あきない世傳 金と銀〈3〉奔流篇 (時代小説文庫)

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著者 : 髙田郁
  • 角川春樹事務所 (2017年2月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440684

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あきない世傳 金と銀〈3〉奔流篇 (時代小説文庫)の感想・レビュー・書評

  • シリーズ第三弾。
    ますます面白くなってきました。
    きものが好きなので、西陣、桐生、丹後ちりめんの由来も興味深く、
    仕入れる反物を生糸から見直そうとするあたり、わくわくしました。

    「力を貸してほしい。商いの道で知恵を絞ってほしい。」
    惣次に望まれ、四代目の後添いから五代目に嫁ぐ決意をした幸。
    二度めの祝言の席で嫌味を言われながらも、
    「笑って、勝ちに行く」と毅然と振る舞う幸の姿にほっとしていたのに…

    あぁ、どうしてこうなっちゃうんだろう…
    二人三脚で五十鈴屋を盛り立てていくのかと思いきや、
    そう簡単に、幸せにはしてくれないんですね。
    たしかに商いの才能には長けていても、
    情に薄い人のような気がしていました。
    聡明すぎる女房への嫉妬にかられる惣次の気持ちも、
    わからなくはないけれど、手を出したらいけない。

    治兵衛は「影に隠れる振りをして、旦那さんを掌でうまく転がしなはれ。」と助言してくれたけれど、幸にそれができるのか心配。
    幸の心のよりどころである治兵衛には、少しでも長く元気でいてほしい。

    本書に登場する治兵衛の好物・江州名物鮒鮨。
    昔頂いた時、その強烈な匂いに負けて食べられなかったんですが、
    再チャレンジしてみたいです。

  • 四代目徳兵衛の後を継ぎ、五代目徳兵衛となったのが弟の惣次。
    幸の商売の才能を認めていた惣次は幸を嫁にすることを条件とした。

    奉公人には厳しすぎるが、商いには真面目で、何よりも幸を思う惣次の嫁になった幸。
    これから二人で困難を乗り越え、五鈴屋を盛り立てていくのかと思ってたら…

    え”====!!!!
    こんな展開になるの?!
    幸はどうなるのよぉ!!

    あ~、もう続きが読みたい!!!

  • すっかり、「あきない世傳」幸の世界に取り込まれて、早くも三巻目に。
    こういったシリーズものは、その魅力にはまると、連続ドラマのように次が気になり、ついつい続けて手が出てしまう(笑)
    四代目徳兵衛の死去の後、五代目を継いだ惣次と夫婦になった幸。その二人の仲もまあまあ良く、商売も順調・・・
    しかし、波乱もなくこの物語が進むはずがない。あの、商売の利しか考えない惣次と幸がこのまま添い遂げるはずがない。そんな疑念を抱きながら読み進むと、やはり・・・!
    読者の期待?通りに波乱万丈の展開が待っていた。
    著者のストーリーテラーとしての本領発揮と、喝采を掲げながら続けて第四弾を。

  • 幸を大切に思い、大事にしていたはずの惣次。
    その思いもすべて消し飛んでしまうほど、男のプライドとは高いものなのだろうか。
    後添いになることを決め、惣次の言葉に頷き、ようやく本物の五鈴屋のご寮さんとなった幸。
    二人三脚でこれからは五鈴屋を大きくしていく・・・そんなふうに思っていたらまさかの展開が待ち受けていた。
    確かに幸が生きていた時代はいまとは違う。
    世の中は男社会で、あくまで男中心に物事が動いていた時代だ。
    言い方は悪いけれどまるで主人と使用人のように、ただひたすら夫に従い、夫に守られ、夫の意のままに生きていく。
    それが女の幸せだったのかもしれないけれど・・・。
    どれほど愛しいという気持ちがあったとしても、惣次にとっては男の誇りのほうが重かったのだろうか。
    仕方がないと思う反面、なんて狭量なんだろうと思ってしまった。
    もっとも、幸も惣次のことを夫としてどれほど愛しく思っていたかはわからない。
    夫に対する愛情は描かれていないからだ。
    共に五鈴屋を大きくしていこうと誓った同志としての情はもちろんあったあろうが。
    男にとっては才のありすぎる女は面倒なのだろうか。
    女からすれば嫉妬深い男ほど面倒臭いものはない。
    惣次は商いの基本ともいうべき大切なことも見失ってしまっている。
    幸は惣次にそれを思い出させることが出来るのか。
    幸の才を上手く商いに取りいれるだけの度量を惣次が持てるのか。

    商いの部分がとても面白い。
    だが商売だけではなく、夫婦の在り方や使用人たちとの関係。
    取引先との関係、受けた恩・・・。
    読んでいるといろいろなことを考えさせられる。
    これからの五鈴屋と惣次と幸夫婦の行く末も気になってしまう終わり方だった。

  • 高田郁『あきない世傳 金と銀 3 奔流篇』ハルキ文庫。

    シリーズ第3弾。NHKの朝の連続テレビ小説を観るがの如き展開が続く。五鈴屋四代目徳兵衛の不慮の事故死により17歳にして寡婦となった幸は四代目の弟である惣次と夫婦になり、惣次は五代目を継ぐが…

    一難去って、また一難。幸の波瀾に満ちた人生が描かれる。商いの世界で戦国武将になると決意した幸は次第に商いで才覚を見せるが、一方の惣次の金の亡者の如き変貌に幸の行く末が案じられる。五鈴屋の運命や如何に。

  • 四代目が 亡くなり、次男惣次に求められ五代目のご寮さんとなった幸。五代目は五鈴屋を大きくするため改革に着手し始める。幸の案が次々と当たりはじめ今後の展開が楽しみになってきたところで、大問題勃発!さぁどうなるんだ。すぐに貫流篇に進みますっ!

  • 3巻もとても面白かったです。でも、前巻でいい人かも…と思い始めた惣次も結局だめでした。幸の聡さに嫉妬して、後ろにいればいい、みたいに言っていたところに違和感を感じていましたがやはり。幸はご寮さんとして支えようとしていたのにな…。五鈴屋の兄弟、ろくな人がいないけど、智ぼんさんはどうかな…。でも、ラストの江州の方々との展開に、続きがとても楽しみになりました。幸は商いの世界で戦国武将にきっとなれる気がします。

  • 高田作品を読み慣れた者には
    変わらぬ安定の筋運び。
    しかし先行きの予兆こそ薄々と感じても
    その兆しの果てに待つ展開にはやはり
    いつもあっと驚かされ
    はらはらさせられもする。

    本当に慣れ親しんだ作品群なのに
    どうにも離れられない。

    江州波村との一件もそうだ。
    さもあらんとうなずかされたが
    そこからの急展開には心底驚いている。

    次に幸を待つのはどんな難儀か。
    みをつくしを読んでいた頃と同様に
    心配でたまらない。

    でも高田作品から離れられない
    私たちにはわかっている。

    高田作品の主人公たちは
    並々ならぬ苦労はしても
    その先に待つものが抜け出せぬ
    不幸などではありはしないことを。

    知恵と真心を持つ者は 必ず
    報われるということを。

  • 夫を支える賢く美しい新妻である主人公、幸が描かれていて、この調子で行くのならつまらないなぁとちょっと読むスピードが落ちた。4分の3ほど進んだところから徐々に幸が本来目指していた道がチラ見えしたような気持ちがいい展開に。しかしながら、惣次がいなければそこまでも辿り着けなかったことは幸も分かっている。惣次も幸は五鈴屋と結婚した、くらいは分かってるだろうに。だからこそ、なのかな。
    みをつくしシリーズのように『女の生き方と仕事』がテーマのこのシリーズ、リアルの知り合いの話みたいについつい気持ちを入れて読んでしまう。次巻も楽しみー!

  • 大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公する幸はその聡明さを買われ、店主徳兵衛の後添いとなるが不慮の事故で夫を失う。
    四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。
    果たして幸はどのような運命を選び取っていくのか。

    前作から怒涛の展開で物語は進み、これからどうなるんだろう、と気をもみながら読みました。

    幸の美貌と商才に惚れこむ惣次は、幸の結婚相手としても商売のパートナーとしてもこの上ない相手だと思いましたが、途中から暗雲たちこめる展開に。
    自分を上回る妻の才能に嫉妬する夫・惣次の姿には既視感あふれるものを感じました。
    こういう器の小さい男は現代にもいっぱいいますよね~。
    会社で仕事のできる女性に嫉妬して、女性の足を引っ張る男性を見たことがあります。
    現代にも通じる男女のパワーバランスに、大いに頷きました。

    ただ、毎回ジェットコースター展開にはわくわくさせられるのですが、主人公の幸の商才と美貌が毎回称賛され強調される展開には少し飽きてきました。

    前作『みをつくし料理帖』の澪は逆境にもめげず毎回努力している様子が語られたので、都合の良い展開でもあまり疑問を持たなかったのですが、『あきない世傳』の幸は境遇に流されるばかりでまだ本人の努力が見えないので出来すぎな展開にもやもやしちゃいます。

    でもこれから幸の本領が発揮されると思うので!また次巻を楽しみにしてます。

  • 五代目徳兵衛の妻に納まり、夫の支えとなって五鈴屋を盛り立てて行こうと、健気に頑張る主人公「幸」。
    気性が荒くて冷血だけど、まじめに一生懸命商売に励む夫なので、今度こそ幸せをつかめるか?と期待しつつ読み進めていったけれど。。。
    結局また、横暴で身勝手な男達に振り回されることになった幸と五鈴屋。
    女性が商売に口を出すことを良しとしていなかったこの時代、妻が、良かれと思い、夫を助けたい一心で少し自分の考えを言ってみただけでも、男たちの邪心や嫉妬を生み出す。しかしまだこの時二十歳を過ぎたばかりの幸。まるでその倍も生きてきたかのような冷静さ。虐げられていた分、この時代の女性は強いんだなぁ。
    まだまだ幸の人生は前途多難でどんな運命が待っているか分からないが、これからも応援していきたい。
    さあ4巻目!

  • 地方の貧しい下級武士の娘が大阪の商家に奉公し
    商いの志を立て、商いの戦国武将にのし上がるという
    野望を胸に、苦労を重ねる話の第3章。

    ついに商いに参加するようになった幸。
    夫婦で苦労を重ね、目星が見えてくると、
    才覚のある妻に夫は妬みを持つように。。。

    いつの世も、男というものは。。。
    主人公の才知溢れる商才は、いつのまにか
    嫉妬を呼び起こしてしまう。

  • 二人の間がぎくしゃくして今後どうなるのか楽しみ

  • なかなかうまいこといかないもんだなあ。惣次をどうも好きになれないまま読み進めていたら、やはりこんな騒動に。最後の幸の行動は、五鈴屋を救うことにはなるかもしれないけど、惣次の性格を考えたらマズイよ幸ちゃん。
    とにかくお家さんが心安らかに過ごせる日が早く来て欲しいです。あと智ぼんさんに女の影が。いやだ〜。笑

  • この巻は幸が五代目徳兵衛と結婚し、
    後半の大ピンチから次巻でついに店主に?と思わせるところまで。
    大きなターニングポイントの巻ですが、物語全体としてはまだまだ序盤(3割くらい?)なのでしょう。
    幸の商才のあるところが少しずつ見え、
    面白くなってきました。

    菊栄の再登場も嬉しかったですね。
    智ぼんとか妹とかが今後どのように絡んでくるかも楽しみ。

    次巻が待ち遠しい。

  • 幸の運命がさらに大きく動く。商売は上手く行きそうだけど、夫婦仲はどうなることやら。あと何巻続く予定なのかな。

  • 幸のご寮さんとして五代目の総次と共に五十鈴屋を
    盛り立てていこうと新たな決意をするの幸。
    幸の商才は益々研ぎ澄まされるが、その事で
    夫婦間に溝ができる。
    惣次は幸に似合う夫ではない。

  • 惣次さんが幸に首ったけな様子が、とても微笑ましくて、嬉しくなりました。商いの事も、幸の言葉を聞き入れ、その後の判断と行動力の素晴らしさ!二人で力を合わせれば、どんどん大きくなれると期待していました。

    惣ぼんさん!それはないでしょう?!幸の商才のあるところに惚れたんじゃあらへんの?!
    幸も3年間も何をしてたん?もっと商いに食い込んでかな、あかんよ!商いの戦国武将になるんやないのんか?!

  • 惣次さんは悪い人ではなかったんですけど、商いへの考えで行き違ってしまっては仕方なかったのでしょうね。でも、幸には自分の思うように行きて欲しいし、それが出来る逞しさを感じています。
    早く次巻を読まねば。

  • 五代目の妻となる決心をし、惣次は幸を商売のパートナーとしたはず。だが、この時代に遠く離れた江戸に支店を出すという途轍もない大きな目標が惣次の心を闇の方へ向けてしまったようだ。大坂商人の矜持は、損得勘定とお天道様に恥じない商いを両立させることなのだろう。千変万化で、いよいよ幸が商いの表舞台に立つ準備が整ったようだ。そしてまた次巻を首を長くして待つ時が訪れた。

  • +++
    大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾!
    +++

    幸の身がどうなるのかと気を揉んだが、今作では、納まるところに納まり、いよいよこれから本領発揮、というところである。後添えとなった五代目徳兵衛の惣次は、商売に関してはやり手であることに間違いはないのだが、その本質がまだいまひとつ呑み込めずにいるのも確かである。幸の功を立ててくれればいいのだが、なかなかそう上手くはいきそうもない。五鈴屋のこれからが少し見えてきたように思えたのだが、その惣次のやりようで台無しにしかねない状況である。ここを、幸がどう切り抜けていくのか、この先が愉しみなシリーズである。

  • ああ、そううまくは行かないのが物語というもの・・・。いや、現実もだけど。
    知恵を出しながらも惣次をたてる幸、きっともどかしいだろうなぁ、と思う。それほど気を遣っていたのに、一瞬で無下にするような夫の仕打ちがつらいし、ほんと男のプライドってどうしようもないな、とも思ったり。
    菊栄とこういう形でまた関わりが出てくるのが良かった。やはり同世代の同性が登場人物としてほしいところだもの。おばちゃんか男ばかりで・・・。
    菊栄目線でもひとつ話ができそうな、表舞台には立てない女たちの戦い。
    さて、幸はその常識というかしきたりを打ち砕くことになるのか、どうか。

  • 四代目のアホぼんに比べたら、五代目はいいヤツで良かったね幸(*^^*)と思ったのも束の間、何だか暗雲がモクモクと…(--;)しかし、どんどん幸の商才は伸びていく(^^)

  • 再婚して漸く良いパートナーと一緒にバリバリ仕事して
    行けるのね~と思ったら惣次も話が進むにつれ
    なんだかなぁと言う旦那に

    アイデアでは幸には敵わなくても、ここでお金をぽんと
    使う!と言う決断力はなかなかの物だと思うんだけど

    中途半端に商才の有る人故に、幸の才能に嫉妬して
    しまうなら、この人に相応しいのは

    仕事には全く興味がないので、嫁に任せて自分は
    店が傾かない程度に遊んでるわ~って人か

    うちの嫁はスゴイなぁ~vと屈託なく幸の事を
    リスペクト出来る人位か・・・

  • 前巻の終わり方で
    「うおー、気になる展開!!」
    と喜び、
    図書館から自分の番が来るのを待ち
    ようやく手にして
    読んだ訳ですが……

    幸(さち)の美貌と発言に惚れながらも
    自分を凌ぐかもしれない才に嫉妬する惣次の姿は
    分からなくもないような、切ないような。
    結婚当初は味方だった彼も
    段々障害になってきて……
    そこへきての、江州(今の滋賀か)の
    庄屋の言葉が……

    その一方、お竹の言動がありがたいねえ。
    確かに、彼女の存在、五鈴屋にとっても幸にとっても大きいよね。
    (もしも女が店を実質仕切ることができるのなら、彼女の才も生かされるはず)

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