あきない世傳金と銀 (ニ) (ハルキ文庫 た 19-16 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2016年8月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758440271
感想・レビュー・書評
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いよいよ傾き始めたようで五鈴屋。徳兵衛の阿呆は筆舌つけ難く、日々重いものを飲み込んだような気持ちになる中で事態は次々と悪化していく。
菊栄さんのひと言に彼女の心情がにじみ出て胸が痛む。そして智蔵さ〜ん、治兵衛さぁ〜〜ん(泣)
お家さんこと富久さんの心痛はいかばかりかと。起死回生の策にまさかの投入となった幸の、前を見据える視線がいじらしく、また少女から大人の女性へと変化していく姿にハラハラしたり。
ただのいけずかと思っていた惣次の胸中を知り、この人はこの人なりに一生懸命なんだと理解した。(ただしやり方に問題ありあり、残念賞)
互いを「鵺」と称する幸と惣次だけにつながる糸が見える。
口が固いと皆に言わしめた幸が、怒髪天に発した台詞に「もっと言ってやれぃ‼︎」とすっきりしましたわい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長男との結婚で一人で頑張る物語と思ったら、急展開になりました。次のお話が楽しみです。
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幸にとって身内の不幸が多すぎる。
でも、流石に四代目の不幸は気の毒とは思わなかった。
次から五鈴屋が、大きく生まれ変われることを期待する。 -
テレビで放送が始まり 私一巻しか読んでいないことに気がつきました。
友だちから 続きを貸してもらって読んでいます。
長男のアホボンと結婚しなければならなくなった。
でも 子供だから と手を出されずにすんだ。
よかったわあ!
お家さんはいい人
このうちの奉公人もいい人
怪我をしてやめた番頭さんは 励ましてくれる、
突然 遊びに出かけたアホボンが死んでしまう。
まあ よかった!
なんていうのもなんだけど。
次男の惣次が 跡を継ぐ条件として 幸を娶りたいという。
商売の好きな人同士の組み合わせ
ここで 2巻は終わります。
とっても読みやすく あっという間に読んでしまいました。 -
治兵衛さんの言葉はやっぱり心に響く。肝試しの章では、幸の頭の良さに舌を巻く。
ストーリーの面白さも然ることながら、色や、紋様の名前の由来にも触れられていて、なるほどと思わされたり、日本の文化や言葉について、改めて大事にしたいと感じる。
テレビドラマ第四話の視聴と並行して読んだけれど、どちらもそれぞれの良さがあっておもしろい。
第三巻を読むのも楽しみ。 -
2巻 早瀬篇。
読んでいる側は切ない…
江戸時代、奉公に出た女性は一生鍋の底を洗って過ごす。
大坂では女は家も継げない、商売もできない、親が決めた嫁ぎ先に行くのみ。
そんな幸の人生を変えるために、治兵衛は幸の才能に「戦国時代なら武将になれる」と伝える。
結婚でしか変えられない。遊び惚けている男の後添えになる。
こんな最低な男の妻になんて、女の立場からしたら屈辱的だが、幸はこの先の可能性に賭ける。その決断、13歳!?
子どもでもなく女性にも早い、この歳のうちに幸は知識を手に入れる。
2巻にして大波乱!?
形だけの夫婦の関係が終了…、そうすると店の主人の嫁 -
面白い。幸が、五鈴屋が、この先どうなるのかが、気になって仕方ない。
まさかの夫徳兵衛のアレという展開になり、次巻が読みたくてたまらない。
自分の中では、幸は女優のあの人、とイメージして読むのも楽しい。幸の成長を楽しみにしつつ、商いについても学べそうでよい。 -
美しく賢く成長する幸。お店の危機を救うため、商いの知識を得るために過酷な運命を受け入れる。知恵をつけるために知識を得る。治兵衛の言葉に心揺さぶられました。前途多難な展開ですが、幸の行く末に目が離せません。名前の通り幸せになる事を願ってます。大好き度❤️❤️❤️
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第一巻の終わりが暗示したとおりに理不尽な物語が進行していくのだが、さらに地獄図のような展開になるのかと固唾を飲ませておきながら、唐突に希望の光が差し込んでくる終盤と第三巻への見通しには肩透かしを食わされた気分。所詮は商売繁盛ものだとはいえ、千尋の谷に落とされた幸が這い上がってくる姿を凝視する重厚な小説を読みたかったという無い物ねだり。