父親の7つの行動: お父さん、今こそあなたの出番です

著者 :
  • 海竜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759306392

感想・レビュー・書評

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  • 父親の子育てのバイブル本。

    ■子供に「敬」を教える
    子どもを育てる上で一番大切なことは、わがままな気持ちを抑える意志力をつけさせること、人を思いやる気持ちを持たせること。

    子どもが非行を犯したり、いじめをしたり、自殺をしたりする全ての大本は、子どもが大人を尊敬しなくなったことに端を発している。親を尊敬しなくなった理由は家庭から教育がなくなったから。
    →躾ける(教育する)ことを放棄すると結果として非行に走る子どもに育つことを認識する。

    人格形成は小学校に入るまでの乳幼児期が最も大事な時期。

    凶悪事件を起こした子どもの家庭環境を調べてみると、必ずと言っていいほど父親の影が薄い。
    →子どもは非行は父親が役割を果たしていないから生じることが多い。非行に走ったら自分の責任だと思うこと。父親が子育てに参加すれば2倍以上の力となる。母親のサポートをするだけでなく、子どもを教育することも積極的に行う必要がある。

    父親は敬されるに足る人間であるよう努力することが必要。
    →人間力を高めることが必要。その意識がなく子どもに押し付けても子供には響かない。まず自分自身が律する態度を見せなければならない。

    父親は自分の本当の役割が何かを学ばなければならない。それがわかっていないから、子どもと安易に友人のような関係になってしまったり、子どもがまったく理解できずに、疎遠になってしまったりする。
    →仲良くするだけではダメ。それは同年代の友人で十分。父親は時には厳しく躾けるのも役目。一家の中心としてきちっと存在すること。

    父親は子どもが小さい頃から、子どもの話を上手に聞く習慣を持つこと。子どもの話していることに耳を傾け、タイミングよく相槌を打つ。父親との接触を求めるのを真面目に応えてあげると、子どもの心には父親への「敬」の念が芽生える。

    たとえわずかな期間でも、幼い子どもを教え導かずに放っておき、したいようにさせてしまうと悪い方に進みやすい。
    →ただ遊ばせてしまっているが、わずかな期間でも常に躾ける(教える)という姿勢が大事。

    親が子に衣食住の世話を十分にして愛情を注いでも、正しい躾をせずに、物の正しい考え方や正しい行いについて教えなければ、親として大きな過ちになる。

    まず子どもが小さいうちに、その子を尊重している態度を親が示さなくてはならない。
    →まず子どもを認めてあげる。そのあとに教える。この順番が逆だと効果はない。

    父親がいい子育てを知っていれば、母親にもその方針なり方法を教えて、"両親"で実線していけばよい。

    父親が本物の認識を持った上で、"傍観者にならずに"積極的に子育てに関与することこそ、いい子に育てる第一歩。
    →母親からいろいろ頼まれるのは、子育てに参加してというサイン。あなたはどれくらい関与してくれるのかということを試されていると認識する。

    人生の問題を解決していくのに、自分の小智の思いつきだけでは、こなすことができない。正しい処置は必ず故き良きをたずねて、それによって今のみつを判断していくのでなくてはならない。

    ■子どもに「忍」を体得させる
    子育てで大事なことはセルフコントロールを体得させること。
    「ゆとり」を尊重した教育方針は、自分の欲求を抑えられずに、思い通りにならないとすぐにキレたりする子どもが育つ結果となる。

    周囲の大人が自分の欲求を全部かなえてくれるような子どもは、実は欲求不満が強くなる。

    床に転がって足をばたばたさせ、暴れながら訴えても親は毅然とした態度をとり続けなければならない。泣き止んだら抱き上げて「よく我慢したね」と褒めてあげる。
    そうやって最後に褒めてあげることが大切で、こうすることで子供は親の愛情を感じ、自分を抑えることを学んでいく。
    →現実は一生懸命ご機嫌とりをして、言うなりになる親がほとんど。子どもが聞き分けのないときは根競べのつもりで放っておいて子どもに我慢を覚えさせる。

    「わがまま、意地悪、嘘、反抗」この4つの行動をしたら親はちゃんと叱る。
    ただし、嘘は叱ると逆効果で、厳しく叱るとますます嘘をつく子になってしまう。逆に「正直だね」「素直だね」と語りかける。

    約束事を作るときは、父親と母親、そして子供も交えて話し合うこと。それを「我が家の憲法」として子どもにきっちり守らせる。
    ①人を傷つけないこと
    ②人に迷惑をかけないこと
    ③自分のしたことに責任を持つこと

    ■子どもに「愛」を育てる
    男の子にとって、父親は今も昔も大人になっていくときのモデル。父親との触れ合いの中で、父親の考え方や仕事への姿勢、家族への接し方などを見て、人間としての基本的な考え方や行動を学び、人格が形成されていく。

    乳幼児の子どもとの触れ合いでは、スキンシップがキーワード。
    甘やかすことと愛情を注ぐことは違う。父親もできる限り時間や機会を見つけて、子どもとスキンシップをすることが大切。

    大事なのはその愛情が子どもにきちんと伝わっているか、子どもが愛されていると感じているか。子どもの様子がおかしい、問題行動を起こすようなときは子どもを叱るだけでなく、自分の愛情が伝わっているか、もう一度考えてみる必要がある。
    →できないことばかりが目について、叱る割合が多くなっていないかを意識する。多くの人はできる70%を褒めないで、できない30%を叱りがち。

    溺愛とたくさんの愛情を注ぐというのは全く違う。
    幼児期に親から溺愛され、我慢することを教えられなかったというのは非行少年に共通して見られる特徴。

    愛情と厳しさは、いわば車の両輪。
    →両輪だけど、割合としては「二つ褒めて、一つ叱る」なので、三輪車のようなイメージ。

    厳しくするだけでは、子どもは反発してしまって、心を閉ざし、言うことを聞こうとはしない。まずは子どもを肯定し受け入れること。
    →大人でも細かくとやかくいわれるのがいい気がしない。子どもも同じ。子どもを子供扱いするのではなく人間扱いする。

    いつも親から褒められて育った子どもは素直に育ち、親との間にも心の壁がない。
    →壁をなくすためには褒めることが必要。

    「子育て上手は、褒め上手」
    →叱るときは本気で、褒めるときは業務的になっていないかを意識する。褒め方にもバリエーションを持たせて褒め上手になる。褒め方の勉強をする。まず褒めることが最初のステップ。叱るのはその後。日頃の褒め具合で叱った時に効果(言うことの効き度合い)が違うことを意識する。極論、躾けるために褒める、認める。

    父親は母親に比べて、子どもと接する時間も少ないのが普通。その父親がいつもうるさく言い、厳しくしているだけでは、子どもは心を開こうとはしなくなる。
    →普段は優しい父親でいて、必要な時にいざというときにガツンと厳しくやるのも父親の役目。そのためには尊敬されている必要がある。

    周りの人に迷惑をかけている子どもを叱ろうとしない親に限って、「子どもの自由が」「子どもの自主性が」と言うが、自由や自主性には責任が伴う。責任がとれないなら、それはわがままでしかない。

    とかく悪いところは目につくもので、そうなると、それを直してもらいたくなる。しかし、自分の悪い所を直すのさえ難しいのに、他人に直してもらうことなど不可能に近い。それよりも相手のいいところを見ることを習慣にしたほうがはるかに楽。

    ■子どもに「憤」を起こさせる
    子どもにやらせたいこと、向いていそうなことがあったら、押し付けてでもやらせようというのではなく、関心を引くように仕向けて、自分でやってみたいと言い出すのを待つ。

  • 図書館

  • 【読書その68】以前読んだ育児の関係の本でお勧め本として紹介されていた本。
    書かれているのは非常にシンプルだが、父親が子供にいかに向き合うべきか非常に有益なアドバイス。
    自分自身のこれまでの自分の両親との関係など、色々振り返りながら読み、色々思いが込み上げた。
    この本を読んで気づいたのは以下の3点。

    ①子供への愛情の基本は、子供を肯定し、受け入れること。

    人間関係の基本でもあるが、やはり、子供に対しても同じ。
    子育てで子供を肯定することは、ほめること。
    愛をしっかり伝え、子供を認め、褒める。
    単に言葉だけでうわべだけではダメ。
    しっかり、子供を見て、その上で感情を入れて褒めること。

    ②夫婦仲良くが子供の育つ最高の環境

    この点は、自分自身の人生・経験の中で一番痛感していること。
    子供にとって両親はどちらもかけがえのない両親。
    どちらの方が大事とかはない。
    これから家族の中で色々な困難があると思うけど、
    そんな時でも互いを思いやり、夫婦仲良くやっていくことが大事。
    それは、子供の成長にも本当に大きな影響を与える。

    ③子供は父親の背中を見て育つ。

    自分自身を振り返ってみる。

    不器用で自分の気持ちをなかなか伝えられない父。
    自分自身、父親とはこれまで本当に意思疎通ができなくて、うまくいかない時期が長かった。
    しかし、自分自身の進路に大きな影響を与えたのは気づけば父だった。

    自分の父の仕事は、障害者施設で日々障害を持った人たちの生活を支援すること。
    まさに「障害者福祉に生きる人」。
    幼少期にはいつも父に連れられて家族でその施設に行ったことをよく覚えている。

    福祉の現場で悩みに悩みながらも障害を持つ人たちに何とか支援したいという
    父の後ろ姿をみて、自分もいつしか福祉の世界で働きたいと思うようになった。
    そのため、行政マンとして福祉に携わりたいと思い、今の仕事を選んだ。
    今振り返っても本当に正しい選択をしたと思う。

    子供は父親の背中を見て育つ。
    その意味を再度自分自身噛みしめ、
    自分の息子に対して恥じない姿を見せたい。父と同じように。

    最後に仕事を始め、父の気持ちがすごくわかるようになった。
    父親になって、さらに父の気持ちがわかっていくのだろう。
    すごく楽しみである。

著者プロフィール

七田眞 1929年7月28日生まれ、島根県出身。米国ニューポート大学日本校・教育学部教授。教育学博士。日本文化振興会副会長。七田チャイルドアカデミー校長。しちだ・教育研究所会長。1997年、社会文化功労賞受賞、世界学術文化審議会より七田式右脳開発法を最優秀理論と認める最高功労賞を受賞。また国際学士院の世界知的財産登録協議会より、世界平和功労賞大騎士勲章を受章。2003年、知的財産の振興に尽くした功績に対し、東久邇宮記念賞を受賞。現在、七田式幼児教育を実践している教室は全国で450以上に広がり、アメリカ、韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、タイにも七田式教育論が広がっている。著書に「奇跡の『右脳』革命」(三笠書房)、「わが子を天才児に育てる!」(KKロングセラーズ)など多数がある。

「2013年 『「魂」の人生学 学び、愛し、育てた七田眞の伝言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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