たちから「変わろう」と考えた時に全てが動き始めます。

    とにかく出てくる朝ご飯が全部美味しそう!!
    こんな焼き魚定食を朝から食べてみたい!!と思わせます。
    近くにこの食堂があればいいのに。

    お休みの日にちょっと頑張って朝ご飯に手間暇かけてみたくなるような一冊です。

    図書館スタッフ(学園前):ema

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410004767

  • 心がほっとするような、温かいお話でした。一歩踏み出すのが怖いときに読むと、背中を押してくれるような。

  • 仕事も家も失った主人公が転がりこんだ場所は
    朝ごはんだけを提供する食堂。人間関係が苦手な主人公と食堂の晴子さんがお客様や会長など関わり食堂が変わっていきます。続編が読みたいです。

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著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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