ひげがあろうがなかろうが

著者 :
  • 解放出版社
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本棚登録 : 29
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (639ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759250312

作品紹介・あらすじ

山が切りたつ大竹林のはずれに、たけはお父と暮らしていた。そこには「技」をもった者がきては去っていく。やがて皆が集結し…。絶版『ひげのあるおやじたち』を前身とする新作。旧作・解説一挙収録。なにが問題だったのか必見。

感想・レビュー・書評

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  • 竹林の奥でおとうと二人で住むたけは、おとうの教育を受けたくましく育っていく。たけの健やかな成長をほほえましく読んでいましたが…さすがにそれだけではなかった。部落差別のお話だったんですね;;ラストは哀しいですが、たけならきっとたくましく生きていける。おとうはそう育てていましたもんね。…方言がせつなくなってくる…。

  • ★シンプルに上手い小説★差別的な児童文学として問題視されたと聞いて読んだが、正直その点はよく分からなかった。40年前に「問題作」とされた「ひげのあるおやじたち」を先に読んだ。章ごとに主人公が入れ替わり、市井の人間が城の権力者を倒す。その物語の流れに素晴らしい勢いがあり、読んでいて止まらなかった。非人の臭いの描写が問題なのだろうか。私にはそう思えなくてもやはり言われた方にはひっかかるのか。
     前作を踏まえた上での表題の新作はもう少し夢幻的。人が山の中で風になり石になる。明示はされていないが忍者なのだろう。夢の中に入り込む人もいる。分かりやすい反権力の闘争は前作より薄れ、最後もいったんは敗れて終わる。教訓が底に流れるような書きぶりのため物語としての勢いは薄れたのはやや残念。それでも幻想的な表現には何度もしびれた。小説の書き手として単純にうまい。

  • 図書館で借りた本。

    男の子ってこういうふうに成長するのか。

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著者プロフィール

1932年、大阪生まれ。『海の日曜日』(実業之日本社)でサンケイ児童出版文化賞と児童福祉文化賞、『ぼんぼん』で日本児童文学者協会賞、『兄貴』で野間児童文芸賞、『ぼんぼん』三部作で路傍の石文学賞を受賞(いずれも理論社)、他に『子どもの本・持札公開』(みすず書房)、『まんじゅうざむらい』(解放出版社)、など多数。絵本では、『でんでんだいこいのち』(片山健・絵/童心社)で小学館児童出版文化賞、『いろはにほへと』(長谷川義史・絵/BL出版)で日本絵本賞を受賞。他に『なんででんねん天満はん—天神祭』(童心社)、『龍』『いつだって長さんがいて…』 (いずれもBL出版)、など多数。

「2007年 『ひげがあろうが なかろうが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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