あきない世傳金と銀 三 奔流篇 (ハルキ文庫 た 19-17 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440684

感想・レビュー・書評

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  • いよいよ商いの道に本格参入ですね。
    幸のこれからの活躍に期待。
    時代小説はあまり得意ではないのですが、その時代の言葉や背景の勉強にもなりますね。

  • 5代目徳兵衛、惣次のご寮さんとなる幸。商才に長け五鈴家を大きくする計画を持ち、五鈴家の改革にあたる惣次に、その聡さを見込まれ力を貸して欲しいとも言われ、店の認知拡大策など様々な知恵を出して協力して行く幸。
    惣次との協力が上手く回り出すのかと思いきや、商才はあれど大坂商人として必要な情に欠ける惣次の招いたピンチにおいて、聡さ、情、危機対応力など、人として商人としての器量の大きさで幸の方が上回る事が、取引先、家人、雇人達の目の前で共通認識になってしまうという場面で終わるこの第3巻。
    さぁ、また次が楽しみに。

  • 3巻 奔流篇。
    五鈴屋の長男の後添え(再婚相手)になったのは幸が13歳のとき。子どもすぎて相手にならんと夫婦情もかわさぬまま夫は早死。このとき幸は17歳、、。
    なんと五代目徳兵衛(次男 惣次)に夫婦になってほしいと言われる。
    商売以外に興味のない惣次が、商いのために幸の才能を買っていた。もはや夫婦ではなく、同志!
    それでもお互いが同じ方向を向いていれば良い方向に進むはず。

    幸のひらめきと女ならではの機転もあり、五鈴屋は上向きに。
    今でいう有料広告や店の名を拡げる粗品にはおどろかされる!
    忘れてならないのは、粗品のアイデアは祖母 の富久、二代目がおこなったことを参考にしている。

    男とは身勝手で、幸の才能が輝きを増すごとに、自分の手の内におさめようとする。同志だったはずがいつしか自分より才能のある者を疎ましくなっていく。
    こうなると意固地になって信頼関係は破綻していく…

    次の一手、流通の革命が起こるはずが、、
    いや失敗は誰にでもある、ただ失敗のあとどう対処するかは人柄がモロに出てしまう。
    商売は金銭だけでなく、情も忘れてならない。富久の孫なのにどうしてそうなってしまうのか…無念でならない。

    順調に向かっていたはずなのに。
    次巻では持ち直してくれるのか、、

  • 大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公する幸はその聡明さを買われ、店主徳兵衛の後添いとなるが不慮の事故で夫を失う。
    四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。
    果たして幸はどのような運命を選び取っていくのか。

    前作から怒涛の展開で物語は進み、これからどうなるんだろう、と気をもみながら読みました。

    幸の美貌と商才に惚れこむ惣次は、幸の結婚相手としても商売のパートナーとしてもこの上ない相手だと思いましたが、途中から暗雲たちこめる展開に。
    自分を上回る妻の才能に嫉妬する夫・惣次の姿には既視感あふれるものを感じました。
    こういう器の小さい男は現代にもいっぱいいますよね~。
    会社で仕事のできる女性に嫉妬して、女性の足を引っ張る男性を見たことがあります。
    現代にも通じる男女のパワーバランスに、大いに頷きました。

    ただ、毎回ジェットコースター展開にはわくわくさせられるのですが、主人公の幸の商才と美貌が毎回称賛され強調される展開には少し飽きてきました。

    前作『みをつくし料理帖』の澪は逆境にもめげず毎回努力している様子が語られたので、都合の良い展開でもあまり疑問を持たなかったのですが、『あきない世傳』の幸は境遇に流されるばかりでまだ本人の努力が見えないので出来すぎな展開にもやもやしちゃいます。

    でもこれから幸の本領が発揮されると思うので!また次巻を楽しみにしてます。

  • 3巻もとても面白かったです。でも、前巻でいい人かも…と思い始めた惣次も結局だめでした。幸の聡さに嫉妬して、後ろにいればいい、みたいに言っていたところに違和感を感じていましたがやはり。幸はご寮さんとして支えようとしていたのにな…。五鈴屋の兄弟、ろくな人がいないけど、智ぼんさんはどうかな…。でも、ラストの江州の方々との展開に、続きがとても楽しみになりました。幸は商いの世界で戦国武将にきっとなれる気がします。

  • 前回の終わりが良かったので、これから明るい未来が待っていると思いきや、またまた辛い方向へ・・。

  • シリーズ3作目。先日本屋に寄った時に最新刊が出ていて、裏のあらすじを見たい衝動にかられたけどぐっと我慢。

    四代目の弟の惣次が五代目徳次郎に就任。幸は五代目に嫁ぐことに。
    四代目の阿保ぼんがめちゃくちゃにした五鈴屋を立て直し、5年以内での江戸進出を目指して夫婦で知恵を出し合い、営業ノルマやインセンティブ、販促グッズや宣伝広告など、様々な商業展開で順調に進んでいるように見えたが……ちょくちょく惣次の横暴さが気になっていた。従業員への愛情が微塵も感じられないのに寝間では幸にベタベタ甘えて気持ち悪いものを感じていたけど、やっぱりそうなるよなぁという感じでした。利益を追求するあまり、切り捨てた人情に足元を掬われた。へそを曲げた惣次に、どうする幸…いっそ幸が五鈴屋を背負って立つ女武将になるか。続きも楽しみです。

  • なかなかうまいこといかないもんだなあ。惣次をどうも好きになれないまま読み進めていたら、やはりこんな騒動に。最後の幸の行動は、五鈴屋を救うことにはなるかもしれないけど、惣次の性格を考えたらマズイよ幸ちゃん。
    とにかくお家さんが心安らかに過ごせる日が早く来て欲しいです。あと智ぼんさんに女の影が。いやだ〜。笑

  • ドキドキハラハラ、幸や五鈴屋で働く人々を応援したくなりつつも、ああ、ぼん、そうやない、アホやな…それ見たことか、と感情を揺さぶられた第3巻。心臓に悪いから全巻一気読みしなくちゃ。
    琴栄さんのその後も知ることができて、ほっとした。

  • 【読むべき本は、読むべき時にやってくる】

    第2~4巻を入手したのは、4月初め、緊急事態宣言発表の直後である。翌日から都内図書館がロックダウンされ、ほどなく最寄り書店が営業停止した。
    本を手にできた幸運に感謝し、1ヶ月かけてゆっくり読もう、と決めたはずなのに…第2巻を開いたとたん、”やめられないとまらないかっぱえびせん”状態に陥った。

    ▷8巻までの感想を『note』に書きました。
    https://note.com/323_word_colour/n/n8d9a8b26a321?magazine_key=m49098f5eb3ca

著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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