ひらがなにっき

  • 解放出版社
4.21
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本棚登録 : 164
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759222432

作品紹介・あらすじ

「きょうはわたしのたんじょうびです。66さいになりました」と始まる日記は、学校に行けずに苦労したおばあちゃんの日常がいっぱいです。苦労をものともせず元気にユーモラスに生きる、文字を獲得する喜びにあふれた絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 後半は泣けてきて外では読めない。力強くて愛嬌ある絵が余計に切なくなってきた。
    識字率99%の国がある一方で教育の機会に恵まれず零れてしまった人の大変な苦労を垣間見た。

  • 字を書く練習を始めたおばあちゃんの話。日本は今では識字率99%を超えるが、勉強する機会がなく大人になった人も居ることに胸が痛む。力強く書かれた字がいい味を出している。

  • 幼い頃に字を学べなかった時代があること、大人になってから字を学ぶ教室に通う方々の存在を、背景を、社会での不便さを、広く若い世代の人たちに知ってもらい、考えてもらう良書。

  • それまで頑張らないと書かなかった書き言葉を使いたい、何としても日記に書きたいと思った理由が「悔しかった思いを形にしたい」というのがすごくリアルでした。
    絵本のタッチですが、良いことがあったからそれを残したい、誰かに伝えたい、というハッピーな話ではありませんでした。「書けないことが社会に通用しなかった」という悔しさ、恐らくは恥、そして人に理解してもらえなかったという怒り、そのすべてを表現するために主人公の取った方法が日記だったことに、言葉という存在の皮肉さを感じました。言葉によって傷つけられた主人公も、言葉によってしかその感情を表現できない、そんな言葉の両極性を学べる素晴らしいお話だと思います。

  • 文字が学べる環境に感謝
    子供に伝わったらいいな

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00609422

    「きょうはわたしのたんじょうびです。66さいになりました」と始まる日記は、学校に行けずに苦労したおばあちゃんの日常がいっぱいです。苦労をものともせず元気にユーモラスに生きる、文字を獲得する喜びにあふれた絵本。 (出版社HPより)

  • 識字・日本語教育とは…を考えるときの、私のバイブルです。学習者の権利という基本に立ち返らせてくれます

  • 2013.10.18読了

  • 60歳を超えた吉田一子さん(よしだ かずこ。″吉″の上は″土″)が大阪の富田林識字学級に通い、ひらがなや漢字を学ぶ様子を絵本にしたもの。
    学生の頃に本作と出会い、日本の識字率は100%でないことを知った。吉田さんのような方は沢山いるんだろうなあ。彼女が看護婦さんに勧められ自分の名前を漢字で書くことができた時の喜びは計り知れないと思う。その一方、悪口の落書きを書く人もいる。なんて哀しいことだろう。後書きも必読。教育の大切さに気付かせてくれる良作、おすすめ。

  • 文字が書ける、分かるってうれしくてありがたくて、学んだり文字で人とコミュニケートができるって楽しくて便利なの。絵本の「あとがき」をぜひ読んでみてください。自分の思ってる「当たり前」って、当たり前ってなんだっけ、当たり前ってないんだった、など思い返すきっかけ絵本だった。

    文字は道具、行動の原動力は「思い」。文字に限らず、道具を使うときに原動力となるのが「思い」。道具がある、道具の使い方を知っているのは、思いを実現するとき便利。

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著者プロフィール

若一の絵本制作実行委員会(わかいちのえほんせいさくじっこういいんかい)(代表:田村賢一、事務局長:辰巳真司)
お話しのモデルになった吉田一子さんの通う識字教室に関わる人が中心に集まった有志の会。

「2008年 『ひらがなにっき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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